Fire OS

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Fire OS
プログラミング言語 C (core), C++, Java (UI)[1]
OSの系統 Unix系
開発状況 開発中
ソースモデル オープンソースのAndroidと独自のコンポーネントを持つ全てのデバイスに基づくプロプライエタリ・ソフトウェア[2][3]
対象市場 Fire、Fire HD (タブレット)、Fire TVFire TV StickFire Phone
パッケージ管理 APK
対応プラットフォーム 32ビット64ビット ARM
カーネル種別 モノリシック (変更されたLinuxカーネル)
ユーザランド バイオニックlibc[4]mkshシェル[5]NetBSDの少数のネイティブコアユーティリティ[6]
既定のユーザインタフェース GUI (マルチタッチ)
ライセンス GNU GPLバージョン2採用のLinuxカーネルを変更したApache License2.0に基づくプロプライエタリEULA [7]
ウェブサイト developer.amazon.com/ja/android-fireos
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Fire OS(ファイアオーエス)はAmazon.comによって制作されたAndroidベースのモバイルオペレーティングシステムFire PhoneKindle FireFire TVやKindle電子書籍リーダーのタブレット版にも導入されている。Fire OSはAndroidのフォークである。FireOSはコンテンツ消費に重きを置いており、カスタマイズされたユーザーインターフェースとアマゾン独自の店舗やサービスからのコンテンツと強く結びついている。デフォルトブラウザは、Silkブラウザが搭載されている。

Kindle FireはカスタマイズされたAndroidのディストリビューション2.3.3 (API level 10) (Kindle Fire)と4.0.3 (API level 15) (Fire HD)を常に使用していたが、アマゾンはこのディストリビューションをFire OSと呼び始め、 Fire HD 第2世代とFire HDXモデルを含むKindle Fireタブレットモデルの第三世代から使い始めた。オペレーティングシステムがAndroid「ベース」であった過去のKindle Fireモデルとは異なり、Fire HDXに搭載されている「Fire OS 3.0」OSはAndroidと「互換性」があるとされた。Fire OS 3.0はAndroid 4.2.2(API level 17)のフォークである。[8][9][10] Fire HD (第3世代) とFire HDX (第2世代) タブレットにはAndroid 4.4.2 (API level 19)のフォークであるFire OS 4が導入されている[11][12]。Fire OS 4.5.1はAndroid 4.4.3に基づいている[13][14]。Fire OS 5.0 は Android 5.1 (API level 22) に基づく[15]Fire OS 6.0は、Android 7.1.2 (API Level 25)に基づいている。

機能

Fire OSはAmazon AppstoreAmazon Video、Prime Music (旧Amazon MP3) & AudibleとKindle Storeのようなアマゾンのサービスを通じて利用可能なコンテンツを目立つように売り込むように設計されたカスタマイズUIを使用している。Fire OS 3.0 – 4.0まで、ホーム画面では最近アクセスしたコンテンツやアプリがメリーゴーランドのように表示され、そのすぐ下に「お気に入りの棚」として固定されたアプリがある。アプリやゲーム、音楽、オーディオブック、ビデオなどがそれぞれ区分けされている。検索機能はユーザーにコンテンツライブラリーまたはアマゾンストアを検索できる。Androidと同様に画面上部からスライドするとクイック設定と通知が現れる。Fire OSはGoodreads、Facebookとツイッターとの統合機能を提供している。X-rayも再生機能に統合され、ユーザーは現在視聴している内容に対する補足情報にアクセスすることができる。Fire HDXとFIre Phoneは追加機能として「Mayday」と呼ばれる一方向のビデオチャットを通じてサポートエージェントに接続できる。アマゾンは大半のMaydayのコールは15秒以内に返答が返ってくると主張している[16][17][18] 。OSには、ユーザーのシステムと、Kindle FreeTimeがある。Kindle FreeTimeは、保護者が特定の種類のコンテンツを使用するための時間制限を設定できるペアレンタルコントロールである [19]

インターフェース

Android 5.0 ,5.1.1「Lolipop」に基づいたFire OS 5は更新されたインターフェースを利用している。ホーム画面は従来のスライダー型のインターフェースではなく、伝統的なアプリケーショングリッドとコンテンツタイプのページとなっている。またプライムビデオなどのアマゾンコンテンツを自動ダウンロードすることで、オフライン環境でも視聴でき、ストレージの空きが少なくなったら自動で削除する「On deck」機能を始め、速読ツールの「Word runnner」とスクリーンカラーフィルター機能が導入された。ペアレンタルコントロールは、子どもに適したコンテンツを選別するFreeTimeモードを搭載した新しいWebブラウザと、子供による使用状況を監視するための「アクティビティセンター」で強化された[20][21][22] 。

