大韓航空
大韓航空 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 대한항공 |
漢字: | 大韓航空 |
発音: |
テハナンゴン (テハンハンゴン) |
日本語読み: | だいかんこうくう |
2000年式: MR式: 英語: |
Daehan hanggong Taehan hangkong Korean Air |
株式会社大韓航空(だいかんこうくう、韓国語: 대한항공、英語: Korean Air Lines Co., Ltd.)は、韓国に本拠地を置く国際航空会社であり、韓国のフラッグ・キャリアでもある。
Contents
概要
韓国最大かつアジアで大手の航空会社の一つであり、仁川国際空港を国際線用ハブ空港として、ヨーロッパ・アフリカ・アジア・アメリカ州とを結ぶ航空ネットワークを構築している。また、国際貨物輸送で世界2位、国際旅客輸送では世界17位である[1]。国内線用ハブ空港は金浦国際空港。現在は物流グループである韓進グループの中核企業である。かつては『政商』として知られる小佐野賢治が、同社株式の90%以上を所有する筆頭株主であった。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[2][3]。
歴史
1946年設立の大韓国民航空社を前身とし、国営会社である大韓航空公社として1962年に設立された。国営航空会社時代は、国内線と近距離国際線をダグラス DC-3やDC-4、日本航空機製造YS-11などで運航していたが赤字続きであったため、当時の大統領である朴正煕が韓進グループ設立者 趙重勲に民営化を相談、1969年に韓進グループ主導で民営化され株式会社となった。初めての国際路線は日本で、大阪(当時は伊丹)に開設された。民営化当時は、ジェット機1機、プロペラ機7機の計8機で運用していた。その前後にボーイング707やダグラス DC-8を導入し、韓国の経済の急成長に合わせてヨーロッパやアメリカ線、中東線などの長距離路線を開設した。
1984年に英語名称を「KOREAN AIR LINES」から、現在使用している「KOREAN AIR」に変更した。ただし、近年までATB券の発券航空会社名欄では「Korean Airlines」を使用しており、また現在でも英文による正式な会社名は「KOREAN AIR LINES」である。英語名称変更以前は、機体には「大韓航空 KOREAN AIR LINES」と漢字と英字で表記され「KAL」との略称も書かれていた。機体のカラーリングはかつては白地にレッドとブルーを配したデザインだったが、英語名称の変更と相前後して現在のライトブルーとシルバーを基調としたものにし、同時にシンボルマークは、韓国の国旗にも描かれる「太極」をイメージしたものに変更された(公式ロゴではKOREAN AIRの「O」の字にこのマークが当てられる)。2007年12月、格安航空会社であるエア・コリア(後にジンエアーと改称)を設立した。
2016年12月1日からJALマイレージバンクとの相互連携を開始。大韓航空運航便の沖縄/那覇ーソウル/仁川線以外の日韓線が対象となる。[4]
広告・制服
2005年8月に、ロッテと協賛で韓国旅行のキャンペーンを企画。ペ・ヨンジュン出演のキャンペーンCMでは、CGを駆使し新制服を着用した乗務員が機内のドアからあいさつをしている。また、この新制服は、2005年10月から着用されている。薄いベージュのジャケットにスカート、パンツ。アシスタントパーサー以上は薄いブルーのジャケット、同2色のブラウス、カーディガン、スカーフ、エプロン、そして髪飾りがある。なお、デザイナーは、ジャンフランコ・フェレである。
機内サービス
機内サービスの評価は高く、特に機内食では国際機内食協会が授与する機内食部門のオスカー賞と呼ばれるマーキュリー賞において、最優秀機内食賞(金賞)を2度受賞している。(1998年-「ビビンバ」、2006年-「ビビンククス(韓国風そうめん)」最優秀機内食賞)クラス編成はファーストクラス、プレステージクラス(ビジネスクラス)、エコノミークラスの3クラス制で、短中距離路線はビジネスクラス、エコノミークラスの2クラス制である。
機内誌
『Morning Calm』(モーニング・カーム)は、韓国に本拠地を置く国際航空会社の大韓航空の機内誌である。毎月30万部が発行され、大韓航空の韓国国内線と国際線の全路線、全便の機内に搭載される。韓国語に加え、英語と中国語のページが掲載されている。
その日本語版は、毎月5万部が発行され、大韓航空の日本路線全便(成田、羽田、関西、中部、札幌、青森、新潟、小松、岡山、福岡、※大分、鹿児島、那覇=ソウル(仁川) 羽田、関西=ソウル(金浦) 成田、関西、中部、福岡、札幌=釜山 成田、関西=済州 成田=ホノルル線 ※大分=ソウル(仁川)線は、冬季限定季節運航)の機内に搭載される。
就航都市
1960年代に日本に乗り入れを開始し、東京-ソウル間に集中する日系航空会社とは対照的に、日本市場からの乗り継ぎ客の取り込みを図って地方都市にも採算度外視で積極的に乗り入れてきた[11]。
特に成田・羽田・関西・中部・福岡・新千歳にソウル(仁川・金浦)から、それぞれ1日に複数便で乗り入れている上、日本のフラッグキャリアである日本航空と、2004年8月からコードシェア便を行って[12]高頻度運航を実現し、高い利便性を誇っている。また、成田 - ホノルル線も運航中。
