海田市駅

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南口(2008年7月24日)

海田市駅(かいたいちえき)は、広島県安芸郡海田町新町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の

概要

山陽本線所属線[1]とし、呉線を加えた2路線が乗り入れる。呉線は当駅が線路名称上の終着駅であるが、運転系統上ではすべての列車が山陽本線経由で広島以西に発着する。

海田町の代表駅なのに海田駅と言うのは、かつてこの地域が安芸郡海田市町(かいたいちちょう)であったためである。その後、1956年(昭和31年)に海田市町は隣接する東海田町(←奥海田村)と合併し海田町となったが、駅名は変更されず現在に至っている。付近の住民からは「海田駅」と呼ばれるほか、県外の人からは「かいたし」駅と誤った呼ばれ方をされることも多い。

快速列車の停車の実現

当駅は国鉄時代、一部の長距離急行列車が停車していた。山陽新幹線の開通で優等列車の停車がなくなってからも定期快速電車のすべてが停車していたが、ひろしまシティ電車の導入の頃から普通列車が大幅に増え、快速列車は減少、のち消滅した。

JR発足後の1991年(平成3年)3月16日より山陽本線で、1996年(平成8年)3月16日より呉線で快速列車の運転が開始されたが、当駅は停車駅に指定されなかった。しかし、2007年(平成19年)3月18日より、山陽本線の快速「通勤ライナー」が朝夕2往復に限り停車を開始し、2010年(平成22年)3月13日より全列車が停車を開始した。その後、2012年(平成24年)3月17日より山陽本線の快速「通勤ライナー」は平日朝のみの運転となる一方、呉線の快速「安芸路ライナー」は天神川駅と交換する形で停車を開始した[2]。さらに、2016年(平成28年)3月26日より6年ぶりに復活した快速「シティライナー」は以前当駅を通過していたが、停車駅となった。現在は、呉線の快速「通勤ライナー」のみ通過となっている。

歴史

この駅の歴史は1894年明治27年)の山陽鉄道開通に端を発する。1903年(明治36年)には海田市 - 呉間の呉線も開業した。山陽本線と呉線の西側の分岐駅であり、戦時中は広島から軍港であった呉に物資を運ぶ列車の重要な中継点であった。現在の町の規模には不釣り合いなほど長いプラットホームに当時の名残がしのばれる。原爆投下後、大勢の被爆者たちが海田市駅に避難した。また当時海田市駅より西が不通となったため、広島から東方面への移動拠点として機能した。

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線のあわせて3面5線のホームを持つ地上駅で、山側の3線を山陽本線列車が、海側の2線を呉線列車が使用する。1番線ホーム西端には、真冬に花を咲かせることで有名な寒桜があり、広島地方で一番早く春の訪れを告げる桜として毎年TV・新聞に紹介される。

直営駅西条駅の被管理駅)。また、ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)であり、JRの旅客営業規則ではJRの特定都区市内制度における「広島市内」の駅に含まれる。当駅の所在地は広島市ではないが、便宜上は隣の向洋駅(安芸郡府中町)とともに含まれている。駅スタンプは「山陽本線と呉線の分岐駅」。

呉線の快速「安芸路ライナー」は一部を除きワンマン運転を実施しているため、確認用のミラーが呉線ホームに設置されている。

駅舎概要

現在の駅舎は、それまで西日本で最も古いことで知られていた明治36年(1903年)建築の旧駅舎に替わって建築された橋上駅舎である(1986年12月完成)。それまで北側のみに改札口があったが(かつて、南側にも朝夕通勤時のみに開かれる小規模な改札口はあった(現在の南口よりも100m程西。跨線橋が無かったため4、5番線ホームまで線路を歩いて渡っていた)、のちに南側にも改札口が設置された。2009年にバリアフリーの一環としてホームのかさ上げ工事が行われ、2010年に山陽本線西条方面と広島方面のホームにエレベーターが完成し、使用を開始した。

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
1 G 山陽本線 上り 西条三原方面
2・3 下り 広島宮島口方面 山陽本線西条方面から
2番のりばは一部列車のみ[注 3]
4 Y 呉線 上り 竹原方面
5 下り 広島・宮島口方面 呉線呉方面から

2018年7月の豪雨災害により、広島駅からの列車はすべて当駅で折り返し運転を行っており、山陽線西条・三原方面および呉線は不通になっている。

2番のりばは山陽本線上り貨物列車の通過線としても使われている。

5番線の外側に1線の側線があり、広島方面と呉方面への発車が可能。かつては当駅から南に分岐し、陸上自衛隊海田市駐屯地に向う専用線があったが既に撤去されている。改札上には以前は回転字幕式の発車案内が設置されていたが、工事によりLED式の発車案内が設置された。以前は列車接近(または通過)時にメロディーが流れるだけであったが、バリアフリー工事完了後は簡易放送も開始。2012年3月に現行の放送に更新されている。

