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曽根 悟(そね さとる、1939年4月23日 - )は日本の工学者・鉄道技術者で、工学院大学元教授、東京大学名誉教授、2005年から2013年まで西日本旅客鉄道(JR西日本)社外取締役を務めていた。専門は電気工学・交通システム工学・パワーエレクトロニクス。鉄道に関する著作・発言を広範に行っている。
経歴
- 1939年 東京都出身
- 1958年 東京教育大学附属駒場高等学校卒業
- 1962年 東京大学工学部電気工学科卒業
- 1967年 工学博士号取得、東京大学助教授
- 1984年 東京大学工学系研究科電気工学専攻教授
- 2000年 東京大学定年退官・名誉教授、工学院大学教授
- 2005年 西日本旅客鉄道(JR西日本)の社外取締役に就任[1]
- 2007年 工学院大学を定年退職、同大学エクステンションセンター長就任[2]
- 2013年 JR西日本社外取締役を退任[3]
人物
1957年5月30日に日本国有鉄道(国鉄)鉄道技術研究所(現在の鉄道総合技術研究所)がその創立50周年記念講演会の席で、東京 - 大阪間3時間の超特急列車構想に関する講演を行い、これがきっかけとなって新幹線のプロジェクトがスタートした。この講演を当時高校3年生であった曽根が聴いて、信号保安に関する話が分からなかったため、電気工学を専攻するきっかけとなった、と東京大学最終講義で語っている(外部リンク参照)。その後、卒論・修士の研究で新幹線に関わっている。
電車はロングシートではなくクロスシートにすべきであると主張し、その影響で東海旅客鉄道(JR東海)元会長の須田寛が「今後はクロスシートで造る」と発言した、とされる。ただし実際にはその後のJR東海の電車でもロングシート車両(313系2500番台など)が存在する。
リニアモータ地下鉄や、日本鉄道技術協会が開発した軽快電車などの設計に携わっている。その時の経験から、摩擦に頼った機械的なブレーキをバックアップのみに用いて、通常はすべて電気的な手段でブレーキを行う純電気ブレーキの研究を始めている。
鉄道ダイヤに関する研究にも取り組んでいる。都市圏鉄道における停車駅パターンの最適化や、電力システムを考慮した上でエネルギー消費を最小にするダイヤの検討などを行っている。
鉄道事故が起きた際には、テレビ番組に出演して事故に関するコメントを述べることがある。
著書
- 「新しい鉄道システム -交通問題解決への新技術-」 オーム社 1987年 ISBN 978-4274021343
- 「電気回路の基礎」 昭晃堂 1986年 ISBN 978-4785611545
- 「サイリスタ回路の見方・考え方」 オーム社 1975年
- 「モータの事典」 朝倉書店 2007年 ISBN 978-4254221497
- 「新幹線50年の技術史」講談社〈ブルーバックス〉 2014年 ISBN 978-4-06-257863-9
他、寄稿・投稿多数
脚注
- ↑ “JR西社外取締役に曽根氏 東大名誉教授”. 47ニュース. 2010年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2008閲覧.
- ↑ “エクステンションセンター新発足のお知らせ”. 工学院大学 (2007年6月6日). 2009年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2008閲覧.
- ↑ “役員等の異動 (PDF)”. 西日本旅客鉄道. . 2013閲覧.
関連項目
外部リンク
- 教授紹介 — 工学院大学 交通・電力・環境システム研究室ウェブサイト内の指導教員紹介ページ
- 曽根名誉教授 最終講義 音声公開ページ — 東京大学 工学系研究科 古関研究室(元曽根研究室)のサイトで、曽根教授最終講義「交通システム工学の歩み -新幹線との40年-」の音声データを公開している