ハインツ
ハインツ(H. J. Heinz Company)は、1876年にアメリカ合衆国で創業した世界流通・販売量世界第1位のトマトケチャップ(ハインツ・ブランド)をはじめ、ピクルス、ビネガー、スープ、ソース類、冷凍食品、離乳食、冷凍ポテトなどを販売している130年余に及ぶ伝統と歴史を誇る食品メーカー。本社はペンシルベニア州ピッツバーグ。
2013年2月、投資ファンドのバークシャー・ハサウェイ(50%)及び3Gキャピタル(50%)により約280億ドルで買収された[1]。2015年3月、ハインツは、バークシャーと3Gキャピタルの後押しでクラフトフーズとの合併を発表、新たに設立された「クラフト・ハインツ・カンパニー(英: Kraft Heinz Company、テンプレート:NASDAQ)の構成企業となった[2]。
ハインツアメリカ本社含め、フランス、カナダ、イギリス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、韓国にグループ企業がある。
Contents
ケチャップのパイオニア
1876年に世界で初めて、アメリカ合衆国H.J.Heinz社の創業者であるヘンリー・ジョン・ハインツ(ドイツ系アメリカ人)がケチャップの商業販売に踏み切り、ケチャップの爆発的普及に寄与した。
ハインツのケチャップは水分が少なく濃厚であるため、卓上びん入りが主流を占めた時代には、中身を出すためにはふたを取って逆さまにしてからびんの底部を叩く必要があった。チューブ式容器が普及した現在も、こうした「儀式」を懐かしむアメリカ人は多い。同社のCMでタレントの布施博が出演し、「このハインツのケチャップがどれだけ濃厚であるか、今からジェットコースターで試したいと思います」とホットドッグを片手にハインツのケチャップを塗り、乗車中それを持ち、垂れが無い事を実証するCMが流れた。
2005年からはノズルを逆にした「逆さケチャップ」を主力商品としている。
約40年間にわたりマクドナルドへケチャップを納入していたが、大株主(50%)となった3Gキャピタルはバーガーキングの71%を有する支配株主であり、ヘース新CEOは同ファンドのパートナーでバーガーキングのCEO(2010-2013年)を務めていたことから、2013年10月、マクドナルドはハインツとの取引を停止すると発表した[3]。
ハインツ日本株式会社
ハインツ日本株式会社(Heinz Japan Ltd.)は日本法人。本社は東京都台東区浅草橋5丁目20番8号。
沿革
- 1961年 日魯漁業(現:マルハニチロ)との合弁で日魯ハインツ株式会社設立、トマトケチャップ等の販売開始
- 1970年 デミグラスソース販売開始
- 1972年 ホワイトソース販売開始
- 1980年 H.J.ハインツ社の全額出資となる
- 1981年 ハインツ日本株式会社に社名変更
- 1984年 オレアイダが日本で冷凍ポテトを販売開始
- 1987年 オレアイダフーズジャパンを事業統合、冷凍食品市場に参入
- 1993年 本社を東京都文京区に移転
- 2000年 本社を東京都台東区に移転
主力商品
ケチャップの国内シェアは、カゴメ(50%)と「デルモンテ」ブランドのキッコーマン(30%)の2社が大勢を占めており、世界最大手のハインツは日本では約3%と苦戦している。 2001年にカゴメとの業務・資本提携の準備を進めていたが、2002年予定していた北米事業の野菜ジュース等での販売戦略の相違で、資本提携は中止となった。また、2000年代初頭まではレモン果汁加工や缶入り飲料製造が主力のポッカコーポレーション(現・ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と資本業務提携を結んでいたが、同社経営陣とアドバンテッジ パートナーズによるMBO発表により関係を見直され提携は解消されることとなった。
関連項目
- ハインツ・フィールド NFLピッツバーグ・スティーラーズのホームスタジアムのネーミングライツを取得
備考
- ↑ バークシャーと3Gキャピタル、ハインツを2.1兆円で買収へ(ロイター、2013年2月15日)
- ↑ クラフトとハインツの合併、バフェット氏に大きな利益(ウォール・ストリート・ジャーナル、2015年3月31日)
- ↑ ハインツのケチャップ、マクドナルドが仕入れ停止へ(ウォール・ストリート・ジャーナル、2013年10月28日)
外部リンク
- ハインツ日本株式会社 - 日本法人
- ハインツ日本株式会社 - 業務用商品の紹介
- ハインツ「逆さケチャップ」 - 逆さボトルのトマトケチャップの紹介
- ハインツ クッキングソース - ハインツのソースやレシピなどを紹介
- Discover the World of Heinz - 米国本社 (英語)