なお、広島市東部地区連続立体交差事業が完成すると当駅は、1階が改札口などになり、2階部分に山陽本線、3階部分に呉線が乗り入れる構造であったが、計画の見直しにより高架化されないことになった[5][6]

配線図

当駅から広島貨物ターミナル駅までの間が複々線になっており、外側2線を旅客列車、内側2線を貨物列車が使用する。下り列車に限り、山陽本線西条方面から旅客線に進出する列車と、呉線から貨物線に進出する列車とが平面交差する。

ファイル:Kaita.jpg
海田市駅配線図


利用状況

  • 以下の情報は、「広島県統計年鑑」及び「広島市統計書」に基づいたデータである。
年度 1日平均
乗車人員
1984年(昭和59年) 6,832
1985年(昭和60年) 7,164
1986年(昭和61年) 7,358
1987年(昭和62年) 8,359
1988年(昭和63年) 8,725
1989年(平成 元年) 8,865
1990年(平成02年) 9,380
1991年(平成03年) 9,745
1992年(平成04年) 10,011
1993年(平成05年) 10,225
1994年(平成06年) 10,121
1995年(平成07年) 10,000
1996年(平成08年) 9,889
1997年(平成09年) 9,518
1998年(平成10年) 9,270
1999年(平成11年) 9,326
2000年(平成12年) 9,272
2001年(平成13年) 9,068
2002年(平成14年) 8,987
2003年(平成15年) 9,154
2004年(平成16年) 9,328
2005年(平成17年) 9,273
2006年(平成18年) 9,326
2007年(平成19年) 9,339
2008年(平成20年) 9,199
2009年(平成21年) 8,819
2010年(平成22年) 8,874
2011年(平成23年) 9,019
2012年(平成24年) 9,174
2013年(平成25年) 9,234
2014年(平成26年) 9,164
2015年(平成27年) 9,560
2016年(平成28年) 9,647
乗車数グラフ

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駅周辺

「海田」という名が示すとおりこの一帯の海側は干拓地であり、山と海に挟まれた地形となっている。海田市をおよその基点にして西側は広島平野が広がり、東側は「瀬野八」(瀬野駅 - 八本松駅)と呼ばれる西日本一の急勾配のある山間部に入っていく。

南口

北口

  • 海田警察署海田市駅前交番
  • 芸陽バス・海田町じゅんかんバス 海田市駅北口バス停
  • 広島市立船越小学校(海田町内の4小学校より海田市駅に近い)
  • 海田町役場
  • 熊野神社
  • 海田町保健センター
  • 海田公民館
  • 海田中店郵便局
  • 大師寺
  • 龍洞保育園
  • 明光保育園
  • 広島市信用組合海田支店
  • 広島県重要文化財「千葉家書院」
  • 広島市指定史跡新宮古墳船越四丁目:横穴式石室
  • ウォンツ船越店
  • 船越公民館

隣の駅

西日本旅客鉄道
G 山陽本線
快速「シティライナー」(土休日下りのみ運転)・快速「通勤ライナー」(平日朝下りのみ運転)
八本松駅海田市駅広島駅
普通
安芸中野駅 - 海田市駅 - 向洋駅
Y 呉線(海田市駅 - 広島駅間は山陽本線)
快速「通勤ライナー」
通過
快速「安芸路ライナー」
矢野駅 - 海田市駅 - 広島駅
普通
矢野駅 - 海田市駅 - 向洋駅

脚注

注釈

  1. 当時の1555M(13:47発 普通大野浦行)と1563M(15:35発 普通岩国行)の2本のみであった。
  2. 2010年3月13日のダイヤ改正で廃止された当時のシティライナーは、当駅を通過していた。
  3. 2018年3月17日現在、全日1543M(15:33発 普通岩国行)が使用。
  4. 当駅から徒歩1分の所にある瀬野川にかかる歩行者専用の橋。竹下内閣の「ふるさと創成事業」の1億円を原資に海田町が建設した。
  5. 当駅の所在地である海田町に隣接する広島市安芸区の区役所であるが、安芸区役所の所在地である広島市安芸区船越町と当駅は近接しており、最寄り駅となる。

出典

参考書籍

  • 各 広島市統計書

関連項目

外部リンク

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