ユナイテッド・パーセル・サービス
ユナイテッド・パーセル・サービス(英語: United Parcel Service, Inc, UPS)は、アメリカ合衆国の貨物運送会社。フェデックス・エクスプレスやDHLと並ぶ国際貨物航空会社でもあり、世界200か国以上の国と地域で一日あたり1400万個以上の荷物を扱っている。日本では1990年9月、ヤマト運輸(現ヤマトホールディングス)と合弁会社「ヤマト・ユーピーエス(株)」を設立したが、2004年に合弁を解消し、業務提携に変更となっている[1]。
概要
社員の制服から保有貨物機や運送車輌にまで徹底して配したコーポレートカラーのブラウンと、盾の中にイエローの小文字で「ups」と入れた一目でわかるロゴでアメリカでは有名。ITの構築には早くから取り組み、毎年100億USドルを超える設備投資を行っている。
略歴
- 1907年 米国ワシントン州シアトルにてジム・ケイシー (Jim Casey) が「アメリカン・メッセンジャー・カンパニー」 (American Messenger Company) 設立
- 1913年 「マーチャンツ・パーセル・デリバリー」(Merchants Parcel Delivery) に改称。
- フォード・モデルTを配送車として購入、シアトルにおけるUnited States Post Officeの配送業務を受託
- 1919年 ユナイテッド・パーセル・サービスに改称、カリフォルニア州での営業免許を取得
- 1922年 一般輸送サービス(宅配便事業)を開始
- 1929年 空輸事業に参入するが恐慌のため撤退
- 1930年 ニューヨーク市に進出
- 1953年 貨物航空事業「UPSブルーラベルエアサービス」を再開
- 1975年 ハワイ州、アラスカ州を除く全米48州に輸送網を拡大、カナダ・トロントに進出
- 1976年 ドイツ(当時は西ドイツ)に進出
- 1978年 「UPSブルーラベルエアサービス」全米50州に拡大
- 1981年 翌日航空配達サービスに参入すべく、最初の航空機を購入
- 1982年 ケンタッキー州ルイビル国際空港の「エアハブ」(貨物中継拠点)が操業開始
- 1985年 米国とヨーロッパ6か国間での航空貨物輸送を開始
- 1986年 シンガポールにアジア太平洋地区本部を設置
- 1988年、FAA(アメリカ連邦航空局)から自社保有の航空機の運航を認められる
- 1990年 アジアへの定期便就航。ヤマト運輸と業務提携、合弁企業「UPSヤマトエクスプレス」設立
- 1992年 荷物追跡システム稼働
- 1994年 webサイト開設
- 1999年 ニューヨーク証券取引所に上場
- 2001年 中華人民共和国への直行便を就航
- 2002年 フィリピンのアジア地区ハブが稼働
- 2004年 ヤマト運輸との合弁を解消(提携は継続)
航空部門
UPS航空 (UPS Airlines) として運航されている。ベース空港のルイビルから米国内と成田・マニラ・香港・シンガポール・ドバイ・ケルンといった世界主要都市へと隈無くネットワークしている。
概要
従業員数:2万0674人
主な所有機材
- エアバスA300-600R型機 52機
- ボーイング747-400BCF型機 3機
- ボーイング747-400F型機 11機
- ボーイング757-200PF型機 75機
- ボーイング767-300ERF型機 59機
- マクドネル・ダグラスMD-11F型機 38機
(2017年8月現在)
- ボーイング747-8F 14機(発注中)
この他に、エアバスA380の貨物型A380-800Fを10機確定発注(10機オプション発注)し、2009年〜2012年に受領予定であったが、たび重なる納入遅延に対してA380-800Fの発注を全てキャンセルした。なお、ヨーロッパ・アジア・北アメリカを結ぶ路線の輸送力を強化するため、ボーイング747-400の貨物機である747-400Fも導入した。この-400Fについては、カーゴルックスが747-400Fの進化モデルである747-8Fの導入を進めたことで余剰となった中古機の747-4R7(GE社製のCF6-80C2エンジン搭載モデルのみ)や、同じ747-400Fでもエバー航空が使用していた旅客型を改造した中古の貨物専用機(-400BCF、-400BDSF)も含まれている。なお、UPSが発注したボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は4Aで、航空機の型式名は747-44AF、757-24APFなどとなる。
また、MD-11Fの中には日本航空(JAL)から中古の旅客型を購入して貨物専用機へと改造した10機と、大韓航空、チャイナエアライン、タイ国際航空、スイスインターナショナルエアラインズなどからも含まれている。
関連項目
- ABCチャンピオンシップゴルフトーナメント(事実上の筆頭協賛スポンサー)
- NASCAR(自社チームをもつ)
- ウォークスルーバン - 小口の集荷・配送に特化した貨物自動車
- UPS航空6便墜落事故 747-44AFがドバイ国際空港近郊で墜落した事故。原因はリチウムイオンバッテリーからの機内火災。
- UPS航空1354便墜落事故 A300-600Fがバーミングハム=シャトルズワース国際空港近郊で墜落した事故。
出典
- ↑ “UPSとの業務提携関係の変更について”. . 2017閲覧.
外部リンク