南城市
南城市(なんじょうし)は、沖縄本島南部の市で、2006年1月1日、島尻郡の佐敷町、知念村、玉城村、大里村が合併して誕生した。
当初は佐敷町・玉城村・知念村と与那原町の4町村で法定協議会を設けて協議し、新市名も「東方市[1]」(あがりかたし)に決定していたが、新市庁舎の位置で、合併前に与那原町に決めるべきだと主張する与那原町、合併後に決めるべきだと主張する3町村との間で折り合いがつかずに協議が決裂し、与那原町を除く3町村と、南風原町・東風平町・具志頭村との合併協議が破談となった大里村で新たに法定協議会を設置、合併に漕ぎ着けた。
沖縄県内11市の中でもっとも人口が少なく、かつ唯一警察署と高校がない市。 警察署は与那原警察署管轄地域、高校は与那原町にある県立知念高校に通う人が多い。
Contents
地理
沖縄本島南東部の一部と久高島、奥武島から成る。旧大里村域を饒波川が西流、旧玉城村域を雄樋川が南流する。
字名一覧
住居表示はつきしろを除き、いずれも字名の前に旧町村名がつく。字名が旧町村名と同一の場合も同じ(字玉城→玉城字玉城)。
- 玉城地域
いずれも旧村名の「玉城」が字名の頭につく(例:字富里→玉城字富里)。
- 愛地(あいち)
- 糸数(いとかず)
- 奥武(おう)
- 親慶原(おやけばる)
- 垣花(かきのはな)
- 喜良原(きらばる)
- 志堅原(しけんばる)
- 玉城(たまぐすく)
- 當山(とうやま)
- 中山(なかやま)
- 仲村渠(なかんだかり)
- 百名(ひゃくな)
- 富里(ふさと)
- 船越(ふなこし)
- 堀川(ほりかわ)
- 前川(まえかわ)
- 屋嘉部(やかぶ)
- 大里地域
いずれも旧村名の「大里」が字名の頭につく(例:字仲間→大里字仲間)。
- 稲嶺(いなみね)…稲嶺区、目取真区、湧稲国区、大里グリーンタウン(一部除く)
- 大里(おおざと)…西原区、南風原区、大里ニュータウンの一部
- 大城(おおしろ)…大城区、稲福区、真境名区、大里第二団地、大里ニュータウンの一部
- 平良(たいら)…平良区
- 高平(たかひら)…高宮城区、平川区、銭又区、大里グリーンタウンの一部
- 仲間(なかま)…仲程区、当間区、大里団地、大里グリーンタウンの一部、大里ニュータウンの一部
- 古堅(ふるげん)…古堅区、島袋区、福原区
- 嶺井(みねい…嶺井区、嶺井団地
- 佐敷地域
いずれも旧町名の「佐敷」が字名の頭につく(例:字津波古→佐敷字津波古)。
- 伊原(いばら)
- 小谷(おこく)
- 兼久(かねく)
- 佐敷(さしき)
- 新開(しんかい)
- 新里(しんざと)
- 津波古(つはこ)
- 手登根(てどこん)
- 仲伊保(なかいほ)
- 冨祖崎(ふそざき)
- 屋比久(やびく)
- 知念地域
いずれも旧村名の「知念」が字名の頭につく(例:字久手堅→知念字久手堅)。
- 安座真(あざま)
- 海野(うみの)
- 具志堅(ぐしけん)
- 久高(くだか)
- 久手堅(くでけん)
- 久原(くはら)
- 志喜屋(しきや)
- 知名(ちな)
- 知念(ちねん)
- 山里(やまざと)
- 吉富(よしとみ)
- その他
南城市佐敷、玉城、知念の旧3町村にまたがる通称"つきしろの街"を字として新設する案が平成24年9月定例会で可決され、平成25年4月1日から「南城市字つきしろ」が誕生した。
- つきしろ(2013年、佐敷佐敷・玉城垣花・知念志喜屋の各一部より発足。)
隣接している自治体
いずれも島尻郡
人口
南城市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
歴史
沿革
- 1908年(明治41年)4月1日 町村制施行に伴い、佐敷・知念・玉城・大里の「東方四間切」も村に移行
