沼島
沼島 | |
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座標 |
北緯34度10分5秒 東経134度49分33秒 |
面積 | 2.71 km² |
海岸線長 | 9.53 km |
最高標高 | 117.2 m |
所在海域 | 紀伊水道 |
所属国・地域 | 日本(兵庫県) |
沼島(ぬしま)は、淡路島の南4.6km、紀伊水道北西部に浮かぶ島。兵庫県南あわじ市に属する。面積2.71km2、周囲9.53km[1]、 最高地点は117.2m。瀬戸内海国立公園の一部。人口473人(2017年4月末現在)[2]。本項ではかつて同区域に所在した三原郡沼島村(ぬしまむら)についても述べる。
概要
勾玉形の島で、北西側の真ん中に漁業中心の集落と沼島漁港があり、対岸の南あわじ市灘土生の土生(はぶ)港[注 1]、 洲本市の洲本港とは、沼島汽船の定期船「しまかぜ」「しまちどり」で結ばれている[4]。
江戸時代末期に漁業や海運業で最も栄え、1955年(昭和30年)頃までは人口2,500人ほどを擁していたが、その後は人口流出が著しい[5]。
中央構造線の南側に位置するため、淡路島とは異なり全島が三波川変成帯の結晶片岩によって構成され、南岸の海食崖には緑・白・黒など様々な縞模様が現れている。また珍しい同心円状の鞘型褶曲(さやがたしゅうきょく)も見られる[注 2]。 崖下に磯が発達していることから磯釣りの名所でもある。
- 注
歴史
ぬしまむら 沼島村 | |
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廃止日 | 1955年4月29日 |
廃止理由 |
新設合併 南淡町、福良町、沼島村 → 南淡町 |
現在の自治体 | 南あわじ市 |
廃止時点のデータ | |
地方 | 近畿地方 |
都道府県 | 兵庫県 |
郡 | 三原郡 |
総人口 |
2,562人 (国勢調査、1950年) |
隣接自治体 | 南淡町(航路を介して) |
沿革
- 幕末時点では三原郡沼島浦が存在。阿波徳島藩領。
- 明治4年7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により徳島県の管轄となる。
- 明治4年11月15日(1871年12月26日) - 第1次府県統合により名東県の管轄となる。
- 1876年(明治9年)8月21日 - 第2次府県統合により兵庫県の管轄となる。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、沼島浦が単独で自治体を形成して沼島村となる。
- 1955年(昭和30年)4月29日 - 沼島村が南淡町や福良町と合併し、改めて南淡町が発足。同町沼島となる。
- 2005年(平成17年)1月11日 - 南淡町が緑町、西淡町、三原町と合併して南あわじ市が発足。同市沼島となる。
国産み神話
淡路島は、『古事記』では淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)と書かれ、『日本書紀』では淡路洲と書かれていて、伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の産んだものとされる。
この『記紀』によると伊弉諾尊・伊弉冊尊の二神が天上の「天浮橋(あめのうきはし)」に立って、「天沼矛(あめのぬぼこ)」をもって青海原をかき回し、その矛を引き上げたところ、矛の先から滴り落ちる潮が凝り固まって一つの島となった。これがオノゴロ島で、二神はその島に降りて夫婦の契りを結んで国産みを行った。初めに造られたのが淡路島で、その後次々に島を生んで日本国を造られたとされる。おのころ島の所在地については諸説ある。そもそも架空の島であると言う説、淡路島北端の淡路市にある絵島、南あわじ市榎列(えなみ)の自凝島神社のある丘、あるいは淡路島全体であるという説もある。しかし沼島には古来おのころ島の伝えがあり、天沼矛に見立てた奇岩、おのころ山に鎮座して二神を祭る「おのころ神社」が存在するため、沼島とする説もある[7]。
経済
沼島漁港の漁業と、島外から訪れる観光客が島の経済を支えている。
沼島漁港は兵庫県管理の第2種漁港で、主にアジ、イカ、タチウオなどが水揚げされている。2008年(平成20年)の水揚げ量は557t、登録漁船数は128隻[8]。
関西で食材として人気があるハモの名産地でもあり、京都へも出荷されるほか、島内でハモ料理が味わえる[10]。
島には観光案内所「吉甚」(よしじん)のほか、食事が出来る店は3軒、宿泊可能な店は2軒ある。離島支援により沼島漁港に定期船の埠頭が整備され、道路も舗装され、海水浴場も整備されている(シャワー・トイレあり)。
自然と観光スポット
ほぼ全島が瀬戸内海国立公園の特別地域に指定されている。
- 奇岩 - 上立神岩、屏風岩、あみだバエなど
