メガトロン (トランスフォーマー)
メガトロン(Megatron)は、タカラ(現:タカラトミー)のロボット玩具シリーズ『トランスフォーマー』に登場する架空のキャラクター。デストロン(Decepticons)軍のリーダーとして数々のシリーズでその名が使用される。本項では多くのシリーズでその強化形態として使用される名であるガルバトロン (Galvatron)についても記述する。
Contents
破壊大帝メガトロン/ガルバトロン(G1)
能力、性格
破壊大帝を名乗るデストロン統率者。一人称は主に「ワシ」(「余」、「俺」と言う場合もある)。声は英語版をフランク・ウェルカー、日本語版を加藤精三が担当した。なお『ザ・ムービー』のガルバトロンはレナード・ニモイが声を担当した。『BWメタルス』に記録映像として登場した際の声は英語版がゲイリー・チョーク、日本語版が高木渉である。
メガトロン
『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場。
地球においてはワルサーP38に変形。変形後は攻撃力が向上するようだが射手を必要とし[1]、サウンドウェーブ/SoundWaveかスタースクリームがその役を担うことが多い。
自動車や飛行機などではなく拳銃に変形するため、変形すると機動力がほとんどなくなってしまう。スタースクリームの胴体にぶら下げられて移動するシーンも見られた(コレクション版スタースクリームに、これを再現するセットが付属)。
知力、体力、狡猾さを駆使し、荒くれ者揃いの軍事トランスフォーマー「デストロン」を一つにまとめあげ、宇宙支配の野望を成就すべく精力的に活動を行っている。名前(mega「100万倍」+「TRON」)通り作戦立案、その実行、兵器開発など、あらゆる分野に精通している。宇宙支配の目的は、テックスペックにて書かれた座右の銘「圧制を通じての平和を(Peace through tyranny)」から、自由を封殺した上での平和創造であることがわかる。
軍団運営は軍事執行体制であり、そのために不満分子も少なからず存在する。しかし、それすら許容する器の大きさを持ち、スタースクリームにいたっては数え切れないほどの裏切りを重ねているにもかかわらず命を奪わないどころか、降格させるようなことさえもしていない[2]。第39話「トリプル・チェンジャーの反乱」では、彼が行動不能になっている隙に、トリプルチェンジャーの二人やビルドロンが一斉に我こそはとリーダーに名乗り出たが、メガトロンは全員を叩きのめした上で、彼らの裏切りを大目に見ている。このように下克上に対しては「できるものならやってみろ」と言わんばかりであるが、利敵行為に対しては厳しく、敵味方問わずに治療をしていたグリットの医師生命を絶とうとしたこともある。しかし、部下の不平不満を認めない[3]以外には、基本的に身内のやることには寛容といえるだろう。
テックスペックでも弱点が不明とされており、一見、敵対組織であるサイバトロンの勝ち目は薄いようだが、彼の立てた如何なる磐石な計画も、サイバトロン総司令官コンボイ/OptimusPrimeにより歯車が狂い始める。このコンボイとの相性の悪さこそメガトロン最大の弱点である。また、副官であるスタースクリームの忠告をそれが正しいものである場合でも軽視したり、彼の反逆を招いたりしたことによって失敗することも多い。作戦の準備段階ではテストを入念に繰り返す場面も多く慎重さを見せるものの、予想された通りの結果が得られると調子に乗ってしまい、途中で発覚した問題点をコンボイやスタースクリームに指摘されても中々本気にしない傾向が見られる。さらに、あらゆる分野に精通したリーダーという性質は、デストロン兵士達に、戦闘や諜報活動以外ではメガトロンに大きく依存をするようになってしまい、メガトロンの身に何かあると、彼らは何をしていいのかわからなくなってしまうという問題を生み出した。絶対君主であるがゆえに、それが裏目に出ることもメガトロンの弱点といえよう。
