スペースX

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スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ: Space Exploration Technologies Corp.)、通称スペースXSpaceX)は、ロケット宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とする、アメリカ合衆国企業2002年に決済サービスベンチャー企業PayPalの創設者、イーロン・マスクにより設立された。

概要

スペースXは2000年代に多数創設された民間宇宙ベンチャーの一社であるが、新興企業にも関わらず、低コストのロケットを武器に商業衛星市場で大きなシェアを獲得している[1]

打ち上げロケットファルコン9ファルコンヘビー、ならびにファルコン9で打ち上げるドラゴン宇宙船を開発している。スペースXは、費用と品質を管理するために、大部分のコンポーネントを自社で開発しており、その中にはマーリンケストレルドラコといったファルコンロケットで使われているロケットエンジンとドラゴン宇宙船が含まれる。

拠点はカリフォルニア州ホーソーンに所在し、この拠点には本社機能と組立工場に加えてロケット発射時とミッション中の管制を行うコントールセンターも備えている。

完成した機体は工場から射場までをトレーラーに乗せられてトラックで引かれて道路を移動する[2]

歴史

2002年イーロン・マスクによりカリフォルニア州エルセグンドEnglish版で設立される。

2006年にNASAは、国際宇宙ステーション (ISS) 物資補給のための打上げ機の設計とデモ飛行を行う商業軌道輸送サービス (COTS) を同社と契約した。2010年12月9日にCOTSデモ飛行1ミッションの打上げを行い、同社は民間企業としては世界で初めて軌道に乗った宇宙機の回収に成功した。 またNASAは、有人型のドラゴン宇宙船の開発とデモ飛行を行う宇宙飛行士の商業乗員輸送開発 (CCDev) プログラムとして同社と契約した。同社は、ファルコン9ロケットと有人型ドラゴン宇宙船を2017年には初飛行させる予定である。

2012年にドラゴンをISSに民間機として初のドッキングを成功させ、補給物資や実験装置を送り届けた。また2015年には、ファルコン9の第1段により、世界初となる衛星打ち上げロケットの垂直着陸を達成した[3]

2016年には、これまでユナイテッド・ローンチ・アライアンス社の独占状態にあった米軍事衛星の打ち上げ市場への初参入も果たしている[4]

スペースXは民間による火星探査移民構想も掲げており、2016年にはそのための輸送システムであるインタープラネタリー・トランスポート・システムを発表するとともに、早ければ2020年代にも飛行を開始するとの目標を明らかにしている[5]

主要製品

ロケット

バージョン ファルコン1 ファルコン9 ファルコンヘビー
第1段 1 × マーリン1A(2006年~2007年)

1 × マーリン1C(2008年以降)[6]

9 × マーリン1C (v1.0)

9 x マーリン1D (v1.1)

9 × マーリン1D のブースターを3基クラスタ
第2段 1 × ケストレル 1 × マーリン1C (v1.0)

1 × マーリン1D (v1.1)

1 × マーリン1D
全高
(最大; m
21.3 54.9 (v1.0)

69.2 (v1.1)
70 (FT)

70
直径
(m)
1.7 3.6 3.6
離床推力
(kN)
347 3,807 (v1.0)

5,885 (v1.1)
6,804 (FT)

17,000
離陸重量
トン
27.67 318 (v1.0)

506 (v1.1)
549 (FT)

1,400
フェアリング直径
(内径; m
1.5 5.2 5.2
ペイロード
(LEO; kg)
450 8,500–9,000 (v1.0)

13,150 kg (v1.1)
22,800 (FT)

63,800
ペイロード
(GTO; kg)
3,400 (v1.0)

4,850 (v1.1)
8,300 (FT)

26,700
値段
(百万. USD
7 62 (再使用)
95 (使い捨て)[7]
90 (再使用)
150 (使い捨て)[7]
1kg毎の最低の値段
(LEO; USD)
15,555 4,167 2,351
1kg毎の最低の値段
(GTO; USD)
11,446 5,618
成功率
(成功/総計)
2/5 4/5 (v1.0)

14/15 (v1.1)
28/29 (FT)

1/1

[8] [9] [10] [11] [12]

宇宙船

ロケットエンジン

発射場

ファルコン1は全てオメレク島にて打ち上げられている。ファルコン9はケープカナベラルから打ち上げ、ファルコンヘビーはケネディ宇宙センターから打上げられている。

参考文献

  1. 人工衛星打ち上げビジネスで始まった価格破壊。イーロン・マスクの「スペースX」の挑戦”. HARBOR BUSINESS Online (2016年3月13日). . 2016閲覧.
  2. “Falcon 9 core (DSCOVR?) on the move”. reddit.com. https://www.reddit.com/r/spacex/comments/2sfg3z/falcon_9_core_dscovr_on_the_move/ 
  3. 米スペースXの「ファルコン9」ロケット、第1段機体の着陸に成功”. マイナビ (2015年12月22日). . 2015閲覧.
  4. ド派手な「火星探査」や「再利用ロケット」の裏でばく進するSpaceXのビジネス”. ITmedia (2016年6月17日). . 2016閲覧.
  5. 私たちが火星人になる日 - イーロン・マスクの火星移民構想は実現するか”. マイナビニュース (2016年11月15日). . 2016閲覧.
  6. http://www.spacex.com/updates.php”. スペースX (2007年12月10日). . 2008閲覧.
  7. 7.0 7.1 鳥嶋真也 (2018年2月19日). “爆誕! スペースXの世界最強ロケット「ファルコン・ヘヴィ」”. マイナビ. . 2018閲覧.
  8. “SpaceX Falcon Data Sheet”. Space Launch Report. (2007年7月5日). http://www.geocities.com/launchreport/falcon.html#config 
  9. “Monster Progress Update (Mostly Falcon 9)”. スペースX. (2007年8月17日). http://www.spacex.com/updates.php#Falcon9Update081507 
  10. “Falcon 1 Overview”. スペースX. (2012年2月26日). オリジナル2013年4月30日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130430222417/http://www.spacex.com/falcon1.php 
  11. “Falcon 9 Overview”. スペースX. (2012年2月26日). http://www.spacex.com/falcon9.php 
  12. “Falcon Heavy Overview”. スペースX. http://www.spacex.com/falcon_heavy.php . 2018閲覧. 

外部リンク

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