釜石駅
釜石駅(かまいしえき)は、岩手県釜石市鈴子町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・三陸鉄道の駅である。
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概要
JR東日本の山田線と釜石線、三陸鉄道の南リアス線が乗り入れている。
3路線とも当駅が終着駅である。当駅を発車する列車は、山田線の宮古方面行き列車が下りとなる他は、全て上り列車となる。なお、JRの駅の所属線は山田線である[1]。
歴史
- 1939年(昭和14年)9月17日:国有鉄道山田線の駅として開業[2]。一般駅。
- 1944年(昭和19年)10月11日:釜石東線(後の釜石線)が開業[3]。
- 1968年(昭和43年)10月1日:「みどりの窓口」設置。
- 1971年(昭和46年)12月1日:釜石駅旅客営業センターを設置。
- 1984年(昭和59年)4月1日:三陸鉄道南リアス線が開業[4]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物・専用線発着を除く貨物の取扱を廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、国鉄駅は東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道が継承[3][4]。
- 1999年(平成11年)3月31日:日本貨物鉄道の駅が廃止、貨物の取扱が終了[3]。1990年代まで、新日本製鐵釜石製鐵所へ至る専用鉄道が駅から分岐していた。
- 2009年(平成21年)8月27日:三陸鉄道釜石駅において、食品加工会社の丸辰カマスイがネーミングライツ(命名権)を取得し、同社が販売する商品名を冠した『南部さけコンドロイチン釜石駅』の愛称が付く(契約期間1年)[5]。
- 2011年(平成23年):東日本大震災(地震と津波)により被災するも、駅舎は倒壊や流失を免れた。
- 2012年(平成24年)12月8日:「鉄のまち」を象徴する駅舎に改装[6]。
- 2014年(平成26年)4月5日:三陸鉄道南リアス線吉浜駅 - 当駅間復旧[7]。
- 2015年(平成27年)4月:三陸鉄道釜石駅において、イオンがネーミングライツを取得し、『イオンタウン釜石駅』の愛称が付く(契約期間1年)。
- 2016年(平成28年)7月17日:三陸鉄道釜石駅において、発車メロディを導入(作曲・演奏は向谷実)[8]。
- 2017年(平成29年)3月31日:この日限りで釜石駅旅行センターの営業が終了。
なお、釜石東線が開業する前の1911年(明治44年)から、釜石 - 大橋間には鉱石輸送のための釜石鉱山鉄道が存在し、釜石線全通後の1965年(昭和40年)まで運行された。同線の釜石側の駅は当初鈴子駅と名乗り、後に釜石駅と改称されていたが、国鉄釜石駅の開業に伴い釜石製鉄駅へ改称された。
駅構造
JR東日本
島式ホーム2面4線を有する列車交換可能な地上駅になっている。駅舎とホームは地下通路で連絡している。
直営駅(駅長・営業総括助役配置)。釜石線営業所が併設されていた。管理駅として、山田線の浪板海岸駅 - 両石駅間と釜石線の上有住駅 - 小佐野駅間の各駅を管理している。
駅舎にはみどりの窓口(営業時間:5時00分 - 19時50分)、自由席券きっぷうりば(POS端末窓口、改札担当が兼務)、自動券売機1台、NEWDAYS、立ち食いそば屋「そば処釜石」(営業時間:7時00分 - 17時00分)がある。
2007年(平成19年)12月初め、待合所が開放型から閉鎖型に改装された。待合所の中にはキオスクと駅舎外にあった立ち食いそば屋が入居し、駅舎2階にあったレストランは閉店した。
2012年(平成24年)には、三陸海岸の復興支援を目的として駅舎のリニューアルが行われた。駅のテーマは「鉄のまち」で、製鉄所の溶鉱炉をイメージした。外壁下部はレンガ調で、そこから鉄をイメージしたルーバーを立ち上げている。また入口ゲートは「釜」の字を模した形状を連続させている。駅舎内は光天井のイメージで、乳白色のカバーで覆ったLED照明を採用している[9]。
従来、通路からホームへは階段のみであったが、エスカル(車椅子用階段昇降機)が設置された。
東日本大震災により、当駅より宮古方面へは不通となっており、代替バスによる振替輸送利用となっている。宮古駅へは釜石駅前から途中の道の駅やまだまでが岩手県交通バス、そこから宮古駅前までは岩手県北バス利用となる[10]。
のりば
番線 | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ■釜石線 | 遠野・花巻方面 | |
2・3 | ■釜石線 | 遠野・花巻方面 | |
□山田線 | 運行停止中 | ||
4 | ■釜石線 | 遠野・花巻方面 | |
□山田線 | 運行停止中 | ||
□三陸鉄道南リアス線 | 山田線からの直通のみ(山田線運休のため設定なし) |
三陸鉄道
単式ホーム1面1線を有する地上駅。JRのホームとはやや離れた位置にある。また駅舎からホームへはJRの線路を挟んでおり、地下通路で連絡する。地下通路でJR構内と接続しているが、JR直通列車発着時と接続時間が短い場合のみ開放される。
社員配置駅(駅長配置)。駅舎には出札窓口、自動券売機がある。JR直通列車を除き改札業務はせず、運賃は車内精算となる。またJRの駅レンタカー業務を受託している。従来JR駅舎と三陸鉄道駅舎の間に喫煙所があったが、2015年現在撤廃されている。
2015年4月よりイオンが命名権を取得し、2016年3月までの予定で「イオンタウン釜石駅」と称されていた。[11]
利用状況
- JR東日本 - 2017年度(平成29年度)の1日平均乗車人員は258人である[JR 1]。
- 三陸鉄道 - 2015年度(平成27年)の年間乗車人員は42,974人である[三陸鉄道 1]。(2011年度~2013年度は東日本大震災の影響で運休)