暗号化機能

Fire OS 5 はデバイスの暗号化へのサポートを打ち切った。アマゾンの広報担当者は暗号化は企業向けの機能で十分活用されなかったと述べた。しかし、2016年3月、FBIとAppleのロック解除の論争がきっかけでサポート打ち切りが公表され批判を受けた。アマゾンは将来のパッチでサポート機能を復活させると発表した [23][24]

Fire OS 5.3.1.0以降のアップデートで復活した。

Blue Shade

Blue Shadeは、Fire OS5.0 Beliniにアップデートすると追加される機能。バックライトを自動で調整、最適化される。Blue Shadeのデフォルト設定にて読書をすると、通常設定より最大25%バッテリー駆動時間が延長される。

製造元

オープン・ハンドセット・アライアンス(OHA) のメンバー(多くのAndroid OEMメーカーも含む) は契約によりOSのフォークに基づいたAndroidデバイスを制作するのを禁じられており、そのためKindle Fire タブレットはOHAのメンバーではないクアンタ・コンピュータによって製造されている。

Googleサービスアプリの互換性

Fire OS デバイスはAmazonのソフトウェアとコンテンツのエコシステムに独占的に結びついている。

Fire OSではGoogle Play Storeを提供しておらず、Google独自のアプリやGoogle マップ、Google Cloud MassagingのようなAPIのプリインストールも行っていない。Fire OSはGoogleのプラットフォームの代替を独占的に提供しており、例えばグーグルマップの代わりにFire OSはGoogleマップのAPI1.0のクローンを使ってHere Mapsを提供している。音声アシスタントは、Alexaと呼ばれるものを搭載している。Fire OSがGoogle公式のAndroid互換規格と互換性が無いように意図的に設計されているためFire OSデバイスは、Google独自のソフトウェアやAndroidの商標を使っていない 。しかしながら他のAndroidデバイスのようにサードパーティーのアプリはAPK Fileを通じてインストールできるが、もしそのアプリがGoogleのサービスに依存していた場合、APK Fileを利用してインストールしても「問題が発生したため、アプリを終了します。」とメッセージが出る場合があり完全な互換性は保証されない[25]

 Fire OSバージョンのリスト

年代順にソートしてあり、Androidのコードベースの基本的なバージョンに基づいてカテゴライズされている。

バージョン 6.3

  • Android 2.3 Gingerbread ベースのバージョン。Kindle Fire (第1世代)に搭載されている。ブックスタンドデザインのインターフェイスになっている。
6.3.1
6.3.2 – より長い映画のレンタル、アマゾンクラウドとの同期
6.3.4 – Kindle Fire (2011)における最新版

バージョン7,8,10

  • Android 4.0 Ice Cream Sandwichがベースになっている。Kindle fire シリーズ(第2世代) のみに配信されたバージョン。最近使った項目がスライダーと呼ばれる場所に表示される。 Amazonからダウンロードしたコンテンツは、スライダー下にAmazonのおすすめが表示される。パソコンから入れたメディアは、最近追加された項目が表示されるか、何も表示されない場合がある。アップデートにより"バッテリー残量を表示"設定が追加された。
7.5.1 – Kindle Fire HD 7" (2012)における最新版
8.5.1 –Kindle Fire HD 8.9" (2012)における最新版
10.5.1 – Kindle Fire (2012)における最新版

※ここまでのバージョンはFire OSとは呼ばれておらず Android 2.3 - 4.0ベースのバージョンが搭載されていた。

Fire OS 3.0 Mojito

  • Android 4.1 Jelly Bean ベースのバージョンでAndroidとの互換性が大幅に向上している。 スライダー下にはインストール済みアプリの一覧が表示されるようになった。第3世代のKindle fire シリーズが工場出荷時に搭載されている。第2世代のKindle fireシリーズはアップデートから外れた。
3.2.8 – Fire HDX (2013)向けのロールバックポイント
3.5.0 – Fire Phoneのサポート機能を導入; Android 4.2.2 コードベース
3.5.1 – Fire Phoneのメンテナンスバージョン

Fire OS 4.0 Sangria

  • Android 4.4 KitKat ベースのバージョン。Fire OS 3.0とは、外観での違いは、ほとんど無い。Fire HD X のみMayday機能が利用出来る。 Fire シリーズ (第3世代)がアップデートできる。
4.1.1
4.5.5.1
4.5.5.2 – 2013年に発売されたタブレットにおける最新版
4.5.5.3 – 主に不具合修正とパフォーマンスの向上。2013年に発売されたタブレットにおける最新版
4.6.6.0 – Fire Phone
4.6.6.1 –Fire Phoneの最新版

