ブーシーリス

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ファイル:Herakles Bousiris Staatliche Antikensammlungen 2428.jpg
ブーシーリスを殺すヘーラクレース。イタリア、ヴルチen)から出土した前480年頃のアッティカ赤絵式カルピスen)。ミュンヘン州立古代美術博物館en)所蔵。

ブーシーリス古希: Βούσιρις, Būsīris)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してブシリスとも表記される。

エジプトエパポスの娘リューシアナッサとポセイドーンの子で、アムピダマースの父[1]。ブーシーリスは残虐なエジプト王で、異国人をゼウスの生贄にしたが、ヘーラクレースに退治されたとされる。

このブーシーリスの名は明らかにエジプトのオシリス信仰の中心地ブシリスに由来している。エウリーピデースサテュロス劇『ブーシーリス』を書いたが散逸した。

神話

エジプトが長い間作物が実らなかったとき、キュプロスから予言者プラシオスがやって来て、毎年ゼウスに異国人を生贄にすれば作物は実ると告げた。そこでブーシーリスはさっそくその予言者を殺して生贄とし、毎年異国人を殺してゼウスに捧げた。ヘーラクレースはヘスペリス黄金の林檎を取りに行く冒険のときにエジプトにやって来て、ブーシーリスに捕らえられた。しかし縄を引きちぎって自由となり、ブーシーリスとアムピダマースを殺した[1]

ヒュギーヌスによれば予言をしたのはピュグマリオーンの兄弟の子トラシオスで、トラシオスは予言を証明するために自ら犠牲になった[2]。またブーシーリスは異国人を殺し続け、それを知ったヘーラクレースはわざと捕らわれて、ブーシーリスと神官たちを殺したという[3]

シケリアのディオドロスによれば、ブーシーリスはアトラースの娘たちヘスペリティスを手に入れようとし、海賊たちにさらわせた[4]。しかしブーシーリスは異国人を生贄にしていたためヘーラクレースに殺され[5]、ヘスペリティスをさらった海賊たちもヘーラクレースに退治されたという[6]

系図

テンプレート:イーオーの系図

脚注

  1. 1.0 1.1 アポロドーロス、2巻5・11。
  2. ヒュギーヌス、56話。
  3. ヒュギーヌス、31話。
  4. シケリアのディオドロス、4巻27・2。
  5. シケリアのディオドロス、4巻27・3。
  6. シケリアのディオドロス、4巻27・4。

参考文献