- 1945年(昭和20年) 沖縄戦の終戦直後、避難民の収容地区として米軍指定で「知念市」誕生。翌年、村に戻る
- 1949年(昭和24年) 字与那原、上与那原・板良敷が大里村から分離、与那原町となる
- 1980年(昭和55年) 佐敷、町制施行
- 2003年(平成15年)11月 南風原町・東風平町・大里村・具志頭村合併協議会設置
- 2003年(平成15年)12月 佐敷町・知念村・玉城村・与那原町合併協議会設置
- 2004年(平成16年)9月 南風原町・東風平町・大里村・具志頭村合併協議会解散
- 2004年(平成16年)12月 佐敷町・知念村・玉城村・与那原町合併協議会解散
- 2005年(平成17年)1月 佐敷町・知念村・玉城村・大里村合併協議会を設置
- 2005年(平成17年)3月 新市名称を「南城市」に決定。合併協定書に調印
- 2006年(平成18年)1月1日 南城市誕生
- 2006年(平成18年)11月1日 市章を制定する。[2]
行政
- 市長 : 瑞慶覧長敏(2018年2月12日就任、①期)
- 市庁舎:分庁方式
- 玉城庁舎(=本庁舎:玉城富里)
- 議会事務局(監査委員会)
- 選挙管理委員会・監査委員事務局
- 総務部
- 総務課
- 財政課
- 企画部
- 政策調整課
- まちづくり推進課
- 観光商工課
- 農林水産部
- 産業振興課
- 農業委員会
- 田園整備課
- 土木建築部
- 都市建設課
- 施設整備課
- 市民部
- 市民課玉城出張所
- 大里庁舎(大里仲間)
- 会計課
- 総務部
- 税務課
- 市民部
- 市民課
- 生活環境課
- 健康増進課
- 国保年金課
- 福祉部(福祉事務所)
- 社会福祉課
- 生きがい推進課
- 児童家庭課
- 上下水道部
- 水道課
- 下水道課
- 教育部(教育委員会)
- 教育総務課
- 教育指導課
- 教育施設課
- 文化課
- 南城市文化センター(佐敷佐敷)
- 企画部
- まちづくり推進課
- 企画部
- 佐敷出張所(佐敷佐敷)
- 市民部
- 市民課佐敷出張所
- 市民部
- 知念出張所(知念久手堅)
- 市民部
- 市民課知念出張所
- 市民部
- 玉城庁舎(=本庁舎:玉城富里)
市議会
- 議会:定数20
- 旧町村別:佐敷5、知念3、玉城6、大里6
- 党派別:民主1、公明1、共産1、そうぞう1、無所属16
経済
農業と観光が主な産業
姉妹都市・提携都市
国内
教育
市内には高校がなく、普通高校はそれぞれ市に隣接する知念高校(与那原町)または向陽高校(八重瀬町)に通う。
中学校
小学校
小中学校併置校
交通
- 最寄りの空港は那覇空港。
路線バス
以下の路線が市内を通っている。下表の運行会社の「琉」は琉球バス交通の路線、「沖」は沖縄バスの路線、「東」は東陽バスの路線。
番号 | 路線名 | 運行 会社 |
終点 | 市町村 | 南城市内の主な経由地 |
---|---|---|---|---|---|
那覇バスターミナル起点の路線 | |||||
37 | 那覇新開線 | 東 | 馬天営業所 | 那覇市 - 南風原町 - 与那原町 - 南城市 | 馬天、新里 |
38 | 志喜屋線 | 志喜屋 | 馬天、佐敷、斎場御嶽入口、知念 | ||
39 | 百名線 | 沖 | 親慶原出張所 新原ビーチ |
馬天、新里、親慶原、百名 | |
40 | 大里線 | 大城 親慶原出張所 |
那覇市 - 南風原町 - 南城市 | 仲程、大里グリーンタウン | |
41 | つきしろの街線 | 親慶原出張所 | 那覇市 - 南風原町 - 与那原町 - 南城市 | 馬天、新里、親慶原、つきしろの街 | |