Fire OS 5.0 Bellini

  • Android 5.0 Lollipop ベースのバージョン。インターフェイスが大幅に変更され、Android 5.0 が白を基調としたデザインに対し、Fire OS 5.0では黒を基調としている。ホーム画面の壁紙が設定出来るようになった。 ホーム画面下部のボタンは Android 5.1と同じ ◁(戻る)、○(ホーム)、□(最近使ったアプリ一覧) になっている。

ホーム画面のスライダーは廃止されアプリ、コンテンツの一覧がホーム画面に表示されるようになった。 バッテリー関連の機能が強化されている。fire シリーズ(第3世代) 、Fire Phone がアップデートの対象外になった。

5.0 (Bellini)[26]
5.0.5.1 – Fire TVの導入
5.0.1
5.1.1[27]
5.1.2 (ルート可)
5.1.2.1
5.1.4
5.2.1.0 – Fire TV デバイス
5.2.1.1
5.2.1.2
5.2.4.0
5.2.6.0
5.2.6.1
5.2.6.2 – 第1世代および第2世代Fire TV デバイスにおける最新版
5.3.1.0 – 2014年と2015年に発売されたタブレットにおける最新版 (ルート可)
5.3.1.1 – 2016年8月のタブレットにおける最新版
5.3.2.0 – 2016年11月の最新版
5.3.2.1 – 2016年12月の最新版
5.3.3.0 – 低電力モードを追加。 2017年3月の最新版

Fire OS 5.3 Bellini

  • Android 5.1 LollipopベースのバージョンでAndroid 5.0 →5.1.1になったこと以外は大きな変更はない。
5.3.4.0
5.4.0.0
5.4.0.1 – bug fixes
5.5.0.0
5.6.0.0 – ステータスバーの一部変更、コントロールにBluetoothのオン/オフが追加。Fire HD 10 (2017)以外にも配信。
5.6.0.1 – 2018年1月の最新版
5.6.1.0 – 2018年3月の最新版

Fire OS 6.0

  • Android 7.1.2 Nougat ベースのバージョン。Fire TV (第3世代)のみに配信されている。
6.0.0.0 – Fire TV (第3世代)の初期搭載バージョン
6.2.1.0 – Fire TV (第3世代)のみのバージョン
6.2.1.1
6.2.1.2

Fire OS搭載デバイスのリスト

タブレット

2011年発売 – (第1世代)

2012年発売 – (第2世代)

2013年発売 – (第3世代)

2014年発売 – (第4世代)

  • Fire HD 7 (第4世代)
  • Fire HD 6 (第4世代)
  • Fire HDX 8.9 (第4世代)

2015年発売 – (第5世代)

2016年発売 – (第6世代)

  • Fire HD 8 (第6世代)

2017年発売 – (第7世代)

テレビ向けデバイス

2014年発売 – (第1世代)

2015,6年発売 – (第2世代)

  • Fire TV (第 2 世代)
  • Fire TV Stick (第 2 世代)

2017年発売 – (第3世代)

  • Fire TV (第 3 世代)

スマートフォン

旧デバイスのサポート状況

以下のデバイスには、アップデートは2017年11月時点で提供されてないため事実上最終バージョンとなっている。 ( デバイス名 – 最終バージョン)

タブレット

2011年発売 – (第1世代)

2012年発売 – (第2世代)

※第2世代まではFire OSとは呼ばれていなくAndroid2.3 - 4.0ベースのOSが搭載されていた

2013年発売 – (第3世代)

スマートフォン

Fire OS 6 の提供

  • fire tv

現在fire tv (第3世代)のみに提供されている。 旧モデルのfire tv / fire tv stick (1、2世代) に、Fire OS 6を提供しないと公表している。[28]

Google Play の利用が不可に

Fire OSはAndroidのフォークであるため、Play StoreのApkファイルを用いてFire OS搭載デバイスにインストールすることが可能である。しかしGoogleからの認証を受けていないデバイスのGoogleサービス又はアプリの利用ができなくなるこどが確認されており、Play Store内の設定から端末の認証に認証されていませんと表示されGoogleサービスアプリへのアクセスがブロックされることが確認されている。[29]

Youtube 問題

Fireタブレット 、Fire TVには、Youtube.comにリダイレクトして観られるアプリがあるがGoogleがFireからの視聴を不可にすると発表した。 Googleの広報は「双方の製品やサービスを消費者が利用できるように、Amazonと合意に至るための努力をしてきた」と述べ、「Amazonは、ChromecastなどのGoogle製品を取り扱わず、Chromecastユーザーに対してプライムビデオを視聴可能とせず、11月にはNestの一部の最新製品の販売を停止した。これだけ相互関係が失われてしまっていることから、YouTubeをEchoとFire TV上でこれ以上提供することはできない。これらの問題を解決するための合意に早く達することができればと願っている」と述べている。 [30]