歴代のデストロンのリーダーの中では、利害の一致した局面で比較的サイバトロンと手を組む場面が多い。共通のピンチに直面した時、拳銃形態の引金をコンボイに託すことも数度あった(マスターピース版コンボイに、これを再現するセットが付属)。
ガルバトロン
『ザ・ムービー』、『2010』、『ザ☆ヘッドマスターズ』、『ザ・リバース』、『トランスフォーマー キスぷれ』、『トランスフォーマー/ロストエイジ』に登場。
『ムービー』において負傷したメガトロンがユニクロンによって再生された姿。SFレーザー砲台に変形。その破壊力はフルパワーの状態で惑星一つを粉砕するほど。名は「ボス、リーダー」の意味を持つ単語galvaとTRONから(『2010』のDVDのブックレットのキャラクター紹介では、「“galvanize(電流を受けた、活気づいた)”+“メガトロン”」と解説されている)。
『ムービー』にてロディマスコンボイ/RodimusPrimeによって投げ飛ばされ、惑星スラルの溶岩の中で休眠していた。自身を再生させたユニクロン/Unicronの呪縛による後遺症で頭脳回路が損傷、精神に異常をきたしており、時折奇抜な言動を取るようになるばかりか、味方すら攻撃するほどの凶暴性を持つ暴君である。この変貌ぶりに落胆し、デストロンを脱退する兵士も現れるほど。とはいえ、落ちぶれたデストロンを見事に再興させた。
乱暴で味方まで攻撃することがあるが、ユニクロン戦争以前から仕えている部下との行動やコンボイが復活した際などにおいては冷静な対応を取っており、特に『2010』最終話「コンボイの復活 Part II」では、宇宙ペストを根絶させたコンボイに対し握手を求めている。
『リバース』、『ザ☆ヘッドマスターズ』以降では、幾らか理性が戻ったのか、作戦や計画を立てるようになる。また、情緒も回復したようで、『ザ☆ヘッドマスターズ』では、サウンドウェーブが戦死した際には泣き崩れ、慟哭しているが、有機生物を蔑む傾向は変わらず、『リバース』では、ネビュロン人をパートナーにした部下達を、「お前たちはいったい何を考えているのか」と叱責していた。
チャーによると、「1週間のうち4日活動し3日休む」らしい。
時系列的に『ムービー』と『2010』の間に位置する本作品では、ロディマスによってユニクロンからスラルへ向けて投げ飛ばされたガルバトロンが、実は東京に墜落していたという様子が描かれた(実は、これはユニクロンの使徒達の陰謀であり、本来の軌道を変えられていた)。同作のラストで改めて宇宙に飛ばされ、スラルに到達した経緯が描かれた。
『キスぷれ』では体内に、劇中で「ガルバトロン細胞」と呼ばれる細胞を有する設定が付加され、他の物体に融合させ新たな生命体として活動させたり、生命体に特殊な能力を発動させる力を持つとされている。また、取り付いた者の精神に破壊衝動をもたらす特徴も持ち、ガルバトロン自身(元のメガトロンの自意識)もその効果に苛まれていたという見方もできる。これは彼をガルバトロンとして再生させたユニクロンの細胞の特徴を受継いだ物であるという。ユニクロン細胞は、G1とはパラレルワールドである『マイクロン伝説』や『スーパーリンク』で初登場した要素だが、G1も含め、いずれの作品に登場するユニクロンも時空を超えて存在する同一人物であると解釈されていることから、この設定が成立するのである。
なお、ガルバトロン細胞から大量な数が発生したトランスフォーマー「レギオン」は、頭部がメガトロンに酷似しており、さながら量産型メガトロンといった趣を有している。ただし、メガトロンのような知性や自我は存在しない模様。生身の人間やTFを侵食・融合したり、捕食することもある。首から下はバイナルテック/ALTERNATORS版オーバードライブやディセプティチャージと同じホンダ・S2000タイプのBTボディに酷似しているが、なぜこのような状態で生成されたのかは不明。また、車両形態のフロント外観も実車のS2000にはない独特の形状を有しており、謎の多い存在である。
- 日本版のその後
『ザ☆ヘッドマスターズ』にて、地球をボディーにするグランドガルバトロン計画を企てる。だが、サイバトロン戦士達の手によって妨害され、ヘッドマスターの攻撃を受け氷山に消え消息不明となった。1人称は「俺」と言うことが多くなった。