50 | 百名(東風平)線 | 琉 | 百名バスターミナル | 那覇市 - 南風原町 - 八重瀬町 - 南城市 | 富里、玉城 |
51 | 百名(船越)線 | 那覇市、南風原町、八重瀬町、南風原町、南城市 | 稲嶺、船越、富里、玉城 | ||
53 | 志喜屋線 | 稲嶺、船越、富里、玉城、奥武、志喜屋 | |||
54 | 前川線 | 玉泉洞前 | 稲嶺、前川 | ||
83 | 玉泉洞線 | 那覇市 - 南風原町 - 八重瀬町 - 南城市 | (玉泉洞前のみ) | ||
109 | 大里(真境名)線 | 沖 | 大城 | 那覇市 - 南風原町 - 南城市 | 仲程、真境名 |
糸満バスターミナル起点の路線 | |||||
36 | 糸満〜新里線 | 沖 | 親慶原出張所 | 糸満市、八重瀬町、南城市、与那原町、南城市 | 稲嶺、仲程、古堅、(与那原町)、馬天、新里 |
81 | 西崎・向陽高校線 | 琉 | 玉泉洞前 | 糸満市 - 八重瀬町 - 南城市 | (玉泉洞前のみ) |
82 | 玉泉洞糸満線 | ||||
那覇市首里経由、浦添市城間折り返しの路線 | |||||
91 | 城間(南風原)線 | 東 | 馬天営業所(起終点) | 南城市、与那原町、南風原町、那覇市、浦添市 | 馬天、新里 |
191 | 城間(一日橋)線 |
乗合タクシー
「おでかけなんじい」という乗合タクシーがある。出発30分前まで(始発便は前日まで)に予約し、久高島内を除く南城市内の任意の場所で乗降が可能。
船舶
- 安座真港~久高島(久高海運)
道路
- 一般国道
- 一般県道
- 沖縄県道17号線
- 沖縄県道48号線
- 沖縄県道137号佐敷玉城線
- 沖縄県道138号線
- 沖縄県道236号玉城那覇自転車道線(沖縄のみち自転車道)
港湾
- 馬天港(かつての表記は場天) - 過去に久高島への定期船が出ていた。
- 徳仁港
- 安座真港(久高島への定期船が就航している)
主要施設
公共施設
- 沖縄刑務所(知念具志堅)
- 那覇地方法務局大里出張所(平成19年9月18日閉所)
- 航空自衛隊知念分屯基地(佐敷)
- 航空自衛隊知念分屯地(知念)
- 陸上自衛隊知念分屯地(知念)
- ユインチホテル(旧沖縄厚生年金休暇センター)(佐敷新里)
- シュガーホール(南城市文化センター・佐敷)
- 東部消防署佐敷出張所(平成21年3月31日閉所 翌日島尻消防署へ移管)
- 島尻消防署佐敷出張所(平成21年4月1日開所)
- 島尻消防清掃組合(玉城富里)
- 佐敷駐在所
- 久手堅駐在所
- 親慶原駐在所
- 富里駐在所
- 仲程交番
- がんじゅう駅・南城(南城市体験滞在交流施設)
- 海の館・イノー(南城市海洋体験施設)
- 緑の館セーファ(南城市歴史学習体験施設)
- 南城市中央公民館(玉城)
- 南城市大里農村環境改善センター
- 南城市立知念図書館
- 南城市立図書館(佐敷分館)
- 南城市立図書館(玉城分館)
- 南城市立図書館(大里分館)
- 南城市立ひまわり児童館
- 南城市立シュガー児童館
- 南城市立大里中央児童館
- 南城市立仲村渠児童館
- 南城市立大里北児童館
- 南城市立大里南児童館
- 冨祖崎公園
- グスクロード公園
- 大里内原公園
- さしきスポ・レクセンター
- 市営新開球場
- 佐敷勤労者体育センター
- 知念体育館
- 志喜屋漁港多目的広場
- 知念屋外運動場
- 玉城野球場
- 南城市陸上競技場(玉城)
- 玉城庭球場
- 玉城総合体育館
- 大里勤労者体育センター
- 佐敷郵便局
- 津波古簡易郵便局(平成20年1月9日(水)閉局)(同7月1日郵便のみ再開)
- 知念郵便局
- 知念久高簡易郵便局
