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逗子線(ずしせん)は、神奈川県横浜市金沢区にある金沢八景駅と神奈川県逗子市にある新逗子駅を結ぶ、京浜急行電鉄(京急)の鉄道路線である。英語表記は、Keikyu Zushi Line。駅ナンバリングで使われる路線記号はKK。
Contents
路線データ
- 路線距離:5.9km
- 軌間:1435mm(金沢八景駅 - 神武寺駅間の上り線は、総合車両製作所横浜事業所(旧・東急車輛製造横浜製作所)からJR逗子駅までの回送線を併設しているため、1435mmと1067mmの三線軌条区間となっている)
- 駅数:4駅(起終点駅を含む)
- 複線区間:全線(ただし、新逗子駅構内は単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:C-ATS
- 列車無線:誘導無線方式(IR)、デジタル空間波無線方式(デジタルSR)(併用)
- 最高速度:100km/h
運行形態
現行の列車種別
普通
線内折り返し運転は少数で、早朝深夜は金沢八景駅 - 新逗子駅、夜を中心に金沢文庫駅 - 新逗子駅間の折り返し列車が主体となる。2012年10月21日のダイヤ改正から日中以降の大半が後述のエアポート急行に置き換えられ、少数派の種別になった。
基本的に6両編成または4両編成だが、エアポート急行の送り込みとなる列車や新逗子駅に到着したエアポート急行・特急(2016年11月21日以降)が折り返し普通金沢文庫行きとなって入庫する列車などは8両編成で運行される。また、線内折り返し運転からエアポート急行となる運用が土休日の朝にあるため、一部の金沢八景発着は8両編成で運転されている。その他にも品川、羽田空港(着のみ)京急川崎、神奈川新町発着の列車も設定されている。車両は大多数の列車が京急車だが平日夜の新逗子発金沢文庫行きの1本は都営車で運転されている。なお2017年10月28日以降は土休日にも1本設定される。
本線系統で大幅にダイヤが乱れた場合は、日中でも折り返し運転を行う場合がある。折り返し運転時は、本線の上下列車に接続するなど、乗り換え客への配慮がなされる。
エアポート急行
空港線羽田空港方面に直通する種別で、逗子線内は各駅に停車する。2012年10月21日のダイヤ改正より、日中以降の逗子線の列車はほとんどがエアポート急行になった。日中以降10分毎に運転され、羽田空港駅 - 新逗子駅間での運転が基本だが、京急川崎発、神奈川新町発、金沢文庫発着の列車も設定されている。車両は8両編成または6両編成が使用される。また平日に都営車で金沢文庫発新逗子行きが2本、羽田空港駅 - 新逗子駅が1往復設定されている。なお2017年10月28日以降は土休日下り6本、上り5本羽田空港駅 - 新逗子駅で設定される。
特急
2015年12月5日改正のダイヤでは、平日の朝ラッシュ時(6 - 8時)に上下あわせて12本運転される。
- 京急線内系統
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- 金沢文庫発新逗子行き
- 後述の新逗子発列車の送り込みとして6本設定されている。なお新逗子行きの1本は都営車で運転されている。
- 新逗子発着 - 羽田空港発着
- 平日朝ラッシュ上り4本のうち1本は金沢文庫 - 神奈川新町間は12両編成で運転される。基本編成8両の前に付属編成4両を連結して運転される。新逗子発羽田空港行きのみの運転であったが、2016年11月21日以降は新たに平日夜に羽田空港発新逗子行きが運転される。
- 金沢文庫発新逗子行き
- 都営浅草線直通系統
なお、現行の特急は1999年7月31日のダイヤ改正で設定された[2]ものだが、過去にも1974年(夏期のみ1976年まで設定)まで特急が設定されていたことがあり、こちらは六浦駅・神武寺駅は通過していた。
過去の列車種別
快特
正式名称が「快速特急」から「快特」となった1999年より金沢文庫で京急久里浜行きなどと増解結する多層建て列車として登場した。
急行
主に、京急川崎 - 新逗子間で運行されていた種別。主に京急本線内の神奈川県内での速達種別であったが、1999年7月31日のダイヤ改正で廃止。朝ラッシュ時には青砥・高砂行きおよび北総線直通の急行(土休日は品川行き)が運転され、日中は新逗子 - 金沢文庫の区間列車と本線直通急行の交互運転、夕ラッシュ時は本線直通急行が10分毎で運転されていた。廃止時点で都営車の他、北総開発鉄道(現:北総鉄道)車や住宅・都市整備公団車(現在は千葉ニュータウン鉄道所有)も乗り入れていた。逗子線内は各駅に停車していた。
2010年にエアポート急行の運転が開始されたことで実質的に復活したとも言えるが、京急本線内の停車駅は異なっている。
臨時列車
「パシフィック」・「逗子」
1970年7月 - 1973年8月まで海水浴ダイヤ時に京成電鉄との乗り入れ臨時列車「パシフィック号」・「逗子号」が逗子海岸 - 京成成田駅間で運転されていた。毎年7月と8月に京急と京成の車両を3本ずつ使用して3往復ずつ運転されていた。ただし、1970年当時はパシフィック号は北行は逗子海岸発は片道1本のみであり。残りは京急久里浜駅発と浦賀駅発が片道1本ずつである。また「逗子号」も最初の1本が京成津田沼駅発であった。
この間合い運用で京成の車両(赤電)が品川 - 逗子海岸間の海水浴特急ではない臨時特急で1編成当たり3往復程度運用されていた。