- 海外版のその後
『ザ・リバース』にてセイバートロン星に眠るプラズマエネルギーを利用して、サイバトロン壊滅を企むが失敗。手を結んだネビュロン人のロード・ザラクと共に再び宇宙に放逐される。
生い立ち
- メガトロン
メガトロンは、サイバトロンとデストロンとの戦争が勃発して間もない980万年前、リージ・マキシモの手によって誕生した(コンボイがそうであったように、素質のある誰かを改造した可能性もある)。その頃のデストロンにはまともな指揮系統や支配体制が存在しておらず、各地のデストロンが散発的に戦闘している状態であった。メガトロンは各地のデストロンを力で支配し、さらに洗脳マシン「ロボ・スマッシャー」などを駆使しこの問題を解決、統率の取れた「デストロン軍団」を作り上げ、サイバトロン制圧に乗り出した。
マーベルコミックではアニメとは異なり自身と対立するレーザーウェーブの送り込んだアニマトロンに殺害され、一度はレーザーウェーブに実権を奪われる。しかし、後に復活を果たす。
- ガルバトロン
ザ・ムービーにてガルバトロンとして復活を遂げた。
コンボイとの激戦の末負傷したメガトロンはスタースクリームの手で宇宙に放逐されてしまう。だがユニクロンの手でさらなる攻撃力を持った姿、ガルバトロンとして復活した。同様に放逐された兵士達も新たな部下として再生。デストロンの新たな指導者として戴冠式を行っていたスタースクリームを瞬殺、リーダーの座に復帰する。
その後の顛末
- 日本独自展開『リターンオブコンボイ』
デストロン新大帝ダークノヴァによってガルバトロンは発見され、銃型戦闘機「ガンジェット」に変形するスーパーメガトロンとして復活する。時同じくして復活したかつてのライバル、コンボイと死闘を演じた。人間を食べることでパワーアップする能力を持ち、「悪」としての存在感を高めているが、額に「SM」の刻印があることがしばしばネタにされている。後にさらなる強化改造がなされ、飛行重戦車に変形するウルトラメガトロンとなった。
玩具は未発売。
- 『G-2』
闘いの後遺症により悪の心を失ったメガトロンはコンボイと和平を結び、永きに亘るサイバトロンとデストロンとの戦いに終止符を打った。しかし、平和の使者として送った部下が地球人によって殺害されたことを知り、憤慨したメガトロンは「ロボット生命体以外の生物はすべて宇宙にとって悪になる」とし、再び地球侵略を目指す。
玩具は米国における銃規制が厳しくなったため、拳銃から戦車にモチーフが変更。新開発の関節によりアクションフィギアの側面も強調されたフル可動する逸品である。
また、この時期以後、セイバートロン時代のメガトロンも戦車に変形していたという設定になる。
これは後にカラーリングなどを変更したものがブラジオンとして販売され、その後、『ロボットマスターズ』で大幅な改修(頭とエンブレムをコンボイからメガトロンに変えることができるシステム)が行われリバースコンボイ/メガトロンとして販売された。
武装・能力
- 融合カノン砲(Nuclear Charged Fusion Cannon) / SFガン
- 右腕に装着されているレーザー砲で、メガトロンの主力兵器である。
- 玩具における設定であるテックスペックでは「ブラックホールを作り出し反物質を引き出す」とあり、群を抜く破壊力の恐ろしさが強調されている。ブラックホール作成は次元の狭間に連結することで行われる。ブラックホールを利用した反物質生成メカニズムは詳細不明。生成された反物質の利用法も詳細不明だが、他の武装の反物質利用のエピソードとしては反物質エネルゴンキューブを取り込むことによってメガトロンが変形した拳銃から発射されるレーザーが強化される話がある。
- 威力はエネルギーの消耗の度合いや精神状況によって大差が出るらしく、調子の良い時には一撃で厚い岩盤を消し飛ばし、デバスターやガーディアンなどの合体戦士を戦闘不能に陥れるほどの打撃力を発揮する。逆に彼が慌てたりすると威力が大幅に低下するようであり、恐竜相手に大したダメージを与えられなかったこともある。『ムービー』ではシャトルを襲撃した際にサイバトロンを次々と機能停止に追いやっている。また、カノン砲の上部に四角い紫色のバリアーを張って攻撃を防いだり、発射口にレンズを展開して塞いだ状態で、レンズからコンピューターのプログラムを書き換える光線を発射したりできる。
