海田市駅
海田市駅(かいたいちえき)は、広島県安芸郡海田町新町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅。
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概要
山陽本線を所属線[1]とし、呉線を加えた2路線が乗り入れる。呉線は当駅が線路名称上の終着駅であるが、運転系統上ではすべての列車が山陽本線経由で広島以西に発着する。
海田町の代表駅なのに海田市駅と言うのは、かつてこの地域が安芸郡海田市町(かいたいちちょう)であったためである。その後、1956年(昭和31年)に海田市町は隣接する東海田町(←奥海田村)と合併し海田町となったが、駅名は変更されず現在に至っている。付近の住民からは「海田駅」と呼ばれるほか、県外の人からは「かいたし」駅と誤った呼ばれ方をされることも多い。
快速列車の停車の実現
当駅は国鉄時代、一部の長距離急行列車が停車していた。山陽新幹線の開通で優等列車の停車がなくなってからも定期快速電車のすべてが停車していたが、ひろしまシティ電車の導入の頃から普通列車が大幅に増え、快速列車は減少、のち消滅した。
JR発足後の1991年(平成3年)3月16日より山陽本線で、1996年(平成8年)3月16日より呉線で快速列車の運転が開始されたが、当駅は停車駅に指定されなかった。しかし、2007年(平成19年)3月18日より、山陽本線の快速「通勤ライナー」が朝夕2往復に限り停車を開始し、2010年(平成22年)3月13日より全列車が停車を開始した。その後、2012年(平成24年)3月17日より山陽本線の快速「通勤ライナー」は平日朝のみの運転となる一方、呉線の快速「安芸路ライナー」は天神川駅と交換する形で停車を開始した[2]。さらに、2016年(平成28年)3月26日より6年ぶりに復活した快速「シティライナー」は以前当駅を通過していたが、停車駅となった。現在は、呉線の快速「通勤ライナー」のみ通過となっている。
歴史
この駅の歴史は1894年(明治27年)の山陽鉄道開通に端を発する。1903年(明治36年)には海田市 - 呉間の呉線も開業した。山陽本線と呉線の西側の分岐駅であり、戦時中は広島から軍港であった呉に物資を運ぶ列車の重要な中継点であった。現在の町の規模には不釣り合いなほど長いプラットホームに当時の名残がしのばれる。原爆投下後、大勢の被爆者たちが海田市駅に避難した。また当時海田市駅より西が不通となったため、広島から東方面への移動拠点として機能した。
- 1894年(明治27年)6月10日 - 山陽鉄道 糸崎駅 - 広島駅間の開通と同時に開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1903年(明治36年)12月27日 - 官設鉄道 当駅 - 呉駅間が開通。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道が国有化。官設鉄道単独駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。旧・山陽鉄道線は山陽本線、呉駅方面は呉線となる。
- 1944年(昭和19年)2月1日 - 広島駅までの区間が複々線化。
- 1984年(昭和59年)1月1日 - 貨物の取り扱いを廃止。駅構内南側に有蓋車用の車扱貨物ホームが設置されていた。
- 1986年(昭和61年)
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1991年(平成3年)3月16日 - ダイヤ改正により、山陽本線に快速電車が復活するが当駅は通過となる。
- 1996年(平成8年)3月16日 - ダイヤ改正により、呉線にも快速電車が復活するが当駅は通過となる。
- 2007年(平成19年)
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年)
- 2014年(平成26年)3月15日 - ダイヤ改正により、山陽本線の一部下り列車が2番線に発着開始[注 1]。
- 2016年(平成28年)3月26日 - ダイヤ改正により、6年ぶりに復活した快速「シティライナー」の停車駅となる[注 2]。
- 2018年(平成30年)7月6日~8日 - 豪雨災害により営業休止。9日から山陽線広島・岩国方面は運転再開。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線のあわせて3面5線のホームを持つ地上駅で、山側の3線を山陽本線列車が、海側の2線を呉線列車が使用する。1番線ホーム西端には、真冬に花を咲かせることで有名な寒桜があり、広島地方で一番早く春の訪れを告げる桜として毎年TV・新聞に紹介される。
直営駅(西条駅の被管理駅)。また、ICOCA利用可能駅(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)であり、JRの旅客営業規則ではJRの特定都区市内制度における「広島市内」の駅に含まれる。当駅の所在地は広島市ではないが、便宜上は隣の向洋駅(安芸郡府中町)とともに含まれている。駅スタンプは「山陽本線と呉線の分岐駅」。
呉線の快速「安芸路ライナー」は一部を除きワンマン運転を実施しているため、確認用のミラーが呉線ホームに設置されている。
駅舎概要
現在の駅舎は、それまで西日本で最も古いことで知られていた明治36年(1903年)建築の旧駅舎に替わって建築された橋上駅舎である(1986年12月完成)。それまで北側のみに改札口があったが(かつて、南側にも朝夕通勤時のみに開かれる小規模な改札口はあった(現在の南口よりも100m程西。跨線橋が無かったため4、5番線ホームまで線路を歩いて渡っていた)、のちに南側にも改札口が設置された。2009年にバリアフリーの一環としてホームのかさ上げ工事が行われ、2010年に山陽本線西条方面と広島方面のホームにエレベーターが完成し、使用を開始した。
のりば
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | G 山陽本線 | 上り | 西条・三原方面 | |