当時の停車駅は京急・京成線は当時の特急停車駅と同一、都営線内は各駅であった[3]。
ハイキング特急
1952年3月から1965年にかけて、休日にハイキング客輸送向けとして、「油壺」「鷹取」等の列車名で主に逗子海岸 - 品川で運転されていた。ただし、「油壺」は往路のみ逗子海岸行き、逗子から三浦半島周遊 - 復路は浦賀(後に久里浜)発だった。
歴史
- 1930年(昭和5年)4月1日 - 湘南電気鉄道の1路線として、金沢八景駅 - 湘南逗子駅間が標準軌(1435 mm)にて開業。
- 1931年(昭和6年)4月1日 - 金沢八景駅 - 湘南逗子駅間に神武寺駅開業。路線を0.4 km延長し湘南逗子駅葉山口開設。従来の湘南逗子駅は湘南逗子駅沼間口と改称。
- 1941年(昭和16年)11月1日 - 京浜電気鉄道に統合され、同社の路線となる。
- 1942年(昭和17年)
- 1943年(昭和18年)
- 1944年(昭和19年)9月1日 - 神武寺駅を現在地に移転。
- 1948年(昭和23年)
- 1949年(昭和24年)
- 1950年(昭和25年)7月1日 - 品川駅 - 逗子海岸駅間直通の急行の運転を開始。
- 1952年(昭和27年)
- 1958年(昭和33年)6月 - 湘南逗子駅 - 逗子海岸駅間を複線化。
- 1963年(昭和38年)11月1日 - 湘南逗子駅を京浜逗子駅に改称。
- 1969年(昭和44年)12月9日 - ATS設置。
- 1974年(昭和49年)
- 1976年(昭和51年)6月10日 - 平日朝ラッシュ時に、逗子海岸駅発都営地下鉄浅草線直通急行(3本)を新設。
- 1985年(昭和60年)3月2日 - 京浜逗子駅と逗子海岸駅を統合し、中間地点に新逗子駅を開設。現在の5.9kmの路線となる。
- 1988年(昭和63年)8月1日 - 神武寺駅 - 新逗子駅間に逗子フライホイールポスト(フライホイール・バッテリー)を設置して、回生電力の貯蔵と再放出を開始[4][5]。
- 1995年(平成7年)6月20日 - 全列車の終日前照灯点灯運転を開始。室内灯も常点灯となる。
- 1999年(平成11年)7月31日 - ダイヤ改正により当線を含む京急蒲田以南の急行を廃止、北総車の乗り入れが消滅。同時に特急の運転(平日朝3往復のみ)を開始[2]。
- 2009年(平成21年)2月14日 - 保安装置をC-ATSに更新。
- 2010年(平成22年)
- 2015年(平成27年)7月7日 - デジタル空間波列車無線(デジタルSR無線)の使用を開始[6]。
駅一覧
全列車が全駅に停車するため停車駅は省略。全線神奈川県に所在。2010年10月21日より六浦 - 神武寺間2.8kmが京急線における最長駅間距離となっている。
駅番号 [1] | 駅名 | 営業キロ | 通算 営業キロ |
接続路線 | 所在地 | |
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金沢八景から | 品川から | |||||
KK50 | 金沢八景駅 | - | 0.0 | 40.9 | 京浜急行電鉄: 本線(品川方面直通運転) 横浜シーサイドライン:金沢シーサイドライン (14) |
横浜市 金沢区 |
KK51 | 六浦駅 | 1.3 | 1.3 | 42.2 | ||
KK52 | 神武寺駅 | 2.8 | 4.1 | 45.0 | 逗子市 | |
KK53 | 新逗子駅 | 1.8 | 5.9 | 46.8 | 東日本旅客鉄道: 横須賀線・ 湘南新宿ライン(逗子駅:JO 06・JS 06) 新逗子駅と逗子駅との間の連絡運輸は定期券のみ。 |
その他
本線の金沢八景駅 - 金沢文庫駅間に隣接する総合車両製作所横浜事業所(旧・東急車輛製造横浜製作所)から甲種輸送される車両は逗子線の三線軌条を経由してJR横須賀線の逗子駅へ送り込まれる。また川崎重工業車両カンパニーで製造された京急の車両や、日本車輌製造で製造された京急の相互直通運転先である京成電鉄や北総鉄道の車両も、JR横須賀線の逗子駅構内から逗子線の三線軌条を経由して横浜事業所へ送り込まれる。そのため、本来の台車ではないうえ自走ではないものの川崎重工業車両カンパニーで製造された京急の車両が最初に走る京急の線路は逗子線となる。
総合車両製作所横浜事業所 - 神武寺駅間での車両輸送は終電後に線路閉鎖の手続きを行った後に行われる。しかし東急車輛製造時代の1970年代後半には、旧型国電が解体のために白昼に自力回送を行ったことがある。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 駅ナンバリング(駅番号)は京急空港線羽田空港国際線ターミナル駅が開業する2010年10月21日から導入。
- ↑ 2.0 2.1 「京急ダイヤ全面改正」、『鉄道ピクトリアル』第49巻第11号、電気車研究会、1998年11月、 30-35頁。
- ↑ 鉄道ピクトリアル 1997年1月臨時増刊号「京成電鉄」
- ↑ 京急グループ会社要覧 2013-2014 (PDF) p.105、2014年1月11日アクセス
- ↑ 京急環境活動レポート「エコレポ 2012」 (PDF) p.8、2014年1月11日アクセス
- ↑ 『鉄道ピクトリアル』2017年8月号 (No.935) p238 - p239、電気車研究会。