- 玉城郵便局
- 親慶原簡易郵便局
- 百名簡易郵便局
- 奥武簡易郵便局
- 大里郵便局
- 南城市社会福祉協議会(大里仲間・他に玉城支所・佐敷支所・知念支所)
- 島尻環境美化センター
- 沖縄県玉城少年自然の家
- 沖縄県動物愛護センター(大里大里)
- 沖縄県中央食肉衛生研究所(大里大里)
- 沖縄県中央家畜保健衛生所(大里大里)
- 沖縄県食肉センター(大里大城)
- アトール
名所・旧跡・観光スポット
- 斎場御嶽(琉球王国のグスク及び関連遺産群)
- 久高島
- 知念城跡
- 玉城城跡 - 国の史跡
- 糸数城跡 - 国の史跡
- 垣花城跡
- ミントングスク
- 島添大里グスク
- 大城グスク
- 佐敷上グスク・つきしろの宮
- ニライ・カナイ橋
- おきなわワールド文化王国・玉泉洞
- 垣花樋川(湧水・名水百選)
- 仲村渠樋川(なかんだかりひーじゃー)あるいは仲村渠樋川井(なかんだかりひーじゃーがー)
- 国指定の重要文化財。仲村渠集落中心部の湧水に1912年(大正元年)から翌年にかけて構築された石造井泉。1995年重要文化財指定。沖縄戦で一部破壊され、2004年にいきががー(男性用水場)、いなぐがー(女性用水場)、広場、拝所、共同風呂、かーびら(石畳)を有する当初の形に復元されている。以前は生活用水として利用されていた。簡易水道の普及により、現在は農業用水として使われている。[3]
- あざまサンサンビーチ
- 新原ビーチ
- 知念岬公園
- 新里ビラ
- ハマジンチョウ群落
- サキタリ洞遺跡。旧石器時代(約2万3千年前)の貝製の釣り針が発見された。世界最古級[5]。1.4㎝で巻貝の底を割って三日月形にして、磨いて先端を尖らせていた。発表した沖縄県立博物館・美術館の特別展で展示される。
その他
- ラジオ沖縄送信所(大里大城、1998年に那覇市首里崎山町から移転、同時に周波数と出力が現在のものに変更された)
- 佐敷テレビ中継局(知念字久原の守礼カントリークラブ内、1995年に開局、おもに市北部と中城湾沿岸町村をカバーしている)
- 志喜屋テレビ中継局(知念字山里半田原、おもに知念半島南西部の国道331号沿い周辺をカバーしている)
主な祭事・催事
- イザイホー
- 久高島で12年に一度の午(うま)年の旧正月に行われる祭(1978年を最後に実施されていない)
- 尚巴志ハーフマラソン
- 東御廻い国際ジョイアスロン
- うふざとヌ ムーチーさい
- 知名のヌーバレー
- ー伝統の競漕ー帆掛サバニフェスタin南城[1]
2007年より、あざまサンサンビーチ(南城市知念字安座真)にて毎年9月に開催。
- ハイ祭ストリートダンスコンテスト[2]
2007年より、あざまサンサンビーチ(南城市知念字安座真)にて毎年3月に開催。
出身有名人
- 新垣結衣(女優)
- 大城将保(歴史研究家)
- こきざみインディアン(ローカルお笑いタレント)
- 尚巴志王(琉球王国の建国者)
- 津波信一(ローカルタレント)
- 西村弥(東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 嶺井博希(横浜DeNAベイスターズ)
- 西銘順治(第3代沖縄県知事)
- 西銘恒三郎(衆議院議員、かつて国土交通大臣政務官に就任していた)
- 瑞慶覧長敏(元衆議院議員)
- 屋比久保 - レスリング・元全日本王者
ゆかりのある人物
その他
- 水の郷百選 - “グスクと水の里”たまぐすく
脚注
- ↑ 明治時代以前は佐敷間切、知念間切、玉城間切、島添大里間切を総称して「東方四間切」と呼んでいた
- ↑ 図典 日本の市町村章 p241
- ↑ 湧き水の郷(農林水産省)
外部リンク