- ガルバトロンも砲身はSFガンとして右腕に装備されており、アニメでもスラルという1つの星を壊滅寸前に追い込み、メガトロンにも劣らぬ威力のほどを見せ付けた。また、SFガンから発射されるレーザーをロケット噴射のように使用し、飛行スピードを速めることが可能。
- ビーム砲
- 背中に搭載されたビーム砲で、ガンモードでの砲身に当たる。前面を向くと右脇腹に移動する。玩具では右脇腹で固定。
- エナジーフレイル(「エナジーメイス」とする文献もある)
- 丸ノコギリ
- 左手を収納して発射する。初代『トランスフォーマー』第4話で使用。
- レーザー砲
- 左手を変化させたもの。初代『トランスフォーマー』第4話で使用。
- データ探知機能
- 左手を機械に当ててデータの送信先を察知する。初代『トランスフォーマー』第5話で使用。
- 胸部ハッチ
- 左右に一対存在し、エネルゴンキューブを搭載できる。初代『トランスフォーマー』第5話で展開していた。
- ビームガン
- エレクトロメスをも消し去るビームを発射する。初代『トランスフォーマー』第17話で使用。
- 電磁パルス
- 右手から発生させる。コンボイの胸部にこれを浴びせて機能停止させた。初代『トランスフォーマー』第23話で使用。
- ビーム発射機能
- 両目から紫色のビームを放つ。初代『トランスフォーマー』第65話で使用。
- レーザーダガー
- 紫色のエナジーを発する短剣。『トランスフォーマー ザ・ムービー』にてコンボイとの一騎討ちの際に使用。コンボイの身体を切りつけた。地面から拾い上げていたため、メガトロン本人のものかは不明。
- 玩具では『マスターピース』に付属。
- ブラスター
- 小銃。『トランスフォーマー ザ・ムービー』にてコンボイとの一騎討ちの際に使用。コンボイに追い詰められた際、ホットロディマスを盾にして目の前にあったのを拾いコンボイに致命傷を負わせた。
- 玩具では『マスターピース』に付属。
玩具
- メガトロン
ニューミクロマンのガンロボの流用品で、さらに元となった拳銃は1960年代のドラマ、0011ナポレオン・ソロに出てきた特別仕様のワルサーP38。TFでは1985年6月に「16」のナンバーを与えられて発売されたが、身体のメッキ部分がアニメに準じた灰色、腕足の裏が赤から青になりスコープ(融合カノン砲に当たる部分)とアンクルパーツ・サイレンサーが削除され、代わりに「エレクトロンソード」が付属。他にコンボイとのセットである「VSX」が10月に発売された。
1986年11月頃のスタースクリーム、デストロン集合ポスターとセット販売である「グッドバイメガトロン」ではスコープのみ付属していた。アメリカでは1988年頃に通販限定で再発売。
2001年3月に「メガトロン 完全版」として海外版のボディに、スコープなどのパーツが完備されたものが「16-S」のナンバーを与えられて復刻。2003年1月にはe-hobbySHOP限定仕様でメガプレックス/Megaplex(マシンウォーズに登場した、メガトロンの影武者として造られたクローン)としても販売。
2002年12月『トランスフォーマー コレクション6』ではさらに「エナジーメイス」、「デストロンステッカー」、「特製マウスパッド」が付属。
2007年8月には完全版が『トランスフォーマー アンコール』にて「02」のナンバーを与えられ幾度となく再発売されている。
玩具ではアンクルパーツとサイレンサーを組み合わせて大砲にできる(アニメでは使用しておらず、変形する際にパーツが発生する)。
- ガルバトロン
玩具は新規開発されたものだが、ハスブロ社における基本デザインを、アニメスタッフとタカラの玩具製作陣が別個にアレンジして製作したため、デザインにかなりの違いがある。日本では86年に「D-62」のナンバーを与えられて発売。2005年12月には「D-62-S」としてアニメ版のカラーに準拠した復刻版が発売され、音声機構が搭載された。開発担当は大野光仁[4]。
