主体暦
主体暦(しゅたいれき、朝鮮語: 주체력、チュチェリョク)とは、1997年に朝鮮民主主義人民共和国で使用開始された紀年法で金日成が生まれた1912年を元年とする。暦法はグレゴリオ暦を採用している。西暦(キリスト紀元)から1911を減じた値となる。西暦2024年は、主体暦113年である。
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使用
国家主席金日成の生誕年である1912年を元年とする。他の紀年法と同様に元年を1年として計算するため、金日成の生誕周年と暦の年数の間には1年の差があり、金日成生誕100周年に当たる2012年は「主体暦101年」となる。無期限の紀年法であり、暦法はグレゴリオ暦であるため、年数以外の月日については西暦と共通する。
朝鮮民主主義人民共和国では成立から一貫して西暦を公用年号として用いていたが、金日成3周忌と建国49周年に当たる1997年9月9日に新たな紀年法として主体暦の使用が始まった。そのため、「主体元年」から「主体86年9月8日」までは、同時代的には使われていない。
朝鮮民主主義人民共和国の公式的な行事、マスメディアやカレンダーなどで使用される一方、今のところ西暦の頻度を下回っている。主体暦が使われる場合でも西暦と併用であったりする。朝鮮中央テレビや朝鮮の声放送の日本語放送では(漢字で書ける語の場合、どのように読むかは政治が絡む事情である[1])「チュチェ○年」と読んでいる。
西暦との対照表
主体 | 86年 | 87年 | 88年 | 89年 | 90年 | 91年 | 92年 | 93年 | 94年 | 95年 |
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檀君 | 4330年 | 4331年 | 4332年 | 4333年 | 4334年 | 4335年 | 4336年 | 4337年 | 4338年 | 4339年 |
西暦 | 1997年 | 1998年 | 1999年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 |
平成 | 9年 | 10年 | 11年 | 12年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 |
主体 | 96年 | 97年 | 98年 | 99年 | 100年 | 101年 | 102年 | 103年 | 104年 | 105年 |
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檀君 | 4340年 | 4341年 | 4342年 | 4343年 | 4344年 | 4345年 | 4346年 | 4347年 | 4348年 | 4349年 |
西暦 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
平成 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 | 27年 | 28年 |
主体 | 106年 | 107年 | 108年 | 109年 | 110年 | 111年 | 112年 | 113年 | 114年 | 115年 |
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檀君 | 4350年 | 4351年 | 4352年 | 4353年 | 4354年 | 4355年 | 4356年 | 4357年 | 4358年 | 4359年 |
西暦 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
平成 | 29年 | 30年 | 31年 | 32年 | 33年 | 34年 | 35年 | 36年 | 37年 | 38年 |
他の紀年法との一致
主体暦は、日本の大正、及び中華民国(台湾)の民国紀元と元年が一致するので、「主体N年」は「大正N年」と「民国N年」に相当する。但し、大正は皇紀のような紀元ではなく元号であって、1912年7月30日から1926年12月25日までの期間なので、完全には一致しない。もっとも、大正元年である大正天皇の践祚年(即位は翌大正2年)と、主体元年である金日成の誕生年と、中華民国の成立年が偶然にも同年であるというだけで、これら3つに関連性は全くない。
脚注
- 人民暦(じんみんれき)または国民暦という。
- ↑ 以前、「ヘイジョウ」など日本語ベースから「ピョンヤン」など朝鮮語ベースに移行した際に、完全に同一内容の再放送番組であるにもかかわらず、再収録と思われる挿し換えが行われていた、という逸話がある。