保有機材
大韓航空の機材は以下の航空機で構成される(2018年8月現在)。 https://www.koreanair.com/global/ja/traveling/aircraft-info.html
- エアバス A330-200型機 8機
- エアバス A330-300型機 21機
- エアバス A380-800型機 10機
- エアバス A321neo型機 30機(2015年の段階では)
- ボーイング 737-700型機 2機
- ボーイング 737-800型機 11機
- ボーイング 737-900型機 16機
- ボーイング 737-900ER型機 6機
- ボーイング 737 MAX 8型機 30機(2015年の段階では)
- ボーイング 747-400型機 4機
- ボーイング 747-400F型機 2機
- ボーイング 747-400ERF型機 4機
- ボーイング 747-8F型機 7機
- ボーイング 747-8I型機 10機
- ボーイング 777-200ER型機 14機
- ボーイング 777F型機 12機
- ボーイング 777-300型機 4機
- ボーイング 777-300ER 24機
- ボーイング 787-9型機 7機 (2019年までに更に5機(合計10機)導入する計画。)
- Bombardier CS300 6機
- KAL HL7552.JPG
A330-200
- KE A330-300.JPG
A330-300
- KE B737-800.JPG
B737-800
- HL8273 (10816555965) (2).jpg
B737-900ER
- Korean.747.arp.750pix.jpg
B747-400
- Korean Air Cargo HL7437.JPG
B747-400F
- HL7609 B747-8F Korean Air Cargo (7135319429).jpg
B747-8F
- Korean Air HL7714.JPG
B777-200ER
- HL828512042014LHR (13814447235).jpg
B777F
- Korean Air HL7532.JPG
B777-300
- Korean Air 777-300ER.jpg
B777-300ER
- KoreanAirA380delivery.jpg
A380-800
大韓航空は7機のエアバスA380型機を注文し3機分のオプションも加える。最初のA380型機の納入予定は、2007年の終わりから2009年までに引き渡しが開始される[13]予定であったが、納入予定からずれ込んでおり、2011年5月より引き渡しが始まった。その後は順調に受領が進んで、2014年7月28日には最終号機となる10機目(HL7628)が導入され[14][15]、計画当初の通り10機が出そろった。
また同年5月31日にはボーイング 747-400ERFを8機発注している。
旅客部門では、2006年にボーイング 747-400の代替と位置づけ、ボーイング 777-300ERを9機(引渡し1機・オプション4機)発注し、2009年にはボーイング 747-8ICを5機発注している[16][17][18]。貨物部門ではボーイング 747-8Fを7機、そしてボーイング 777Fを5機発注している。
ボーイング 787-9型初号機(機体番号 HL8081)を2017年2月22日に受領。 2月24日、韓国に到着。 (今年中に更に4機、2019年までに更に5機(合計10機)導入する計画。) ファーストクラス6席、プレステージ(ビジネス)クラス18席、エコノミークラス245席の計269席で構成。3月7日より韓国国内で運航を開始。6月ごろよりトロント、マドリード、ロサンゼルスなどの長距離路線で運航する予定。 https://www.koreanair.com/global/ja/about/news.html
なお、大韓航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)はB5で、航空機の形式名は747-4B5, 747-4B5F, 777-2B5ER, 777-3B5 などとなる。
また、2015年11月7日には小型機のA321neoを30機確定発注したと発表した。今回の契約では、20機のオプションも設定した。今年初に結んだコミットメントに基づくもので、大韓航空がA320ファミリーを発注するのは初めてである。
マイレージサービス
マイレージサービスは、SKYPASSである。2008年6月までは加算したマイルの有効期限が無かったが、同年7月からは10年間の有効期限がある[19]。配偶者、両親、子供、祖父母(父方のみ)、孫(父方のみ)のうち本人を含め5人までマイレージ合算して、特典に利用できる。また、11歳までの子供会員には「スカイパスジュニア」という専用の会員組織がある。大韓航空が加盟しているスカイチーム加盟各社のほか、下記の航空会社と提携している。
また日本国内では、三菱UFJニコス(「DCカード」《VISA・MasterCard【一般・ゴールド】》、「MUFGカード」《American Expressのみ》)とJCB(一般・ゴールド)と提携したクレジットカードをショッピングにて利用する事でマイレージが加算される。
