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戦前(せんぜん、羅: antebellum、英: prewar、独: Vorkriegszeit)とは、ある戦争が始まる前の時代。対義語は戦後。
Contents
概説
戦争勃発前の平和な期間を指す語や概念。
「戦前」という語は、特定の戦争が勃発する前の期間を指すが、特に両世界大戦の前を指すことが多い。[1]
またしばしば「戦争に至った体制(戦前急激に生じた体制)」という意味合いを伴うこともある。これは、複数の主要国においてクーデターや過激な政治集団の台頭による全体主義体制(当時は新体制とされた)が、第二次世界大戦の引き金となったことを意識したものである。
「戦前」が指す戦争
日本
日本では単に「戦前」と言う場合、通常は真珠湾攻撃に始まる太平洋戦争勃発前の時代を指すことが多い。また、日中戦争(支那事変)に始まる大東亜戦争[2]とすることもある。これらの場合、「戦前」は、政党政治の終焉となった犬養毅首相暗殺事件(五・一五事件)に始まると見るのが一般的である。
時に明治・大正期、大東亜戦争中や太平洋戦争中を含めて「戦前」と扱う例もあるが、これは「戦後」を強調する際便宜的に用いられるにすぎない。
年代または文脈に応じて、日露戦争、日清戦争、及び第一次世界大戦などの前の期間を指して「戦前」と呼ぶこともあるが、これらの期間は、たとえば「日露戦争前」のように戦争を明示することが多い。
軍事と国際関係
昭和7年3月関東軍の下で満州国建国宣言。帝国政府は満州国を認めず協調外交継続を模索するも、首相暗殺事件により同年9月満州国承認。翌昭和8年3月国際連盟脱退。帝国政府が協調外交継続を模索する一方で、国内では対中、対米英開戦論が高まり、開戦を煽るマスコミ報道も加熱していた。
昭和12年7月日中開戦(大東亜戦争)。11月日独伊三国防共協定成立。日・満・華(南京政府)による共同防共を目指す東亜新秩序声明発表。昭和15年日独伊三国同盟調印。昭和16年12月対米英宣戦布告(太平洋戦争)。
軍事に関しては、おおむね昭和10年代初めの平時編制として、陸軍は内地が東部、中部、西部に区分されてそれぞれの地域に防衛司令部が設置され、また、内地に14個師団と北海道に1個師団が配備されていた。朝鮮には朝鮮軍司令部と2個師団が、台湾には台湾軍司令部と台湾守備隊が、関東州・満州には関東軍司令部と関東軍守備隊が置かれている。海軍は平時編制ではまず艦船を現役艦と予備艦に分け、現役艦を以って第一艦隊と第二艦隊から構成される連合艦隊、または警備艦として鎮守府に所属した。
京都
京都では、「応仁の乱より前」や「禁門の変より前」を指す場合がある。これは、京都が第二次世界大戦ではほとんど戦災を受けなかった事もあるが、なにより京都が歴史が古い街である事を強調する意味合いを強く持つ用法である。
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国では、建国以降多くの戦争に関与していることから、単なる「戦争前」(prewar、antebellum)・「戦争後」(postwar、postbellum) は用いない。
単に「戦前」と呼ぶ例は、南北戦争前または南北戦争以前の時代を、ラテン語で「en:Antebellum」と呼ぶ例がある。又、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時代を指して「戦間」(interbellum) と呼ぶ使い方もある(例:en:Interbellum Generation)。