恨
恨 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 한 |
漢字: | 恨 |
発音: | ハン |
ローマ字: | Han |
恨(ハン[1])は、朝鮮文化においての思考様式の一つで、感情的なしこりや、痛恨、悲哀、無常観をさす朝鮮語の概念。朝鮮における、文化、思想において全ての根幹となっている。歴史学者古田博司は朝鮮文化における恨を「伝統規範からみて責任を他者に押し付けられない状況のもとで、階層型秩序で下位に置かれた不満の累積とその解消願望」[2]と説明している。
Contents
概要
朝鮮民族にとっての「恨」は、単なる恨みや辛みだけでなく、無念さや悲哀や無常観、(虐げる側である優越者に対する)あこがれ[3]や妬み、悲惨な境遇からの解放願望など、様々な感情をあらわすものであり、この文化は「恨の文化」とも呼ばれる。
恨の文化は、代々の王権や両班による苛斂誅求を極めた階級的支配に対する民衆の抵抗意識と、漢代の昔より幾度となく半島を襲った中国からの異民族(漢族・モンゴル族・女真族ほか)による侵略・征服で永続的な服従を余儀なくされた国辱を引きずり、日本(大日本帝国)による併合が「長い抑圧と屈辱の歴史」であったという事実を省みない一方的な主張の元で行われる反日教育や、内外の圧倒的な力に依存性せざるを得なかった朝鮮半島独特の文化である。
また恨の形成の裏には、儒教の教えや習慣が、本来の形を越えた形でエスカレートさせていったことが背景にあったと言われ、それは上位者の下位者に対する苛烈な扱いを正当化する解釈や、下位の者は過酷な立場を受容しなければならないとする解釈になった。
朝鮮の独立が民族運動として失敗して弾圧され、自らの力でなく第二次世界大戦の講和交渉として、頭ごなしに連合軍の力によって達成されたことは、後の世代の「恨」となった。また韓国について言えば、独立後の外圧によって成立した李承晩政権の腐敗した独裁政治、朴正煕の鉄拳統治、さらにそれ以後の軍事政権・光州事件など、内なる弾圧の歴史も「恨」となっている。それで今日得られなかった勝利の代替物として、あるいは抵抗精神の表れとして、例えばスポーツなどにおける日韓戦に必要以上に熱狂[4]したり、与野党の争いや労働組合の労使紛争において憤りの余り過激な行動をとったりするのである。
アメリカのテレビドラマに登場した「恨」
アメリカのテレビドラマ『ザ・ホワイトハウス』はまた、第5シーズン(第4話)で「恨」の特徴を言及している。そのエピソードは、アメリカ大統領役のジェド・バートレットが、「恨」という難解な概念について、彼が個人的な理解を果たして締め括られている。