ザ・ムービーが公開されるまではメガトロンとガルバトロンが同一人物であるという情報を伏せていたので、肩書を要塞参謀(海外版ではCity Commander)として販売されたことでも知られる。いくつかのCMでもウルトラマグナスのライバルのような扱いをされていた。e-hobby限定で販売されたガルバトロンIIにおいては、ユニクロンによって召喚された平行世界のガルバトロンという設定になっており肩書もシティコマンダーとされた。
(ビースト)メガトロン
『ビーストウォーズ』、『ビーストウォーズメタルス』、『ビーストウォーズリターンズ』、『ビーストウォーズリボーン』、そして『ロボットマスターズ』に登場するデストロン/Predaconsの指導者(しかし、あくまで自身が集めた一部のメンバーの中の指導者であって、デストロンの上層部からは反逆者と見なされる)。
声を担当したのは英語版がデビッド・ケイ、日本語版が千葉繁。また『ロボットマスターズ』では髙階俊嗣が声を担当。ビーストコンボイ同様、他作品のメガトロンとの区別としてビーストメガトロンと呼ばれている。海外版では「Yes」を伸ばして言う癖が特徴的で、日本語版では千葉のアドリブによる脚色で有名。
初代メガトロンの後継者を自称し、デストロンがサイバトロンと共存して平和に運営されているセイバートロン星の現状に不満を訴え、急進派として活動する。エネルギー確保を口実に同志を募り、サイバトロンによって保管されていたゴールデンディスクと戦艦を強奪した。この急進的な行動はサイバトロンだけでなくデストロンにも危険視され、反逆者扱いとなっている。ゴールデンディスクには膨大なエネルゴンが太古の地球に存在していたこと、テクノロジーの進歩で時間転移が可能となったら過去に戻り休眠状態の初代コンボイを破壊せよという初代メガトロンのメッセージが記録されており、ビーストメガトロンはエネルゴンを手中にし初代コンボイの破壊を実行に移すための時間転移によって、初代メガトロンらデストロンとサイバトロンの祖先達が休眠状態の太古の地球に向かった。性格はお茶目さもあるが基本的に沈着冷静かつ残忍。奸智に満ちた数々の作戦は初代メガトロンに劣らない。
エイリアン/Vokの太古の地球に対する関与を察知。その遺跡を最大限利用するなど、科学技術にも精通している。ライバルであるビーストコンボイ/OptimusPrimal謀殺の際、エイリアン因子を含んだエネルギー波、クォンタムサージを浴び、強化装甲の機械的な外見を持つトランスメタルスに進化、タービンを搭載したメタルスメガトロン/Megatronとなる。その後、ビーストコンボイのパワーアップに対抗すべく、初代メガトロンのスパークとの融合を試み、予想外のアクシデントが重なったこともあってドラゴンメガトロン/Megatronにパワーアップした。
ビーストメガトロンは基本的に初代メガトロンが残したメッセージを忠実に実行し、最終的に彼らの乗っていたデストロンが誇った最強の戦艦ネメシスを再起動するが敗北した。だが、セイバートロン星に護送される時空間移動中に逃亡し、ビーストコンボイらよりも先にセイバートロンに到着し、機械化ウイルスの散布により星を制圧、デストロンを含んだ星の全てのトランスフォーマーのスパークを抜き取った後にボディを単なるロボットに作り変えてヴィーコン/Vhieconsを名乗り、有機生命及び全てのトランスフォーマーの自由意志を剥奪することで、機械生命による一つの意思で全てが統一される「争いの無い世界」の実現を企む。皮肉を込めて最終決戦でパワードコンボイを模した姿で一騎討ちをするが、激闘の末、二人とも消滅した。
その後『ギャラクシーフォース』の世界でビーストコンボイと共に復活させられる。記憶を奪われ最初はビーストコンボイと共に神殿を調査するものの神殿の力に魅了され再び対立する。終盤、聖刻によって新たなボディへとリフォーマットされる。