KALリムジンバス
仁川国際空港(金浦国際空港)とソウル市内を結んでいる。搭乗航空会社に関係なく利用できる。
- 1路線(6701)(市庁方面):仁川国際空港→コリアナホテル→ソウルプラザホテル→ウェスティン朝鮮ホテル→ロッテホテルソウル→ニュー国際ホテル・ベストウェスタンニューソウルホテル→コリアナホテル→西小門大韓航空ビル→ロッテシティホテル麻浦→ベストウェスタンプレミア・ソウルガーデンホテル→仁川国際空港
- 2路線(6702)(南山方面):仁川国際空港→ベストウェスタンプレミア・ソウルガーデンホテル→ロッテシティホテル麻浦→ラマダホテル&スイート→ソウル駅→ミレニアムソウルヒルトンホテル→グランドハイアットソウルホテル(以下ループ線)→サミットホテル→KYヘリテージホテル東大門→東大門デザインプラザ(マリオット東大門)→グランドアンバサダーソウル→ホテル新羅→薬水駅→グランドハイアットソウルホテル
- 3路線(6703)(江南方面):仁川国際空港→シェラトンソウルパレス江南ホテル→砂平駅→ザ・リッツ・カールトンソウルホテル→ノボテルアンバサダー江南ホテル→三井(サムジョン)ホテル→新羅ステイ駅三→ルネッサンスソウルホテル→ベストウェスタンプレミア江南→砂平駅→ソウルパレス→仁川国際空港
- 4路線(6704)(COEX方面):仁川国際空港→インペリアルパレス→ラマダソウルホテル→COEXインターコンチネンタル→パークハイアットソウル→イビス・スタイル・アンバサダー・ソウル江南→グランドインターコンチネンタル(折り返し)
- 5路線(6705)(蚕室方面):仁川国際空港→ロッテワールド→東ソウル総合バスターミナル→クァンナル駅→Wソウルウォーカーヒルホテル、シェラトンウォーカーヒルホテル(折り返し)
- 金浦-蚕室方面(6706):金浦国際空港→ロッテワールド(折り返し)
- 金浦空港方面(6707A):グランドハイアット仁川ホテル→仁荷国際医療センター→仁川国際空港→金浦国際空港(折り返し)
- 仁川松島方面(6707B):仁川国際空港→グランドハイアット仁川ホテル→海洋警察庁→オラカイ松島パークホテル→松島セントラルパークホテル・敬源斎アンバサダー仁川→ホリデイ・イン仁川松島→仁川大入口駅→オークウッドプレミア仁川→シェラトン仁川
航空宇宙部門
大韓航空は1976年に航空宇宙部門を設立しており、現在Korean Air Aerospace Division (KAL-ASD) として知られている。
航空宇宙に関する研究開発以外にも、航空機のライセンス生産や部品製作も請け負っており、世界で唯一の航空機を製造する部門を持つエアラインとなっている[21]。 UH-60、F-5、F-16のライセンス生産や、ボーイングやエアバスの旅客機向けの部品も幅広く手がけている。製造事業部は、金海国際空港に位置してあり、業界従事者たちからテクセンターと呼ばれている
事件・事故・トラブル
- 大韓航空機銃撃事件 - 1978年4月20日
- 大韓航空機撃墜事件 - 1983年9月1日
- 大韓航空機爆破事件 - 1987年11月29日
- 大韓航空機YS-11ハイジャック事件 - 1969年12月11日
- 大韓航空8509便墜落事故 - 1999年12月22日
- 大韓航空85便ハイジャック誤報事件 - 2001年9月11日
- 大韓航空2708便エンジン火災事故 - 2016年5月27日
大韓航空は1997年から1999年にかけて3年連続の墜落事故を起こした為、連邦航空局(FAA)は韓国の航空安全管理体制の評価を、カテゴリー「1」から「2」に格下げした(カテゴリー「2」国家の民間航空会社は、アメリカ合衆国路線の新設や増便、米航空会社とのコードシェア便が認められない)。なお、その後同社は、デルタ航空の副社長を社長に招聘するなどし、現在では元のカテゴリー「1」へと戻っている。
竹島デモフライト事件
2011年(平成23年)6月16日、成田 - 仁川間に、新型機「エアバスA380」を投入するのに先立ち、同社の会長やマスコミを搭乗させ、トランスポンダを切った上で、日本と領有権問題のある日本海海上の竹島上空でデモ飛行を実施した。
これに対して、日本のマスメディアは「日本の外務省は、明確に「領空侵犯にあたる」として、日本国外務省の全職員が公務での大韓航空機の利用を同年7月18日から1ヶ月間、自粛することを決定し発表した[22][23]。
これに対し韓国政府は、「非常に遺憾だ」とし撤回を要求したが、自粛は予定通り実施された[24][25]。
この件についてサーチナによると、『KOREAN AIR』と書かれている旅客機に大韓航空の会長と韓国の各省庁の長官まで搭乗させて竹島上空を飛んだのは、領有権を主張する日本からすれば敏感にならざるを得ないとの航空関係者の見方を伝えた[26]。
脚注
- ↑ [1]
- ↑ “日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)” (日本語). アマデウス・ジャパン. 2015年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧.
