尾仲祐哉
尾仲 祐哉(おなか ゆうや、1995年1月31日 - )は、福岡県北九州市八幡西区出身のプロ野球選手(投手)。右投左打。阪神タイガース所属。
Contents
経歴
プロ入り前
高稜高校入学時には外野手であったが、3年時に本格的に投手に転向[1]。夏の大会は3年間全て初戦敗退したが、毎日野球日誌にその日の反省を書き込むほど、当時から研究熱心だった[2]。広島経済大学に入学後、部のセレクションに志願し入部。入部時にはMAX133km/hだった直球が、大学3年の秋には150km/hを計測するまでに成長。4年時の2016年に出場した全日本大学野球選手権大会では、九州国際大学との初戦で8回を投げて14奪三振を記録したことから、NPB球団のスカウトに注目されるようになった[1]。
2016年のNPBドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから6巡目で指名。契約金3,000万円、年俸720万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は29[3]。
DeNA時代
2017年5月9日[4]の対中日ドラゴンズ戦(岐阜長良川球場)5回裏からの救援登板で、一軍公式戦へのデビューを果たした。同年8月22日の対広島東洋カープ戦(横浜スタジアム)では、3点ビハインドの8回表から4番手投手として登板して2イニングを無失点に抑えた後の9回裏無死一塁から筒香嘉智、ホセ・ロペスおよび宮崎敏郎の3者本塁打の結果[5]、尾仲は「3者連続本塁打による逆転サヨナラ勝利」というNPB一軍公式戦初のチーム記録によって一軍初勝利[6]。試合後には、「以上の3選手と同時にお立ち台へ上がる」という異例の演出の下で、ヒーローインタビューを初めて経験した[7]。同年の公式戦11試合の登板で、1勝1敗、防御率6.52をマーク。チームがレギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズ(CS)を経て19年振りに日本シリーズへ進出したことから、尾仲も日本シリーズの出場資格を得た[8]が、実際にはCSでも日本シリーズでも登板の機会がなかった。シーズン終了後の11月10日に、推定年俸920万円(前年から200万円増)という条件で契約を更改[9]。
阪神時代
2017年12月10日に、阪神タイガースからFAでDeNAへ移籍した大和の人的補償として阪神へ移籍することが発表された(詳細後述)[10]。背番号は27で、年俸はDeNAでの更改時の推定920万円となった[9]。
選手としての特徴
身長173cmと投手としては小柄ながら最速151km/hのストレートを投げ込む[11]。切れ味の鋭いカットボール、縦スライダーを武器とする他、チェンジアップ、フォークも持ち球とする[12]。
DeNA時代は主に中継ぎ投手として起用されていたが、阪神移籍時の一軍監督である金本知憲は先発投手としての適性にも注目している[13]。
人物・エピソード
阪神の大和が2017年の日本シリーズ終了後に国内FA権の行使を通じてDeNAへ移籍したことにより、大和を獲得したDeNAから阪神への補償義務が生じたことを受けて阪神サイドが人的補償措置を求め、DeNAから提出されたプロテクト名簿に尾仲が記載されていなかったことから移籍が実現した[10]。NPBの球団に新人扱いで入団した日本人選手が、1年目のオフシーズン中にFA権行使選手の移籍に伴う人的補償選手としてNPBの他球団へ移籍した事例は、2014年に読売ジャイアンツ(巨人)へ入団した奥村展征の東京ヤクルトスワローズへの移籍(相川亮二の国内FA権行使による巨人への移籍に伴う人的補償措置)に次いで2例目。ただし、奥村の移籍が決まったのは入団翌年(2015年)の1月上旬のことであり、入団1年目つまり入団から年を越さずに移籍へ至った選手は尾仲が初めてである。
詳細情報
年度別投手成績
2017 | DeNA | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 96 | 19.1 | 22 | 2 | 15 | 0 | 0 | 17 | 3 | 0 | 16 | 14 | 6.52 | 1.91 |
NPB:1年 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 96 | 19.1 | 22 | 2 | 15 | 0 | 0 | 17 | 3 | 0 | 16 | 14 | 6.52 | 1.91 |
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- 2017年度シーズン終了時
記録
- 投手記録
- 初登板:2017年5月9日、対中日ドラゴンズ7回戦(岐阜長良川球場)、5回裏に2番手で救援登板、2回無失点
- 初奪三振:同上、5回裏に荒木雅博から空振り三振
- 初勝利:2017年8月22日、対広島東洋カープ18回戦(横浜スタジアム)、8回表に4番手で救援登板・完了、2回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2017年5月18日、対広島東洋カープ9回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、5回表に中村祐太から見逃し三振
背番号
- 29 (2017年)
- 27 (2018年 - )
登場曲
- 『We Own It』- 2 Chainz & Wiz Khalifa (2017年 - )
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “広島経大の尾仲が8回まで毎回の14K”. デイリースポーツ (2016年6月6日). . 2017-5-9閲覧.
- ↑ “「開幕1軍目指す」 ドラフト横浜6位、尾仲投手が指名報告 母校・高稜高 /福岡”. 毎日新聞 (2016年11月2日). . 2017-5-10閲覧.
- ↑ “DeNAドラフト6位尾仲 目標は番長「息の長い投手になりたい」”. スポーツニッポン (2016年11月11日). . 2017-5-10閲覧.
- ↑ “【9日のプロ野球公示】巨人がドラ1新人吉川尚を初登録、日本ハムは岡を登録し大累を抹消”. ベースボールチャンネル (2017年5月9日). . 2017-5-10閲覧.
- ↑ “DeNA3連発サヨナラ勝ち、宮崎「むっちゃ緊張」”. 日刊スポーツ (2017年8月22日). . 2017閲覧.
- ↑ “DeNAドラフト6位尾仲プロ初勝利「テンポを心掛けた」”. 日刊スポーツ (2017年8月22日). . 2017閲覧.
- ↑ “DeNA新人の尾仲、3連発呼び込む好投でプロ初星「実感があまりない」”. デイリースポーツ (2017年8月22日). . 2017閲覧.
- ↑ 2017年日本シリーズ出場資格者名簿(横浜DeNAベイスターズ)
- ↑ 9.0 9.1 “大和人的補償の尾仲が阪神入団会見「期待応える」”. 日刊スポーツ (2017年12月18日). . 2017閲覧.
- ↑ 10.0 10.1 “DeNA尾仲がFA大和の人的補償で阪神入り”. 日刊スポーツ (2017年12月17日). . 2017閲覧.
- ↑ 「開幕1軍目指す」 ドラフト横浜6位、尾仲投手が指名報告 母校・高稜高 /福岡毎日新聞 2016年11月2日 地方版
- ↑ 2017年度 尾仲 祐哉【DeNA】投手成績詳細(カウント別・球種配分)データで楽しむプロ野球 2018年1月4日閲覧
- ↑ 阪神異例の即決!人的補償DeNA尾仲を選んだワケ日刊スポーツ 2017年12月11日