北薩横断道路
北薩横断道路(ほくさつおうだんどうろ)は、鹿児島県霧島市溝辺町麓にある鹿児島空港から、同県薩摩郡さつま町、出水市を経て、同県阿久根市折口の南九州西回り自動車道阿久根北IC附近に至る予定の延長約70kmの地域高規格道路である。1994年12月16日計画路線に指定された。
道路利用者へ向けた案内標識上の道路名は北薩横断道路(英称:HOKUSATSU ODAN ROAD)又は、国道504号(英称:Route 504)と表記される。一般国道504号のバイパスとして建設される。
野坂ICから広橋ICまで及びさつま泊野ICから高尾野ICまでの区間は自動車専用道路として、広瀬ICからさつま泊野IC及び高尾野ICから阿久根市[1]までは一般道路として建設されることが予定されている。
Contents
概要
霧島市の鹿児島空港を起点とし、さつま町、出水市を通り、阿久根市までを結ぶ地域高規格道路として建設されている。2018年3月25日現在、野坂ICからさつま広橋ICまで間及び、きららICから高尾野ICまでの間が開通済みとなっており、供用延長は20.9Km、全区間の約3割が供用済みである[2]。
さつま広橋ICから広瀬ICまでの間、さつま泊野ICからきららICまで間が自動車専用道路として事業中である。また、高尾野ICから南九州西回り自動車道の阿久根北IC附近までの間の約9kmが阿久根高尾野道路(一般道路規格)として2016年度から事業化されている[3][4]。広瀬ICからさつま泊野ICまでの間は計画路線となっている。
開通区間である野坂ICからさつま広橋ICの最高速度は指定最高速度である70km/h、きららICから高尾野IC間の最高速度は一般道路の法定最高速度(60km/h)である。
きららICから中屋敷ICまでの区間にある紫尾山を貫く北薩トンネルは全長4,850mであり、鹿児島県の道路トンネルとしては最長である[5]。当該区間の開通により従来のルート経由できららICから高尾野ICまでの所要時間が25分であったものが、開通後は9分に短縮され、堀切峠の冬季の交通規制も回避可能となっている[6]。
歴史
- 2002年(平成14年)8月9日 : 野坂IC-永野IC間が開通[7]。
- 2003年(平成15年)3月25日 : 中屋敷IC-高尾野IC間が開通。
- 2009年(平成21年)3月23日 : 永野IC-さつま観音滝IC間が開通。
- 2012年(平成24年)2月14日 : さつま観音滝IC-さつま広橋IC間開通[8][9][10]。
- 2012年夏 : 広瀬IC - さつま泊野IC間が自動車専用道路から一般道路へ整備方針が変更される[11]。
- 2016年(平成28年) : 高尾野ICから阿久根市までの区間が阿久根高尾野道路として事業化される[12]。
- 2018年(平成30年)3月25日: 北薩トンネルを含むきららIC - 中屋敷IC間が開通[6]。
開通予定
- 2018年(平成30年)度 : さつま泊野IC - きららIC間が開通する予定[13]。
インターチェンジなど
- IC番号欄の背景色が■である部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色が■である部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通のIC/JCT名は仮称。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 距離 (Km) |
備考 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
- | 鹿児島空港附近 | 霧島市 | |||
計画路線 | |||||
野坂IC | 国道504号 県道446号十三谷重富線 |
0.0 | |||
- | 永野トンネル | さつま町 | |||
永野IC | 国道504号 | 6.0 | |||
さつま観音滝IC | 国道504号 県道403号黒木新地線 |
8.5 | 鹿児島空港方面出入口のみ | ||
さつま広橋IC | 鹿児島県道396号薩摩祁答院線 | 10.0 | |||
- | 広瀬IC | 国道504号 | 建設中 | ||
計画路線(一般道路) | |||||