『ビーストウォーズ』ではティラノサウルスに変形。これの縮小版とでも言うべき玩具は『ロボットマスターズ』で出ている。
『メタルス』では機械的な外見を持ったティラノサウルスに変形する。また、ドラゴンメガトロンは赤い竜に変形する。
『リターンズ』ではメカプローブに覆われたミノムシのような姿になっている。アニメではドラゴンメガトロンのビーストモードに変形可能だが、玩具はサイズが縮小された新規に製作されたもの。
終盤に登場した顔型戦艦はアニメでは変形しないが、玩具ではロボットモードを持ち、なおかつ顔型戦艦は走らせると足が連動して動くギミックを持つ。
『リボーン』では終盤、聖刻によって最初の姿を思わせるメカティラノサウルスに変形する。当時は玩具が発売されず別シリーズの『トランスフォーマー ユナイテッド』で発売された。
マイクロン三部作(ユニクロン三部作)のメガトロン/ガルバトロン
海外と共同で製作された『マイクロン伝説/Armada』に始まるマイクロン三部作[5][6](主に海外ではユニクロン三部作[7] )でのデストロン破壊大帝について記述する。なお、英語版の声優は基本的に3作通してデビッド・ケイだが、『Energon』の第14話ではリチャード・ニューマンが、『Cybertron』の第1話ではトレバー・デュバルが担当している。
マイクロン伝説
メガトロン/Megatronは宇宙征服を企む、全デストロンの指導者である。日本版の声は梁田清之。
武人、軍人としての傾向が強く、戦闘行為自体を好んでいる。『G-2』に登場したメガトロンと同様、戦車に変形。
部下のショックウェーブ/TidalWaveと合体し、史上初の合体破壊大帝バーニングメガトロンとして活躍する(ただし厳密には、それ以前に日本のコミック版『V』においてデスザラスが武装兵士キングソロンと合体した「最強破壊大帝キングザラス」が登場している)。その後、とある星でユニクロンの眷属、スカージ/NemesisPrimeに襲われていたところ、マイクロンによりエネルギーが注入されたため、メガトロンスーパーモード/Galvatronとして復活。
終盤、ユニクロン内部にて、戦争は彼が引き起こしたものであると聞かされ激怒。武人としてのプライドから戦争は己の意志であったことを強調し、積年のライバル、(アルマダ)コンボイ/OptimusPrimeに一騎討ちを申し込む。激戦の末、ユニクロンに飲みこまれて消息不明となる。
唯一、コンボイと和解して死んだメガトロンであったが、『スーパーリンク』でガルバトロンとして復活した彼は、そのことをすっかり忘れている。
頭部の形状がクワガタムシを想起させるものであったため、劇中では「クワガタ頭」、さらに変形形態と引っ掛けて「クワガタンク」等のあだ名をつけられていた。
他のシリーズのメガトロンと区別するため、海外でのタイトルを引用して「アルマダメガトロン」と呼ばれる事が、『トランスフォーマー レジェンズ』で判明している。
スーパーリンク
ガルバトロン/Megatronは前作でユニクロンに取り込まれたメガトロンがエネルゴンの力により復活した姿である。日本版の声は遠藤純一。
破壊大帝の中では珍しいガンシップ形態に変形。前作同様に宇宙征服を企むが、性格はG1のガルバトロンと同様に凶暴さが増している。部下には絶対服従を誓わせ、敵対しているアルファQ/Alpha Quintessonの部下であったメガザラック/Scorponokには常にその力で服従を強要し、ナイトスクリーム/NightScreamを洗脳するなどの暴君振りであるが、元々忠実な部下であったアイアンハイド/Demolisherの死にはショックを受けるなどの人情味も併せ持つ。
意志を失ったユニクロンを戦力とするべく復活させようとした。内部に潜入したサイバトロンの艦船を変形で押し潰そうとし、遂にはユニクロンを再起動させ、サイバトロンの艦船に体当たりを企てる。反逆を企てたレーザーウェーブ/ShockBlastの暴動行為にも動じず、ユニクロンを再始動させ叩き潰すなど、ユニクロンを手足のように扱っていた。