- 島の南側の海岸線は太平洋の黒潮をまともに受ける場所であり、奇岩・岩礁を形作っている。なかでも高さ約30mの上立神岩(かみたてがみいわ)は「天の御柱」とも言われ、江戸時代に『和漢三才図会』には「龍宮の表門」と書き記されている。
- ウミウ越冬地
- 11月から3月まで越冬するため、ウミウとヒメウが本州北部から飛来して、島の南側の岩棚に数百羽の集団で越冬している。1971年(昭和46年)に兵庫県の天然記念物に指定[11]。ヒメウは日本国内では絶滅の危険が高いとして絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
- おのころ神社
- 小高い山の上にあり、この山全体がおのころさんと呼ばれる神体山である。天地創造の神である伊弉諾尊・伊弉冉尊の二神を祀っている。
- 沼島庭園(伊藤邸)
- 兵庫県下最古の石組みの庭園。別名・鶴亀庭園。足利義稙が沼島在所時に逗留した大寺(おおじ)に作庭したと言う説がある。
- Nushima Island. God Rock (6919785373).jpg
上立神岩
施設
- 南あわじ市立沼島中学校
- 南あわじ市立沼島小学校
- 南あわじ市役所 沼島出張所
- 沼島郵便局(2007年3月に集配業務を南淡郵便局へ移管)
- Nushima PostOffice.jpg
沼島郵便局
- Nushima gyokou.jpg
沼島漁港。遠景の山並みは淡路島の諭鶴羽山地。
- Nushima kisen 1.jpg
土生港の沼島汽船
- Nushima beach.jpg
沼島海水浴場
- かつてあった木造校舎(沼島).jpg
かつての校舎。
- 沼島の港.jpg
1980年代の沼島港。
交通
島内には信号機が存在せず、一部の工事用作業車や軽自動車を除き、島民は主に徒歩や自転車で移動する[12]。
沼島へは淡路島から沼島汽船を利用する。和歌山下津港や徳島小松島港など本州・四国本土との直接の便はない。洲本港へは火・木・土のみの週3往復(所要時間52分)運航されていたが、2016年3月31日航路休止となった。
- 沼島汽船
- 土生港 - 一日10往復。所要時間10分。
土生港の沼島汽船場へは、
- 兵庫県道76号洲本灘賀集線
- バス
- 洲本バスセンターから洲本市コミュニティバスの来川(こりかわ)行きに乗車。終点で南あわじ市コミュニティバス「らん・らんバス(すいせん号)」に乗換えて沼島汽船場前下車(来川からの所要時間15分)。
- 陸の港西淡バスターミナル・中林病院・国衙(こくが)から南あわじ市コミュニティバス「らん・らんバス(すいせん号)」で沼島汽船場前下車。
沼島灯台
テンプレート:灯台 沼島灯台(ぬしまとうだい)は、兵庫県南あわじ市にある沼島の山頂に立つ白亜塔形コンクリート造の小型灯台。港から徒歩約20分で行ける距離にある。
- Nushima light long.jpg
沼島灯台(沼島の南海上より)
出典
- ↑ “兵庫(瀬戸内海)の島嶼”. 第五管区海上保安本部 海洋情報部 (1990年). . 2010閲覧. “沿岸域情報ハンドブック(平成2年3月刊行)”
- ↑ “南あわじ市の人口と世帯数 (EXCEL)”. 地区・行政区別人口世帯数(H29年度). 南あわじ市役所 市民課 (2017年5月1日). . 2017閲覧.
- ↑ “兵庫県の港(瀬戸内海)”. 第五管区海上保安本部 海洋情報部. . 2010閲覧. “灘漁港 第二種漁港 南あわじ市管理”
- ↑ 沼島汽船・時刻表(2018年4月6日閲覧)
- ↑ “沼島ってどんなところ”. 沼島漁業協同組合 (2004年). . 2011閲覧.
- ↑ “南あわじ市 沼島観光スポット”. 南あわじ市. . 2010閲覧.
- ↑ “おのころ島神社”. 南あわじ市役所. . 2010閲覧.
- ↑ “兵庫県/主な漁港の紹介(沼島漁港)”. 兵庫県農政環境部農林水産局漁港課 (2010年7月15日). . 2010閲覧.
- ↑ “南あわじ市地域の主な水道施設”. 淡路広域水道企業団 (2005年). . 2010閲覧. (PDF, 610KiB)
- ↑ 【おでかけスポット】兵庫・沼島 国生み神話ゆかりの地/迫力満点の景観 島グルメも堪能『日本経済新聞』夕刊2018年4月6日(くらしナビ面)
- ↑ “南あわじ市 沼島めぐりガイド”. 南あわじ市. . 2010閲覧.
- ↑ “沼島中学校について - 沼島中学校”. キッズ・ウェブ・ジャパン. 外務省. 2014年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2014閲覧.
関連項目
- 兵庫県道482号沼島線 - 島内の一般県道。延長40m。
- ムーブ・島田弁護協会 - TBS系列で放送されていた番組。『沼島の春』と題したお見合い企画により一時全国的にその名が知られた。
- 南海道
- 淡路国
- 足利義稙 - 室町時代、堺から遷座してきて、嶋公方と称された。大永3年(1523年)に阿波国撫養に遷座するまで沼島にいた。
外部リンク
- 兵庫県南あわじ市〜沼島〜
- 沼島汽船発着時刻表 - 南あわじ市ホームページ