エパポス
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エパポス(古希: Ἔπαφος, Epaphos)は、ギリシア神話の人物で、エジプトの王である。イーオーとゼウスの子[1]。河神ナイルの娘メンピス[2]、あるいはカッシオペーとの間にリビュエー[3]、リューシアナッサをもうけた[4]。エジプトのメンピスを創建し、妻にちなんで名づけた[2][3][5]。
神話
母のイーオーはゼウスに愛されたことが原因でヘーラーの嫉妬を受け、ゼウスに牝牛の姿に変えられてエジプトに逃れ、ナイル河の河辺で元の姿に戻ってエパポスを生んだ。しかしヘーラーがクーレースたちに頼んでエパポスを異国に連れ去ったため、ゼウスはクーレースたちを殺し、イーオーはビュブロス王のもとにエパポスがいると聞いてシリア中を探し回って再会した。その後イーオーはエジプトに戻り、エジプト王テーレゴノスと結婚した[1][6]。
エパポスは少年のころ、友達のパエトーンが自分の父は太陽神だと言ったために口論になった。エパポスはパエトーンの言葉を嘘だと決めつけたため、パエトーンは太陽神に会いに行き、父である証明に太陽の戦車を借りた。しかしパエトーンは天馬を御することが出来なかったため、進路をそれて地上を焼き、大火災を起こしてしまった[7]。
後にエパポスが成長したとき、ゼウスはエパポスに命じてエジプトにメンピスをはじめ多くの都市を建設させ、支配させたという[3]。娘のうちリビュエーはアゲーノール、ベーロスの母になり[2]、リューシアナッサはブーシーリスの母となった[4]。
系図
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- オウィディウス『変身物語(上)』中村善也訳、岩波文庫(1981年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照夫訳、講談社学術文庫(2005年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)
典拠レコード: