水道橋
水道橋(すいどうきょう)は、川や谷を超えて水を運ぶための橋であり、水路橋(すいろきょう)や水管橋(すいかんきょう)とも呼ぶ。
概要
水道橋は歴史的には古代ローマのものが有名である。古代ローマではすでにサイフォンの原理が知られていたが、巨大なサイフォンを建設した場合、出水孔の水位が入水孔と同じ高さまで上がってくるかどうかが知られていなかった(実際には同じ水位になる)。このため、サイフォンを建設した方が安上がりな場合においても、水道橋の建設にこだわったと考えられている。
主な水道橋
国内で最も有名な熊本県にある通潤橋(つうじゅんきょう)は、白糸台地に水を送る農業用水を主目的とした灌漑用水路橋である。高い位置から水を落として深い谷を越えるように、逆サイフォンの原理を使用している。豊富な水量とそれにかかる水圧、高低差の大きい水路管の気密を石材と目地材の漆喰(しっくい)で保つのが難しく、橋本体との併用になったとされる。
さらに、日本最大級である6連アーチ橋である明正井路一号幹線一号橋大分県がある。
東京の水道橋(すいどうばし)は神田上水の水道橋があったことにちなむ地名である。
なお同様のものとして掛樋、水管橋などがある。なお川などをまたぐ構造物以外として、川の下をくぐる伏越(サイホン)がある。
また、世界最長吊橋の明石海峡大橋では、神戸市側から明石海峡を跨ぎ淡路島への水道管が配管され、海を渡る水道橋の役割も持ちあわせており、淡路島での慢性的な水不足が解消されている。長大橋である事と海上の上を跨ぐ水道管であり、過酷な状況下で大伸縮を含めた橋梁の変位に対応する独特の伸縮装置などの設計がなされており、道路併用橋での世界最長の水道橋になる。
フランスには、ポン・デュ・ガール[1]やロックファヴール水道橋[2]などがある。
水管橋
水管橋(すいかんきょう)は水道橋の内で、橋の上部が水が通る管からなるものである。用途には上水用、下水用などがある。日本では水管橋の設計基準を日本水道鋼管協会が公表している[3]。
水道橋の様々
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脚注
- ↑ 『世界の橋』 2017, p. 9.
- ↑ 『世界の橋』 2017, p. 127.
- ↑ 日本水道鋼管協会・「WSP 007-99 水管橋設計基準」
参考文献
- マーカス・ビニー 『巨大建築の美と技術の粋 世界の橋』 河出書房新社、2017年。ISBN 978-4-309-27838-4。
関連項目
- ローマ水道
- 明正井路一号幹線一号橋
- 若宮井路笹無田石拱橋
- 新川 (新潟県) - 西川が上を渡る水路橋がある。
- 通潤橋(つうじゅんきょう 熊本県)
- 水道道路