2・3 | 下り | 広島・宮島口方面 | 山陽本線西条方面から 2番のりばは一部列車のみ[注 3] | |
4 | Y 呉線 | 上り | 呉・竹原方面 | |
5 | 下り | 広島・宮島口方面 | 呉線呉方面から |
2018年7月の豪雨災害により、広島駅からの列車はすべて当駅で折り返し運転を行っており、山陽線西条・三原方面および呉線は不通になっている。
2番のりばは山陽本線上り貨物列車の通過線としても使われている。
5番線の外側に1線の側線があり、広島方面と呉方面への発車が可能。かつては当駅から南に分岐し、陸上自衛隊海田市駐屯地に向う専用線があったが既に撤去されている。改札上には以前は回転字幕式の発車案内が設置されていたが、工事によりLED式の発車案内が設置された。以前は列車接近(または通過)時にメロディーが流れるだけであったが、バリアフリー工事完了後は簡易放送も開始。2012年3月に現行の放送に更新されている。
なお、広島市東部地区連続立体交差事業が完成すると当駅は、1階が改札口などになり、2階部分に山陽本線、3階部分に呉線が乗り入れる構造であったが、計画の見直しにより高架化されないことになった[5][6]。
配線図
当駅から広島貨物ターミナル駅までの間が複々線になっており、外側2線を旅客列車、内側2線を貨物列車が使用する。下り列車に限り、山陽本線西条方面から旅客線に進出する列車と、呉線から貨物線に進出する列車とが平面交差する。
利用状況
- 以下の情報は、「広島県統計年鑑」及び「広島市統計書」に基づいたデータである。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
1984年(昭和59年) | 6,832 |
1985年(昭和60年) | 7,164 |
1986年(昭和61年) | 7,358 |
1987年(昭和62年) | 8,359 |
1988年(昭和63年) | 8,725 |
1989年(平成 元年) | 8,865 |
1990年(平成 2年) | 9,380 |
1991年(平成 3年) | 9,745 |
1992年(平成 4年) | 10,011 |
1993年(平成 5年) | 10,225 |
1994年(平成 6年) | 10,121 |
1995年(平成 7年) | 10,000 |
1996年(平成 8年) | 9,889 |
1997年(平成 9年) | 9,518 |
1998年(平成10年) | 9,270 |
1999年(平成11年) | 9,326 |
2000年(平成12年) | 9,272 |
2001年(平成13年) | 9,068 |
2002年(平成14年) | 8,987 |
2003年(平成15年) | 9,154 |
2004年(平成16年) | 9,328 |
2005年(平成17年) | 9,273 |
2006年(平成18年) | 9,326 |
2007年(平成19年) | 9,339 |
2008年(平成20年) | 9,199 |
2009年(平成21年) | 8,819 |
2010年(平成22年) | 8,874 |
2011年(平成23年) | 9,019 |
2012年(平成24年) | 9,174 |
2013年(平成25年) | 9,234 |
2014年(平成26年) | 9,164 |
2015年(平成27年) | 9,560 |
2016年(平成28年) | 9,647 |
- 乗車数グラフ
駅周辺
「海田」という名が示すとおりこの一帯の海側は干拓地であり、山と海に挟まれた地形となっている。海田市をおよその基点にして西側は広島平野が広がり、東側は「瀬野八」(瀬野駅 - 八本松駅)と呼ばれる西日本一の急勾配のある山間部に入っていく。
南口
- 県道164号広島海田線(旧 国道2号)
- 広電バス 熊野線 海田市駅入口バス停
- 芸陽バス・海田町じゅんかんバス・畑賀(旧道)線・安芸南線 海田市駅バス停
- はんどうビル(医療機関が多数入居)
- 個別指導塾スタンダード
- 安芸農協会館(サンピア安芸)
- ひまわり大橋[注 4]
- 海田税務署
- 広島県海田警察署
- 広島市安芸消防署
- 広島銀行海田支店
- もみじ銀行海田支店
- 広島県信用組合海田支店
- 信用組合広島商銀海田支店
- 海田シティホテル
- 広島福祉専門学校
- 広島生活福祉専門学校
- 広島県立海田高等学校
- 松石病院
- 安芸区役所[注 5]
- 安芸区民文化センター
- 広島市立安芸区図書館
- 生協ひろしまコープ船越店
- イオン海田店(老朽化により2018年2月末で閉店・翌年にかけて改築工事中)
北口
- 海田警察署海田市駅前交番
- 芸陽バス・海田町じゅんかんバス 海田市駅北口バス停
- 広島市立船越小学校(海田町内の4小学校より海田市駅に近い)
- 海田町役場
- 熊野神社
- 海田町保健センター
- 海田公民館
- 海田中店郵便局
- 大師寺
- 龍洞保育園
- 明光保育園
- 広島市信用組合海田支店
- 広島県重要文化財「千葉家書院」
- 広島市指定史跡新宮古墳船越四丁目:横穴式石室
- ウォンツ船越店
- 船越公民館
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- G 山陽本線
- Y 呉線(海田市駅 - 広島駅間は山陽本線)
- ■快速「通勤ライナー」
- 通過
- ■快速「安芸路ライナー」
- 矢野駅 - 海田市駅 - 広島駅
- ■普通
- 矢野駅 - 海田市駅 - 向洋駅
- ■快速「通勤ライナー」
脚注
注釈
出典
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 平成24年春のダイヤ改正について 西日本旅客鉄道広島支社
- ↑ 「国鉄監修 交通公社の時刻表」1986年4月号・5月号
- ↑ 山陽線 海田市駅バリアフリー整備の完了について, 西日本旅客鉄道, (2010-02-04), オリジナルの2010-02-08時点によるアーカイブ。
- ↑ 町長コラム(2007年8月5日)海田町役場
- ↑ 広島市東部地区連続立体交差事業の見直しの方向性について広島県・広島市
参考書籍
- 各 広島市統計書