日立GEニュークリア・エナジー
日立GEニュークリア・エナジーは、原子炉プラントの建設と原子力サービスを行う企業である。
アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)と日立製作所の提携によって設立されたGE日立ニュークリア・エナジーの日本法人である。
ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)では国内No.1のシェアを持ち、三菱重工、東芝と並ぶ、国内に3社ある原子炉プラントメーカーの1社である[1]。
福島第一原発事故後も原子力発電を強力に推進している[2]。
Contents
歴史
1952年に日立の原子力技術開発がスタートする[3]。 1955年に日立事業所(旧日立工場)に「原子力係」設置される。 1957年に日立が「原子力開発部」を設立する。 1961年に日立の自社用の研究炉が完成する。 1967年に日立とGE(ゼネラル・エレクトリック)がBWR(沸騰水型軽水炉)の技術ライセンス契約を締結する。 1974年に純国産のBWR初号機である島根原子力発電所1号機が完成する[4]。 1996年にABWR(改良型沸騰水型軽水炉)初号機である柏崎刈羽原子力発電所6号機が運転開始する。 1997年に日立とGEが提携する。
2006年に日立単独でのABWRである志賀原子力発電所2号機が完成する。 2007年6月4日にGE日立ニュークリア・エナジーがアメリカ、カナダで設立される。 2007年7月1日に日立GEニュークリア・エナジーが設立される。
事業内容
国内、海外へのABWR(改良型沸騰水型軽水炉)プラント建設事業を推進している。 軽水炉、高速増殖炉、原子燃料サイクルの研究・設計・製造・建設・保守などの業務を行っている。 また、ABWR(出力向上)、ESBWR(高経済性単純化沸騰水型軽水炉)、次世代BWRの開発推進を行っている[5]。
原子炉の建設
国内でのABWR(改良型沸騰水型軽水炉)プラントについてはNo.1のシェアがあり、国内のABWR全プラントの建設に参画している[6]。
- 敦賀発電所(日本原子力発電)
- 1号機(共同建設)
- 福島第一原子力発電所(東京電力)
- 1号機(共同建設)
- 4号機(プラント一式)
- 島根原子力発電所(中国電力)
- 1号器(プラント一式)、2号機(プラント一式)、3号機(プラント一式)
- 浜岡原子力発電所(中部電力)
- 1号機(タービン設備一式)、2号機(タービン設備一式)、3号機(タービン設備一式)、4号機(タービン設備一式)、5号機(タービン設備一式)
- 東海第二発電所(日本原子力発電)
- 2号機(共同建設)
- 福島第二原子力発電所(東京電力)
- 2号機(プラント一式)、4号機(プラント一式)
- 柏崎刈羽原子力発電所(東京電力)
- 4号機(プラント一式)、5号機(プラント一式)
- 6号機(共同建設)、7号機(共同建設)
- 志賀原子力発電所(北陸電力)
- 1号機(プラント一式)、2号機(プラント一式)
- 女川原子力発電所(東北電力)
- 3号機(タービン設備一式)
- 大間原子力発電所(電源開発)
- 1号機(共同建設)
- 東通原子力発電所(東京電力)
- 1号機(共同建設)
原子燃料サイクル事業
再処理、高速炉、中間貯蔵など、原子燃料サイクル事業を推進している[7]。
その他設備
- 川内原子力発電所(九州電力)
- 洗濯設備
- 日本原子力研究開発機構
- 搬出検査設備
廃炉事業
- 福島第一原子力発電所
2011年10月4日に、1号機の放射性物質の飛散を抑制するための「建屋カバー」を、日立GEニュークリア・エナジーと清水建設が共同で完成させた[8]。
2012年4月17日に、4号機の使用済み燃料プールからの核燃料の取り出しに向けて、クレーンや燃料取扱機の設置スペースのある建屋カバーの設置工事に着手した。施工は日立GEニュークリア・エナジーと竹中工務店が共同で行っている[9]。 また、4号機の解体・撤去作業、使用済み燃料プールの中の瓦礫撤去作業は、日立GEニュークリア・エナジーと日立プラント・テクノロジーで行われている。
会社組織
役員
諸問題
関連項目
- 福島第一原子力発電所事故 - 史上最大級の原子力発電所事故
- 日本製鋼所 - 原子炉容器と蒸気発生器で世界シェア8割の製造メーカー
- ホライズン・ニュークリア・パワー - イギリスに本社を置く原子力発電事業会社。日立グループの傘下
- アレヴァ - フランスに本社を置く世界最大の原子力複合企業
- ウェスティングハウス - アメリカに本社を置く多国籍原子力企業。東芝グループの傘下
出典
- ↑ 原子炉メーカー資料 原子炉メーカーを糾弾する会、2013年1月3日閲覧
- ↑ 中西社長、「日本でも海外でも、原発は重要。それを支えるのが日立の責務」と、”原発企業宣言” Finance GreenWatch、2013年6月21日発表
- ↑ 日立を辞めたもうひとつの理由 プレジデント・オンライン、2012年6月4日更新
- ↑ 原子力事業の実績 日立GEニュークリア・エナジー、2013年1月3日閲覧
- ↑ 基本方針 日立GEニュークリア・エナジー、2013年1月3日閲覧
- ↑ 国内ABWRプラントの中心的役割 日立GEニュークリア・エナジー、2013年1月3日閲覧
- ↑ 燃料サイクル施設・発電所設備 日立GEニュークリア・エナジー、2013年1月3日閲覧
- ↑ 福島第一原発1号機の建屋カバーが完成 建設通信新聞の公式記事ブログ、2011年11月1日更新
- ↑ 中・日立GEらJVで建屋カバー設置始まる 建設通信新聞の公式記事ブログ、2012年4月18日更新
- ↑ ニュースリリース 日立、2011年3月17日発表
- ↑ ニュースリリース 日立、2011年9月15日発表
- ↑ 原発再稼働テスト“お手盛り検査”東芝・日立も しんぶん赤旗、2012年5月31日更新