急行バス

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急行バス(きゅうこうバス)とは、急行運転している路線バスの総称である。

当項目では速度運転種別としての急行バスについて解説する。深夜急行バスについては本項目の事例と異なるため、深夜バスを参照のこと。

概要

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高速バスに準じた急行バスの例(今治-大三島急行バスに使用される瀬戸内海交通高速バス仕様車)
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一般路線での急行バスの例(神奈川中央交通「厚67」系統)
ファイル:岩手県北バスの106急行.JPG
乗客獲得に成功した東北の急行バス「106急行バス」
ファイル:ChokkyuKyotoGo H-3967.JPG
同じく乗客獲得に成功した近畿の急行バス「ダイレクトエクスプレス直Q京都号」

厳密な定義は存在しないが、路線バスの内、中間停車停留所を精選するなど速達運転を行うものを指す。

都市間ないしは、広範囲な地域輸送を担うものについては案内上は高速バスと差違がない事例が多い。しかし、高速道路を経由する「高速バス」と異なり、一般道路を経由して都市間の長距離運転を行い、クローズドドア制度が無く中間の主要停留所間の相互利用が可能である場合が多い。こういった運用をするものでは、より速達・長距離な運行を行うものについて鉄道特別急行列車に準え特急バスと称する場合もある。

国鉄バスにおいては、一般道経由の長距離都市間路線を急行線と称しており、松山高知急行線名金急行線などが存在した(ただし名金急行線の末期は一部高速道経由であった)。同様の路線に岩手県北バス106急行バスがある。106急行バスは京阪バスダイレクトエクスプレス直Q京都号などと同様に、都道府県庁所在地と地方都市とを結ぶ急行バスとしての需要が多くあり、またその利便性ゆえに通勤・通学の乗客獲得に成功したケースである。

また、東名ハイウェイバス名神ハイウェイバス中国ハイウェイバスの各停便は、種別が急行である。但し、名神ハイウェイバスの急行便は現在名称上廃止している。

また、高速道経由のバスについても、並行して一般道経由の路線バスが存在し、共通乗車の扱いがされている場合や、一般道経由の路線を一部高速道経由にした場合などは、高速バスと名乗らず急行バスを名乗ることがある。中には車両も高速バスと同等にした車両を運用したり、またその場合は高速バスと共通運用をする事例もあり、その車両にはトイレやオーディオ、自動車公衆電話のサービスがある場合があるが、自動車公衆電話は、携帯電話の普及で少なくなっている。

なお、冒頭の定義の中には、いわゆる都市内で完結するものも含まれる。例えば、東京都交通局が運行する路線バス(いわゆる都営バス・都バス)の内、「急行」を称する系統の英語の案内では"Rapid"が用いられる。"Rapid"は、日本の鉄道では快速列車に主に用いるが、日本国外では特別急行列車の表記のように速達列車に用いる場合もある。

2007年3月現在ではこれを名乗る定期運行系統は急行05系統急行06系統の2系統がある。また、京都市営バスでも昼間時間帯に急行100号系統・急行101号系統・急行102号系統などが、神戸市営バスでは急行64系統が終日運転されている。これとは別に京都市営バスでは平日の朝・夕のラッシュ時に9系統や205系統などで並行して快速便が運行され、急行バスとも一部で経路や時間帯が重なる場合があるが、用途が違うためいわゆる「千鳥停車」を行う。2007年4月からは東京都江戸川区主導で環七通りを経由する京成バス環07急行・環08急行「環七シャトル」の実証運行が開始され、2009年からは本格運行されている。2014年からはしずてつジャストラインも竜爪山線で平日(休校日除く)3往復を快速として運行し、地元大学へ乗り入れている。また大阪シティバスも平日の朝・夕のラッシュ時に70急号系統91急号系統を設定している。

この場合、必ずしも高速道路・自動車専用道路を経由しないため、高速バスのそれと合致しない。これに派生する形となるが、車輌に通常の路線バスを用い都市高速道路経由の路線についても急行バスを名乗る場合がある。この場合も高速バスのそれと合致しない。

混雑緩和の役割

急行バスの中には混雑緩和のために運行されている路線もある。これらは、駅から住宅地や学校への路線で多く見られ、競合・平行して運行される系統より停留所数を少なくすることで、ある程度の混雑緩和が出来る。

関連項目