近年の乗車人員の推移は下記のとおりである。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | JR東日本 | 三陸鉄道 |
2000年(平成12年) | 663[JR 2] | |
2001年(平成13年) | 645[JR 3] | |
2002年(平成14年) | 604[JR 4] | |
2003年(平成15年) | 529[JR 5] | |
2004年(平成16年) | 536[JR 6] | 92,703[三陸鉄道 2] |
2005年(平成17年) | 530[JR 7] | 87,633[三陸鉄道 2] |
2006年(平成18年) | 539[JR 8] | 88,474[三陸鉄道 2] |
2007年(平成19年) | 525[JR 9] | 66,216[三陸鉄道 3] |
2008年(平成20年) | 484[JR 10] | 44,132[三陸鉄道 3] |
2009年(平成21年) | 457[JR 11] | 38,829[三陸鉄道 3] |
2010年(平成22年) | 443[JR 12] | 35,303[三陸鉄道 4] |
2011年(平成23年) | 221[JR 13] | 運 休 |
2012年(平成24年) | 274[JR 14] | |
2013年(平成25年) | 271[JR 15] | |
2014年(平成26年) | 280[JR 16] | 58,533[三陸鉄道 1] |
2015年(平成27年) | 270[JR 17] | 42,974[三陸鉄道 1] |
2016年(平成28年) | 254[JR 18] | |
2017年(平成29年) | 258[JR 1] |
駅周辺
- ホテルフォルクローロ三陸釜石(JR釜石駅駅舎隣接地に、2015年3月29日に開業した[12]。)
- 駅前橋上市場サン・フィッシュ釜石
- 釜石市立のぞみ病院
- 釜石市立釜石小学校
- 釜石鈴子郵便局
- シープラザ釜石
- 新日鐵住金釜石製鐵所
- 宮古信用金庫大渡支店
- ローソン釜石駅前店
- マイヤ釜石店
- ケーズデンキ釜石店
- イオンタウン釜石
- 大渡商店街
バス路線
その他
- エスペラントによる、「La Oceano(ラ・オツェアーノ:大洋)」という愛称がついている。
- 国鉄時代は釜石・宮古地区を統括する釜石運輸長が配置されていたが、民営化後に北上地区(宮古・茂市・川内・区界駅管内は盛岡地区)へ移管された。
- 「鉄の町の玄関口として、日本の鉄産業の歴史に貢献してきた駅舎」として、2002年(平成14年)東北の駅百選に選定された。
隣の駅
- 三陸鉄道
- ■南リアス線
- 平田駅 - 釜石駅
脚注
記事本文
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻21号 釜石線・山田線・岩泉線・北上線・八戸線 18頁
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻21号 釜石線・山田線・岩泉線・北上線・八戸線 11頁
- ↑ 4.0 4.1 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 通巻21号 釜石線・山田線・岩泉線・北上線・八戸線 19頁
- ↑ “三陸鉄道に「南部さけ コンドロイチン 釜石駅」誕生”. 朝日新聞. (2009年8月30日)
- ↑ 交通新聞2012年12月13日
- ↑ “三鉄が4月全線再開 南リアス線5日、北リアス線6日”. 岩手日報. (2014年1月2日). オリジナルの2014年1月3日時点によるアーカイブ。 . 2014閲覧.
- ↑ “向谷実氏提供の釜石駅発車メロディーができました!”. 三陸鉄道. (2016年7月18日) . 2017閲覧.
- ↑ 交通新聞2013年1月18日
- ↑ “宮古ー釜石間 乗り継ぎ時刻表”. 岩手県北バス. . 2017閲覧.
- ↑ 「イオンタウン」釜石駅に表示 三鉄と命名権契約(2015年4月10日時点のアーカイブ) - 岩手日報、2015年4月5日
- ↑ 中田博維(2015年3月30日). “ホテル:釜石で開業 JR駅隣接、交流人口増に期待”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
利用状況
JR東日本
- ↑ 1.0 1.1 “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
- ↑ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. . 2018閲覧.
三陸鉄道
参考文献
- 曽根悟(監修) 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』21号 釜石線・山田線・岩泉線・北上線・八戸線、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009-12-06、5-19。
関連項目
外部リンク
- ■ 山田線
- 盛岡 - 上盛岡 - 山岸 - 上米内 - *
大志田- *浅岸- 区界 - 松草 - 平津戸 - 川内 - 箱石 - 陸中川井 - 腹帯 - 茂市 - 蟇目 - 花原市 - 千徳 - (久慈方面<<)宮古 - 磯鶏*1 - 八木沢・宮古短大(事業中)*1 - 津軽石*1 - 払川(事業中)*1 - 豊間根*1 - 陸中山田*1 - 織笠*1 - 岩手船越*1 - 浪板海岸*1 - 吉里吉里*1 - 大槌*1 - 鵜住居*1 - 両石*1 - 釜石(>>花巻・盛方面)
貨物支線(廃線) : 宮古 - 宮古港
*打消線は廃駅
※駅名*1となっているものは東日本大震災により営業休止(未開業駅を除く)、復旧後に三陸鉄道に移譲予定区間内の駅。