二子玉川

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二子玉川
ふたこたまがわ
地方 関東地方
都道府県 東京都
自治体 世田谷区
東経139度37分35.8秒北緯35.6115度 東経139.626611度35.6115; 139.626611
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二子玉川(ふたこたまがわ)は、東京都世田谷区の地区名・通称地名。
東急田園都市線大井町線二子玉川駅周辺である玉川瀬田を中心とした地域の通称である。

概要

ファイル:Futakotamagawa-rise.JPG
二子玉川ライズ・ショッピングセンター中央吹抜通路。写真中央奥が駅東口。

世田谷区の南西に位置し、北に緩やかな丘陵、南に多摩川を抱える区域で比較的緑が多く自然環境が残されている。そこに住宅地を中心とした街が形成されているが、二子玉川駅近辺は玉川高島屋S・Cをはじめとした商業施設が建ち並んでいる。さらに近年では駅の東側を中心に再開発が進められ、2011年には大型商業施設である二子玉川ライズショッピングセンターが開業し、さらに、2015年に映画館「109シネマズ二子玉川」などがオープンするなど、賑わいを見せている。「フタコ」、「ニコタマ」という愛称で呼ばれることもある。

二子玉川の街は元々、江戸時代にこの地に存在した渡し船(「二子の渡し」)により地域一体が栄えた事に始まり、後に世田谷随一の歓楽街、東京有数の行楽地へと変貌していったという歴史を持つ。現在では下北沢三軒茶屋と並び、世田谷区の「広域生活拠点」に位置づけられており、比較的豊かな自然環境をベースに住宅街及び商業地帯を発展させた区域として成長している。

なお、毎年8月に開催される大規模花火大会(通称「二子玉川花火大会」)も、この地域では風物詩の一つとなっている。

範囲

行政上「二子玉川」という町名は存在しないため「二子玉川」の範囲は明確に区画できないが、一般的には行政地名としての東京都世田谷区玉川・上野毛・瀬田・野毛(主に3丁目)を指す。 

二子玉川の名の由来

「二子玉川」の名は、かつて多摩川を挟んで川崎市側に存在した「二子村」と世田谷区側の「玉川村」に由来すると言われている。また、同地付近にあった「二子の渡し」にも深い関連がある。 なお、現在も多摩川の対岸にあたる神奈川県川崎市高津区には「二子」(ふたご)という町名が存在するが、一般的に「二子玉川」と呼ばれる区域の対象には含まれない。町名は当時同地にあった二子塚古墳に因んで大井町線(現:東急大井町線)開業時に目黒蒲田電鉄が名付けた[1]

郊外SCの先駆・玉川高島屋S・C

駅西口前に大型ショッピングセンター(SC)である玉川高島屋S・Cが存在する。同店は1969年11月11日、日本初の郊外型SCとしてオープンした。通称「タマタカ」。

当時高島屋は出店地の選定にあたり、東京の城南方面を商圏としてカバーしたいと考えていた。城南方面からの各路線が集中する渋谷への出店を検討したが既存の建物で埋め尽くされており出店の余地がなく、ほかの街を探すことになる。しかしあくまで都内にこだわり、神奈川県内への出店は全く考えていなかった。これは多摩川を一歩渡っただけで店舗価値・ブランド力が大きく下がると高島屋は考えたためである。

そこで自由が丘と二子玉川が候補になったが、多摩川の眺望の良さや、当時の地価がそれほど高くなかったこと、また当時は当地に二子玉川園を主体とした施設があり多くの城南方面の家族連れで賑わっていたことなどが決め手となり、二子玉川への出店が決定された。なお、1996年10月4日新宿高島屋タイムズスクエア開業まで、高島屋系列で城南方面をカバーする店舗は当S・Cのみであった。

日本でショーウィンドーを早くから採用した同店は、郊外SCの先駆となり、昭和50年代に入ると同店を参考にした郊外SCが爆発的に増え始めた。現在では、駅西口周辺はこの高島屋を中心として街が形成されている。なお、週末になるといわゆる都内城南区域を中心とした地域からの来店客で賑わい、近隣の住宅地(特に隣接する鎌田、岡本、成城、上野毛、等々力、深沢、駒沢、自由が丘、九品仏、田園調布、桜新町、用賀など)からの自家用車での来店が目立つ。そのため高島屋周辺は週末になると慢性的な渋滞を引き起こしている。

二子玉川の今後

東地区再開発

再開発の計画

ファイル:Futakotamagawa west.JPG
再開発前の二子玉川駅西口。
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再開発前の二子玉川駅西口。2007年秋。
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再開発後の二子玉川駅西口。2011年11月。

かつて二子玉川駅東口周辺は、西口側の繁栄に比べると人通りも少なく、特に1985年3月31日に二子玉川園が閉園してからは、映画館の二子東急などが残っていたものの、跡地にはアトラクション施設や住宅展示場などが次々と開園と閉園を繰り返し、活気を失っていた。こういった事情を打破するため、閉園後二子玉川園跡地を中心とした区域の再開発が計画された。その後、経済停滞に伴う計画の見直しや景観保存のための反対運動[2]などを経たが、2003年多摩川に架かる二子橋そばにあった結婚式場の富士観会館が閉館した跡地に高層マンションのプラウドタワー二子玉川の建設が始まると計画は一挙に加速し、2005年3月に東京都より第1期事業施行地区の事業認可を得た。名称は「二子玉川東地区第一種市街地再開発事業」で、東京都より認可され東急不動産などが主体となった組合「二子玉川東地区市街地再開発組合」が施行する。

