アオノリ
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アオノリ(青海苔、青のり)は、日本において食用として利用される数種類の海藻の総称。
代表的なものはヒトエグサ科のヒトエグサ、アオサ科アオサ属のアナアオサ、旧アオノリ属[1][2][3]のスジアオノリなど。
狭義では旧アオノリ属のスジアオノリ、ウスバアオノリ、ヒラアオノリ、ボウアオノリなどのみを「アオノリ」と呼び、ヒトエグサやアナアオサを含めないこともある。
Contents
種類
現在「アオノリ」と呼ばれているものは、ヒトエグサなどヒトエグサ科の海藻、アオサ科アオサ属のアナアオサ、スジアオノリに代表される旧アオノリ属の3種に大別され、それぞれ風味や用途が異なる。
旧アオノリ属
最も代表的な青のり。香りが高く口溶けも良いが、3種の中では最も高価である。高知県の四万十川など、四国地方で多く生産される。
ヒトエグサ科
生産量では最も多く、主として佃煮などに加工される。天然物はヒトエグサ、養殖はヒロハノヒトエグサが多い。一大産地である三重県の伊勢志摩地方では「あおさのり」と呼ばれる。また沖縄県では「アーサ」と呼び、アーサ汁や天ぷらなどに利用される。
アナアオサ
乾燥して2〜3mmの大きさに粉砕したものが「あおさ粉」などの名称で流通している[4]。大阪では「坂東粉」「バンド粉」と呼ばれ、安価であるため古くからお好み焼きや焼きそばなどのトッピングに多用されてきた。細胞膜が2層構造で硬く唾液に溶けないため、歯などにくっつくのが難点である。
利用
- 佃煮 - ヒトエグサを砂糖や醤油で煮たものが「青のりの佃煮」あるいは単に「海苔の佃煮」として販売されている
- 汁物の実 - ヒトエグサや旧アオノリ属の海藻が用いられる
- 青のり粉 - 3種とも乾燥した粉末として用いられるが、業務用としては安価なアナアオサの利用が多い
その他卵焼きに混ぜ込む、おむすびや温かいご飯にまぶすなど、様々な利用例がある
脚注
- ↑ 以前は緑藻綱アオサ科アオノリ属 Enteromorpha に分類されていたが、近年アオサ属 Ulva に移された
- ↑ Satoshi Shimada, Masanori Hiraoka, Shinichi Nabata, Masafumi Iima, Michio Masuda (2003) Molecular phylogenetic analyses of the Japanese Ulva and Enteromorpha (Ulvales, Ulvophyceae), with special reference to the free-floating Ulva. Phycological Research. Volume 51, Issue 2, pages 99–108
- ↑ 吉田忠生・吉永一男 (2010) 日本産海藻目録(2010年改訂版), 藻類 Jpn.J.Phycol. (Sorui) 58:69-122, 2010
- ↑ かつては「青のり」として販売されていたが、2010年代以降は旧アオノリ属との混乱を避けるため、「青のり」という食品表示はスジアオノリとウスバアオノリを原料とするものに限定されるようになった。