だが、『ザ・ムービー』のガルバトロンと同様、復活したユニクロンの意思に乗っ取られてしまい、オメガコンボイのユニクロン爆破により解放されるも、その残滓は常に彼に影響を与えていた。
メガザラックやナイトスクリームと共にセイバートロン星を併合、深部のスーパーエネルゴンに飛び込み、ガルバトロンG(ジェネラル)/Galvatronにパワーアップする。
さらにレーザーウェーブの弟、シックスショット/SixShotが反逆した際にスーパーエネルゴンを再び浴びて巨大化、シックスショットを踏み潰して抹殺したがユニクロンの意志に完全に捕らわれて狂気の破壊兵器と化してしまう。
同じく巨大化したオメガコンボイとの激戦後、ユニクロンの魂を自分の中に封じ込めた後、忠実な部下であるナイトスクリームR/Energon StarScream、ショックフリート/Mirageと共に太陽に特攻して消滅した。
なお、玩具は海外版をサイズダウンして新規に開発されたものが発売された。
ギャラクシーフォース
海外との販売広報戦略の違いにより、設定が異なっている。海外版では『マイクロン伝説』のメガトロン及び『スーパーリンク』のガルバトロンと同一人物である。日本版の声は中田譲治。
マスターメガトロン/Megatronは、この世界では少数派のデストロンを率いる破壊大帝である。燃え盛る地獄のような世界、ファイヤースペースを拠点とし(前作での太陽)、自在に時空転移し攻撃を仕掛ける。その強さはライバルのギャラクシーコンボイ/OptimusPrimeが全く太刀打ち出来ないほどであった。
オリジナルデザインのジェット機とレーシングカーに変形。各惑星を回るごとにデスクロー、デスマシンガンなどの武装、闇から生まれた戦士で合体可能なダークライガージャック/NemesisBreakerを手に入れさらに強さを増していった。
性格はこれまでの作品に登場したメガトロンと比較すると冷徹非情で仲間が傷付いても何とも思わないなど残虐性の強い、非情な性格となっている。そのため、スタースクリームどころか最終的には全ての部下から見放されてしまうこととなる。
メガロコンボイ/MetroPlexに撃破されたが、惑星ギガロニアのプラネットフォースのエネルギーを吸収し、マスターガルバトロン/Galvatronとして復活。あまりの強さに大半のサイバトロン戦士が血祭りに上げられた。最終決戦では新たな必殺技としてデスキャノンを使用(玩具の説明書にも書かれていない技であるが玩具での再現は可能)。
プラネットフォースとグランドブラックホールを巡る最終決戦の後、自らの戦いに決着をつけるべくギャラクシーコンボイに一騎討ちを挑みベクタープライム/VectorPrimeの遺物である剣(ベクターソード)により粉砕され、消滅した。
また、マスターメガトロンの両腕にはユニクロンの意匠が見られるが、これは海外版でのユニクロンのエネルギーを取り込んで復活したという設定に由来する。
(ビースト)ガルバトロン
『ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー』に登場するデストロン機甲部隊のリーダー。変形形態はドリルタンク、ドラゴン。劇的な変形と薄めの紫を基調としたカラーリングは嘗てのG1ガルバトロンを彷彿とさせる。声は小村哲生。
歴代のメガトロンやガルバトロンでは珍しく肉親の存在が判明(弟であるメガストーム(ギガストーム)には厳しい反面、兄としての情が垣間見られ、また、自身と敵対するライオコンボイの息子であるライオジュニアを跡取り=養子にしようとしたことがある)。方法は違えど、ライオコンボイと同様に全宇宙の平和を実現しようとする信念を持っていた[8]。
ビーストウォーズシリーズのデストロン破壊大帝でありながら、ビーストモードはメガトロンやマグマトロン(続編『ビーストウォーズネオ 超生命体トランスフォーマー』でのデストロン破壊大帝)と異なり、これまでの作品に登場した動物に変形するTF同様、動物を模したロボットの姿をしているのも特徴。もっとも、日本国内においては旧トランスフォーマーとビースト戦士の区別があいまいな為、彼と彼の率いる軍団がディセプディコンであった可能性もある。