- | さつま泊野IC[14] | 国道504号 | 0.0 | 2018年度中開通予定 | |
- | きららIC[14] | 国道504号 | 3.4 | 高尾野方面出入口のみ | |
- | 北薩トンネル | 3.4 | 全長4,850m(鹿児島県最長) | ||
中屋敷IC | 国道504号 | 10.9 | 高尾野方面出入口のみ[6] | 出水市 | |
- | 高尾野トンネル | ||||
高尾野IC | 国道504号 | 14.3 | |||
この間事業中(阿久根高尾野道路) | |||||
阿久根北IC附近 | E3A 南九州西回り自動車道 国道3号 |
阿久根市 | |||
島原天草長島連絡道路(候補路線) |
事業区間
- 北薩空港道路 : 野坂IC-永野IC
- 薩摩道路 : 永野IC-さつま広橋IC
- 広瀬道路 : さつま広橋IC-広瀬IC[15]
- 泊野道路 : さつま泊野IC-中屋敷IC
- 紫尾道路 : 中屋敷IC-高尾野IC
- 阿久根高尾野道路 : 高尾野IC-阿久根北IC(南九州道)
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | 管理者 | 備考 |
---|---|---|---|---|
未開通区間 | ||||
野坂IC-さつま広橋IC | 2=1+1 | 70km/h (指定) |
鹿児島県 | 永野IC付近は4車線 |
未開通区間 | ||||
きららIC-高尾野IC | 2=1+1 | 60km/h (法定) |
鹿児島県 | |
未開通区間 |
トンネル
- 高尾野トンネル(高尾野IC-中屋敷IC)
- 北薩トンネル(全長4,850m 中屋敷IC - きららIC)
- 2009年に着手。2013年3月24日に貫通し、2017年現在では鹿児島県内の道路トンネルとしては最長[5]、日本国内においては30番目のトンネル延長となった。2018年3月25日にきららICから中屋敷ICまでが開通するのに伴い供用を開始。
- 永野トンネル(永野IC-野坂IC)
接続する予定の道路
- 九州自動車道(鹿児島空港附近)
- 南九州西回り自動車道(阿久根北IC附近)
- 島原天草長島連絡道路(阿久根北IC附近)
通過する自治体
脚注
- ↑ 鹿児島】県、北薩横断道路整備/今年度32億円を投入 - 鹿児島建設新聞、2017年10月7日閲覧
- ↑ 南日本新聞『中屋敷-きららIC間6.9キロ開通 北薩横断道路』 2018年3月26日付、32面
- ↑ 「南日本新聞」 2016年4月1日付(北薩横断道路・阿久根-高尾野着手へ 国交省、16年度事業化)
- ↑ 新規事業採択時評価結果(平成28年度新規事業化箇所)国土交通省 2016-05-23閲覧
- ↑ 5.0 5.1 『南日本新聞』 2013年3月25日付 28面(北薩トンネル貫通、さつま-出水 県最長4850メートル)
- ↑ 6.0 6.1 6.2 浦牛原健「有明北-東 3月4日開通 高規格道 北薩トンネルは25日」『南日本新聞』2017年11月29日付26面。
- ↑ 開通 北薩横断道路 - 薩摩町(さつま町サイト内) 2011年12月19日閲覧。
- ↑ 『南日本新聞』 2012年2月15日付 28面(観音滝~広橋が開通)
- ↑ 北薩横断道路「薩摩道路」さつま観音滝IC~さつま広橋IC間が開通します! - 鹿児島県 2012年1月14日閲覧。
- ↑ 主な事業箇所の工事概要や供用目標など (PDF) - 鹿児島県 2011年9月24日閲覧。
- ↑ 『南日本新聞』 2012年8月23日付 4面(広瀬-泊野は一般道 鹿県方針転換 費用限、早期整備へ)
- ↑ 「南日本新聞」 2016年4月1日付(北薩横断道路・阿久根-高尾野着手へ 国交省、16年度事業化)
- ↑ 地域高規格道路 鹿児島県、2017年9月21日更新(同年11月29日閲覧)。
- ↑ 14.0 14.1 「北薩横断道など 6IC名称決定 鹿県」『南日本新聞』2015年12月2日付4面。
- ↑ 新規事業採択時評価結果 (PDF) : 国土交通省 2011年9月24日閲覧。
関連項目
- 九州地方の道路一覧
- 地域高規格道路一覧
- 延長別日本の道路トンネルの一覧(北薩トンネルが掲載)