メルクセローノ

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メルクセローノ (Merck Serono、北米における企業名は EMDセローノ、EMD Serono、イー・エム・ディ・セローノ)は、スイスジュネーヴを本拠とする製薬会社である。

ドイツの化学・製薬企業であるメルク(Merck KGaA)の医薬事業と、スイスの製薬会社・セローノの統合によって、2007年に設立された。不妊症神経変性疾患などを主な治療分野とする。

概要

沿革

ファイル:01337LOW HQ MERCK SERONO.jpg
メルクセローノ本社
(スイス・ジュネーブ)

メルク(Merck KGaA)は2006年9月、スイスのバイオ企業大手・セローノ(Serono)社の株式の過半を、同社の所有者であったスイスの実業家、エルネスト・ベルタレッリ(Ernesto Bertarelli)、及びベルタレッリ家から取得する方針を表明した。

翌2007年1月の時点で、メルクはセローノ社の株式の過半を取得、同社を吸収合併して新会社「Merck Serono International S.A.」を設立した。名称については、米国メルク(Merck & Co.)が「メルク」の使用権を有する北米アメリカ合衆国カナダ)においてのみは、「EMDセローノ (イー・エム・ディー・セローノ)」として事業を行っている。

薬剤製品

メルクセローノが取り扱っている薬剤には、アービタックス(セツキシマブ)、UFT、レビフ(IFN-β1)、ノバントロン(ミトキサントロン)、ゴナール(ゴナールエフ、遺伝子組換えヒトFSH)、Ovidrel/Ovitrelle (hCG)、セロフェン(クエン酸クロミフェン、排卵誘発剤)、Zorbtive(短腸症候群治療薬)、Luveris (LH)、サイゼン(遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン製剤)、セロスティム(遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン製剤、HIV消耗性症候群治療薬)、グルコファージ(メトフォルミン)、Concor、Euthyrox(合成サイロキシン)、ラプティバ(efalizumab、乾癬治療薬)、シアノキット(シアン中毒治療薬)などがある。

これら薬剤のうち、低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症治療剤「ゴナールエフ」、下垂体性小人症治療剤「サイゼン」などは、旧セローノ社が保有していた製品である[1]

日本での事業

メルクセローノの日本法人は、2007年平成19年)10月1日に設立されたメルクセローノ株式会社(東京都目黒区下目黒)である。メルクセローノ株式会社は、セローノ社の日本法人として1976年昭和51年)から事業を行っていたセローノ・ジャパン株式会社に、メルク株式会社の医療用医薬品事業部を分離・統合することによって設立された。

初代社長には、それまでメルク(Merck KGaA)でオンコロジー部門のアジア太平洋地域責任者を務めていたウェイン・パタソンが就任した[1]。設立時の体制は社員数200人、MR80人であり[1]、本社オフィスは旧セローノ・ジャパンの所在地(目黒区下目黒、最寄駅: 目黒駅)が引き継がれた。

日本市場においては主に、「癌」、「不妊症」、「内分泌代謝」の3領域における治療薬の開発・販売を行っており[2]、設立翌年の2008年平成20年)9月には、大腸癌治療のための分子標的薬「アービタックス」を日本市場で発売している。

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 「メルクセローノ」が設立‐「アービタックス」で抗癌剤市場に参入へ 『薬事日報』 2007年10月3日、2011(平成23)年10月24日閲覧
  2. メルクセローノ株式会社 Merck KGaA、2011年10月24日更新版、2011(平成23)年12月6日閲覧

外部リンク