- ↑ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. . 2015閲覧.
- ↑ JALと大韓航空、マイレージプログラムで相互連携 日韓線対象 Traicy 2016年11月30日付
- ↑ 大韓航空、5月5日から那覇/仁川線に就航へ 777-200でデイリー運航 FlyTeam 2016年3月30日付
- ↑ 大韓航空、ザグレブ就航 アジアとクロアチアを結ぶ初の定期便 Traicy 2018年6月7日付
- ↑ 大韓航空、バルセロナへ新規就航 アメリカ4都市行きでは増便 Traicy 2016年11月27日付
- ↑ 大韓航空が静岡-ソウル線を運休 来月30日から 中日新聞 2014年2月7日付
- ↑ 9.0 9.1 9.2 大韓航空、2017年2月に仁川発着のシェムリアップ、ジェッダ線を運休 FlyTeam 2016年11月29日付
- ↑ 大韓航空、リオ五輪後の9月下旬に仁川/サンパウロ線を運休 FlyTeam 2016年6月15日付
- ↑ 杉浦一機『空港ウォーズ―日本は「大航空時代」に生き残れるか』中央書院、1999年、31-33頁。
- ↑ 当初は日本から韓国へ就航するJAL路線へのKALのコードシェアは全便であったのに対して、韓国から日本国内へ就航するKAL路線へのJALのコードシェアは一部路線であったが、2014年4月22日から両社の日本 - 韓国間の全路線に拡大された。その一方でJAL自社の機材による運航は成田・羽田に縮小された。
- ↑ Airbus Press Releases, 2003年6月
- ↑ 大韓航空の次世代旅客機 A380で新しい空の旅を
- ↑ Korean Air to Introduce the Tenth Airbus A380 SEOUL, Korea (July 29, 2014)
- ↑ “Boeing, Korean Air Announce Order for New 747-8 Intercontinental(英語版)”. Boeing. . 2009閲覧.
- ↑ “ボーイング747-8インターコンチネンタル、大韓航空から5機を受注(日本語版)”. Boeing. . 2009閲覧.
- ↑ 世界で初めて747-8の旅客・貨物両型を発注した。
- ↑ 大韓航空、来年7月「マイレージ有効期間制」導入へ
- ↑ 東京(成田)-ソウル(仁川)、東京(羽田)-ソウル(金浦)、東京(成田)-釜山のJAL運航便における特典航空券利用に限る。JAL便名でのSKYPASSへのマイレージ加算および日本-韓国間直行便以外のJALの路線における特典航空券利用はできない。2016年12月1日から提携開始。(JALと大韓航空(KE)、特典航空券の相互交換を開始)
- ↑ 韓国の宇宙産業の概要2015/03/31閲覧。
- ↑ 2011年7月14日 読売新聞
- ↑ MSN産経ニュース 2011年6月16日あえて竹島上空でA380のテスト飛行した大韓航空
- ↑ 2011年7月18日 聯合ニュース
- ↑ 韓国、日本に大韓航空利用自粛の撤回を求める 2011年7月15日 CNN
- ↑ 外務省、大韓航空の竹島デモ飛行に反発、職員に利用自粛を指示 2011年7月14日 サーチナ
一覧記事
その他
外部リンク
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- KALリムジン (韓国語) (日本語)
- 大韓航空 - 航空連合「スカイチーム」日本語版Webサイト内掲載の航空会社別案内ページより