Linuxカーネル
Linuxカーネルは、Unix系オペレーティングシステムであるLinuxのカーネル。リーナス・トーバルズによって開発が開始された。
ライセンスにGPL(バージョン2)を採用する自由なソフトウェアである。
通常、Linuxカーネルと言えばリーナスが公開している公式版のカーネルを指すが、Linuxディストリビューションで使用されているカーネルは、公式版カーネルにベンダーが独自の修正や変更を加えたものであることが多い。Androidで使用されているカーネルもそのひとつである。このような非公式のカーネルは、ベンダーがサポートすべきものとして、Linux Kernel Mailing List などでは基本的に対象外となっている。
開発の初期には、MINIXを参考としており、影響を受けてもいるが、MINIXのコードは使用せず、ゼロから書かれた(IBM PCを端末エミュレータとして動かすためのコードから成長させたものと言われている)。
GPLを採用したことがLinuxを共有の物として開発することを推進させた、とされている。また、Linuxの開発とインターネットの発展が時期的に一致したことも、Linuxの開発コミュニティ形成に寄与した。
また、開発に際して、よりオープンな開発体制をとり、現在バザール方式と呼ばれている、誰でもLinux Kernel Mailing Listへのバグ報告や修正、機能拡張パッチを公開でき、その中から最終的にリーナスと彼が任命したメインテナーがコーディネータとなって、公式版のLinuxカーネルの質を保っている。
Contents
対応アーキテクチャ
Linuxカーネルは各種命令セット (ISA) に対応している。各アーキテクチャで共有されているコードが多いため、CPUに依存した部分を変更すれば移植できるようになっている。
公式サポート
バージョン4.17現在。
非公式サポート
サポート終了
- バージョン2.6.26まで
- Sun-4
- バージョン3.4まで
- SPARCstation/SPARCserver series
- バージョン3.7まで
- x86 (i386)
- バージョン4.11まで
- バージョン4.16まで
出典
関連項目
- Linux-libre - Linuxカーネルからバイナリ・ブロブを取り除いたカーネル。
- Native POSIX Thread Library
- Cooperative Linux - coLinuxとも呼ばれる。Windows上でLinuxカーネルが動作するようにしたもの。
- ローダブル・カーネル・モジュール (LKM)
- vmlinux - カーネル本体のコードを含む「カーネルイメージ」と呼ばれる特殊なファイル(その特殊性により、単なる実行ファイルではない)の慣習的な名前