関連リンク

  • Nokia X software platform―Nokiaによる同様のフォーク
  • Tizen―オプションのandroidランタイムを備えたLinuxベースのOS
  • Sailfish OS―Androidランタイムを含む JollaによるLinuxベースのモバイルOS。
  • BlackBerry 10BlackBerryによるQNXベースのモバイルOS、androidランタイムを備えAmazon Appstoreがプリインストールされている。

参考文献

  1. Android Code Analysis”. . June 6, 2012閲覧.
  2. Philosophy and Goals”. Android Open Source Project. Google. . April 21, 2012閲覧.
  3. Google’s iron grip on Android: Controlling open source by any means necessary”. Ars Technica. . December 8, 2013閲覧.
  4. libc - platform/bionic - Git at Google”. . 2018-2-3閲覧.
  5. master - platform/external/mksh - Git at Google”. . 2018-2-3閲覧.
  6. toolbox - platform/system/core - Git at Google”. 2014年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2018-2-3閲覧.
  7. Licenses”. Android Open Source Project.. Open Handset Alliance. . September 9, 2012閲覧. “The preferred license for the Android Open Source Project is the Apache Software License, 2.0. ... Why Apache Software License? ... For userspace (that is, non-kernel) software, we do in fact prefer ASL2.0 (and similar licenses like BSD, MIT, etc.) over other licenses such as LGPL. Android is about freedom and choice. The purpose of Android is promote openness in the mobile world, but we don't believe it's possible to predict or dictate all the uses to which people will want to put our software. So, while we encourage everyone to make devices that are open and modifiable, we don't believe it is our place to force them to do so. Using LGPL libraries would often force them to do so.
  8. Hollister, Sean (2011年9月28日). “Amazon’s Kindle Fire UI: it’s Android, but not quite”. This Is My Next. http://www.theverge.com/2011/9/28/2457111/amazons-kindle-fire-ui-its-android-but-not-quite 
  9. Amazon confirms Kindle Fire HD models use Android 4.0 under the hood”. Engadget. . December 13, 2013閲覧.
  10. Kindle Fire Device and Feature Specifications”. Amazon developer portal. Amazon.com Inc.. . December 18, 2013閲覧.
  11. Updating Your App for Fire OS 4 - Amazon Apps & Services Developer Portal”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  12. What's new with Amazon's Fire OS 4.0 "Sangria"?”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  13. Adrian Kingsley-Hughes. “Amazon begins rollout of Fire OS 4.5.1”. ZDNet. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  14. Amazon.com Help: Fire HD 6 (4th Generation) Software Updates”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  15. Publish to Fire OS 5”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  16. Amazon Kindle Fire HDX 7 review”. TechRadar. . December 13, 2013閲覧.
  17. Kevin Parrish. “Amazon Reveals Kindle Fire HDX Tablets, Fire OS 3.0 Mojito”. Tom's Hardware. . September 25, 2013閲覧.
  18. Amazon Kindle Fire OS 3.0 Mojito: What is it and is it coming to my tablet?”. Pocket-lint. . December 2, 2013閲覧.
  19. Hands On With Amazon Kindle FreeTime”. PC Magazine. . December 13, 2013閲覧.
  20. What’s new in Amazon Fire OS 5 Bellini?”. . 28 January 2016閲覧.
  21. Amazon's Fire HD 10 tablet a rare misfire for company”. . 28 January 2016閲覧.
  22. Feature-stuffed Fire OS update makes Amazon's tablets even more kid-friendly”. . 28 January 2016閲覧.
  23. Amazon quietly disabled encryption in the latest version of Fire OS”. . 29 March 2016閲覧.
  24. Amazon pledges to bring device encryption back to Fire OS this spring”. . 29 March 2016閲覧.
  25. Segan, Sascha (2013年12月). “How To Run Free Android Apps On the Kindle Fire”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  26. What’s new in Amazon Fire OS 5 Bellini? - Pocket-lint”. . 2016閲覧.
  27. Amazon.com: Customer Discussions: Fire OS 5.1.1 Available for Download”. . 2016閲覧.
  28. fire os 6 docs
  29. Google未認証のAndroid端末でGoogle純正アプリが使えなくなる予定
  30. グーグル、アマゾン「Fire TV」「Echo Show」上でYouTubeを提供停止に

外部リンク