ノルウェー・クローネ
ノルウェー・クローネ(norsk krone、Norwegian krone)は、ノルウェーの通貨。略称NOK、又はkr。補助単位はオーレで、1クローネ=100オーレ。クローネとは王冠を意味する言葉であるが、これはデンマークやスウェーデンと同じである。1ノルウェー・クローネは15円前後である。
三菱東京UFJ銀行 外国為替相場一覧表 041 (随時更新)
概要
ヨーロッパの通貨がユーロに統合されていくなか、ノルウェーが非EU国家であることからスイス・フランとともに今後も存在するヨーロッパの通貨の一つである。ノルウェー経済は国際的には原油・天然ガス輸出に裏打ちされたものであるが、原油・石油製品の決済はUSドルで行うことから原油価格とは直接に連動せず、ユーロとの関連性が強いとされる。国際的な比較ではノルウェー・クローネは安定した通貨の一つであり、対円では1994年から2006年の間は11円台から19円台となっており、2003年以降から2006年では対ユーロ、対USドル、対円ともにクローネ高の傾向が続いたが、2008年のサブプライム以降円高で推移している。
現在ノルウェーではキャッシュレス化が著しく、カードや電子マネーなど電子決済による取引が現金による取引より圧倒的に多い状況となっている。これはノルウェーに限らずその他北欧諸国で同様に見られる傾向である。スウェーデン・クローナ#スウェーデンのキャッシュレス化も参照。
歴史
- 1914年までの歴史についてはクローネ#歴史を参照
1875年にデンマーク、スウェーデン、ノルウェーによるスカンジナビア通貨同盟の結成により導入された、金平価純金1グラム=2.48クローネとなるクローネ(クローナ)が基になっている。
紙幣
かつては、A5サイズほどの超大型紙幣や、正方形に近い大型紙幣が流通しており、現在は存在しない5クローネや10クローネ紙幣も流通していた。現在は、50、100、200、500、1,000クローネの5種類の紙幣のみが流通しているが、高額紙幣の流通量は少なく、1,000クローネ紙幣は滅多に手にすることができない。
現行紙幣は7次型で、全て1997年以降に発行されたものだが、200クローネ以下の紙幣については、2002年から500クローネ以上の紙幣と同様に、ユーリオン模様および、ホログラムストライプの追加、紫外線インクによるモチーフの印刷など、セキュリティ対策の強化された改訂版が発行された。紙幣は額面があがるごとに、縦が8mm、横が5mmずつ大きくなっている。
過去の紙幣においては、その肖像に、ナンセンやビョルンソンといったノーベル賞受賞者、数学者アーベル、劇作家イプセン、音楽家グリーグなどの文化人が使われていた。
なお、この国の紙幣は1949年以降に発行された物全てが、数年前までは法的に有効であったが、旧紙幣の整理統合により、2009年10月現在有効な旧紙幣は6次紙幣の500、1000クローネのみとなっている。
2017年から2019年にかけて、新紙幣(第8次紙幣)が発行される予定である。まず2017年5月に100クローネと200クローネが発行され、2018年以降に50、500、1000クローネが発行される予定となっている。
- 現在の紙幣に描かれている人物は下記の通りである。
- 50クローネ(緑)128mm×60mm 1997年1月発行 2004年3月改版
- ペテル・クリスティン・アスビョルンセン(Peter Christen Asbjornsen 1812年-1885年、動物学者、民話研究家)
- 100クローネ(赤)136mm×65mm 1997年9月発行 2003年3月改版
- キルステン・フラグスタート(Kirsten Flagstad 1895年-1962年、ソプラノ歌手)
- 200クローネ(青)144mm×70mm 1994年11月発行 2002年4月改版
- クリスチャン・ビルケランド(Kristian Birkeland 1867年-1917年、物理学者)
- 500クローネ(茶)152mm×75mm 1999年6月発行
- 1000クローネ(紫)160mm×80mm 2001年6月発行
- エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch 1863年-1944年、画家)
硬貨
現在流通している硬貨は、1、5、10、20クローネの4種類。このうち1クローネと5クローネは、日本の五円玉やデンマークの硬貨と同様に先進諸国では珍しい穴開きの硬貨である。
1クローネはハーラル5世の紋章、5クローネは聖オーラフ勲章、10・20クローネはハーラル5世の横顔の図案となっている。
かつて発行されていた50オーレ硬貨(図案は王冠)は、2012年に市場での流通が停止され、現在は他の額面の通貨との交換のみ可能となっている(期限は2022年まで)。