再開発のテーマは「国分寺崖線の豊かな緑を基とした自然と都市の調和」。計画面積は11.2ha(うち第1期は8.1ha)で、民間再開発としては都内最大規模である。対象区域は駅周辺から南東方向に多摩川に平行する形状で、東西の長さは約1キロとなっている。総事業費は約1,500億円[3]

計画では、駅ビルと、駅ビルに隣接する3つの商業棟と1つのオフィス棟の合計4棟を軸としたI街区、超高層の商業棟とホテルを軸としたII街区、3棟の超高層マンション(最高150m)を軸としたIII街区とにわけられ、さらに南東側に公園の整備が計画された。

周辺道路の整理

駅東口側ロータリーを含むこの一帯は、駅前から二子玉川園跡地までは歩道がほとんどない狭小道路にもかかわらず駅前商店街となっており人通りも多く、東急の路線バスも通り交通量も多かった。再開発を見越し銭湯の玉川湯は2003年7月に廃業、東横学園二子幼稚園2004年に移転、計画が認可されてからは、東急ストア東急ハンズ二子玉川店が2006年6月に閉店、一帯の街区整理に入り商店の一部は一時的に退去、玉川税務署の北側まで来ていた駒沢通りを拡幅の上延伸させるとともに、税務署の南側の道路も拡幅し、これを玉川高島屋前の玉川通りに直結させた。そしてこの道路に面したI街区とII街区の間にバスターミナルを中心とした新たな駅前交通広場が整備された。公道変更に伴って東急バス玉11系統は路線を変更、「玉川高校前」「東急自動車学校前」の停留所を廃して「ライズ・プラザモール前」を新設した。かつて玉川4丁目の玉電砧線跡の緑道に面した位置にあった二子玉川郵便局は、2012年にロータリー前の大井町線ガード下付近に移転した。

街区(二子玉川ライズ)の建設工事

街区の工事は二期に分かれて行われた。

第一期工事は、まず2007年には立ち退きに同意した建物の解体工事が行われ、駅入口付近などに立ち退いた商店の仮設店舗が開業した。同年末にはI-b街区の予定地にあった建物はほとんど解体され、翌年1月にIII街区の基礎工事が開始された。

同年6月ごろまでにはIII街区の基礎工事はほぼ完了し仮設バスターミナルや周辺道路の整理を行い、I-b街区の基礎工事を開始した。その後2009年7月にIII街区の高層棟が上棟。2010年5月にIII街区の高層棟の引渡しを開始、同年7月に低層棟も引渡された。2011年3月には、Ia街区、Ib街区の竣工を迎え、第一期工事を完了し[4]、東側再開発の対象地域全体は、二子玉川ライズと命名された。

第二期工事は、まず2010年4月にはIIb街区が「二子玉川ライズ・バーズモール」として、およびIb街区の北棟が「二子玉川ライズ・オークモール」として先行オープンした。続く5月からはIII街区が「二子玉川ライズタワー&レジデンス」としてオープンし順次入居が開始された。そして2011年3月には、Ia街区が「ドッグウッドプラザ」として、およびIb街区が「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」「二子玉川ライズ・オフィス」として、Ia街区とIb街区の間にあり二子玉川駅改札口の前の高架下に当たる場所の鉄道街区が「二子玉川ライズ・ステーションモール」としてオープンした。2015年3月にも、最後に残るIIa街区が完成し、「二子玉川ライズ・テラスマーケット」、109シネマズ二子玉川、二子玉川エクセルホテル東急がグランドオープンした。

二子玉川公園の建設工事

III街区のさらに南東側は、かつて東急自動車学校(自動車教習所)や東急ゴルフガーデン(ゴルフ練習場)、東急スポーツガーデン(テニスコート等)があった場所である。これらも相次いで移転もしくは営業を中止、隣接していた都立玉川高校2008年3月で閉校し(建物は現在東京都公文書館が仮入居中)、これらの中央を横切っていた公道を撤去、南側を多摩川の堤防部分と一体化させ、多摩堤通りをトンネル化(2011年10月完成)した。これらの跡地には地域住民の憩いを目的とした6.3haの規模を誇る東京都市計画公園事業の「二子玉川公園」として2013年に一部完成(拡張部は2014年に完成)、2015年3月の「二子玉川ライズ・テラスマーケット」の完成でI街区からIII街区の先である二子玉川公園まで1本の陸橋「リボンストリート」で結ばれた。

二子玉川の自然

二子玉川の周辺には多摩川とその河川敷、さらに生活圏内には砧公園等々力渓谷など、都会では貴重な自然が比較的多く残っている。コイナマズといった淡水魚、白鷺といった鳥類の姿も見られる。緑地には運動場のほか整地されていない原野(原っぱ)もある。特に河原にある兵庫島公園周辺にはそのような緑地が多い。釣りも楽しめるので釣り人の姿もある(ただし入漁料を払う制度となっている)。写真にある兵庫橋野川に掛かる橋で、駅から緑地に行くための主なルートのひとつとなっている。春から夏・秋にかけては、河原周辺でバーベキューなどを楽しむ人の姿も多く見られる。特に二子橋の橋梁下付近では、土日になると早朝から大勢の人が詰めかけ大変混雑する。

一般道路

鉄道路線

脚注

注釈

出典

  1. 東急社史などの説明より。当地は二子の渡しの渡船場跡地でもあった。
  2. 住民が中心となった二子玉川東地区再開発を考える会など。
  3. 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業・二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業ウェブサイト内[1]ページ下部参照。
  4. 工事進捗速報

関連項目

外部リンク

大規模施設・再開発全体概要関連

地域情報サイト・その他

en:Futako Tamagawa