国策会社
国策会社(こくさくかいしゃ)とは、日清戦争以降第二次世界大戦の終結までに設立された、日本の国家的発展を遂行する目的を有し、かつ政府の強い統制下にあった特殊会社の一群を指すものである。
概要
国家の保護または支配のもとに特権を与えられ、特別法に基づいて設立された半官半民の会社を「特殊会社」というが、1931年(昭和6年)に起きた満洲事変以後に設立された会社の大部分は「国策会社」と呼ばれた。これら「国策会社」は、日本の帝国主義的発展を遂行する目的を有し、南満洲鉄道(満鉄)のように明治時代にすでに創設されていたものもあるが、満洲事変後その設立は急増した。代表的な国策会社として、南満洲鉄道、東洋拓殖、台湾拓殖、北支那開発等があげられる。 これら国策会社の特色は、国家権力による手厚い保護を受けると同時に統制下にある形態のもと、一定地域の一定業種を完全に独占掌握していたことである。そして経済開発の名のもとに、、それと同時に欧米列強国に比べて劣勢な日本の私的資本を補完するという役割を果たした[1]。例えば、台湾拓殖株式会社について見ると、同社による他企業への投資は終戦時には40社あまりにのぼり、投資総額は5億円を超えていた。投資の過半数は島内の重化学工業すなわち当時の主要な軍事産業に集中しており当局の政策に協力した色彩がきわめて強かった[2]。
この頃の時代背景は、大東亜戦争が戦われており、大東亜会議の開催や大東亜共同宣言の発表などがなされていた。欧米列強がアジアを植民地支配していったことに対して、日本がアジアと連携し、欧米政府らの植民地主義や軍事的支配から防衛するという趣旨の宣言である。
1945年に日本が第二次世界大戦で敗戦し、その際の条件となったポツダム宣言で日本がすべての海外領土から撤退することとなり、外地にあった特殊会社は全て閉鎖機関に指定され、解散させられた。