最終回でライオコンボイに敗れて消滅したが、ボディは続編の『ビーストウォーズネオ』で魂だけとなったユニクロンに利用される事になる。
海外版メガトロン
アクションマスター
海外発売。トランスフォーマー アクションマスターより。要塞モードと戦闘機に分離するニュートロフュージョンタンクに乗り込む。
ビーストウォーズ
日本名はアマゾン戦士メガリゲーター。TVアニメが放映される前に発売されたため、G1のメガトロンがパワーアップしたという設定になっている。セット販売として(シルバーではないものの)G1を意識した塗装に変更されたものも発売されている。
RID
カーロボットのアメリカでのタイトル『R.I.D(ROBOTS IN DISGUISE)』での破壊大帝ギガトロンはMegatronの名を振られ、デビルギガトロンに変化した後は玩具の色彩が似ていることもあってか名称がGalvatronに変化した。
日本版では彼は破壊大帝ではなく、また、ファイヤーコンボイとは「幼馴染」となっている。
Titanium
ハスブロ社販売のダイキャスト製観賞用フィギュアシリーズ。トランスフォーマーも2006年度よりシリーズに加えられ、ディスプレイモデルの3インチと変形可能な6インチの2サイズで展開された。
特に、6インチのラインナップでは、全く新しいデザインの戦車に変形するメガトロンが登場した。設定としては、GIジョーに登場する敵勢力「コブラ」によって改造されたというもので、G2のコミック版のストーリーを想起させるものになっている。
変形!ヘンケイ!トランスフォーマー(Transformer Classics)
過去のキャラクター達をリメイクする海外での新ラインにてメガトロンもラインアップ。念願とも言えるガンモードに変形する商品となり、ロボットモードのデザインもG1メガトロンに近いものになっている。
海外版では銃型玩具に対する規制の為に派手なカラーニングで発売されたが、日本版(2008年3月より販売開始)では初代メガトロンを意識したカラーリングにされる。
また、コンボイとのセット商品で戦車に変形するタイプも存在している(ヘンケイ!名義では国内販売されなかったものの、後にトランスフォーマー ユナイテッドにてリリースされた)。
Shattered Glass
ボットコン2008限定玩具シリーズ「Shattered Glass」に登場。オートボットとディセプティコンの善悪が反転したパラレルワールド「シャッタードバース」における、平和を愛するディセプティコンのリーダーである。正義感が強く、異世界から来たクリフジャンパーをオプティマス・プライムの攻撃から庇うほどである。元々は大学教授であったが、オートボットの侵略に立ち向かうために変形能力を開発し、自らの肉体も戦闘用に改造した。ガンシップに変形し、合体すると主武装になるドローン「ランブラー」を引き連れている。本作のオプティマスのような「悪のコンボイ」は数いるが、「善のメガトロン」は彼だけである。
玩具は『スーパーリンク』のガルバトロンの仕様変更品。頭部のデザインがアニメ第1作のパイロット版に似たデザインとなっており、若々しく細面な青年の顔となっている。
実写映画版のメガトロン
原語版の音声は3作目まではヒューゴ・ウィーヴィングだが、5作目での再登場に際しては初代メガトロンの声を担当したフランク・ウェルカーが担当。日本語版では全て中村浩太郎が吹替えを担当している。ゲームではフランク・ウェルカーが2作目まで担当し、3作目ではフレッド・タタショアが担当。
トランスフォーマー
エイリアンジェットに変形。遙か昔にキューブを求めて地球に飛来し、北極に不時着したものの不慮の事故で仮死状態となる。アーチボルド・ウィトウィッキーによって発見された後、セクター7に冷凍状態のまま収容され、NBE-1 (Non Biological Extra-Terrestrial-1=非生物型地球外生命体1号)と名付けられる。長期間保存研究されていたが、セクター7に侵入したフレンジーの活躍で復活。市街地でオプティマス・プライムと激しい戦闘を繰り広げるが、サム・ウィトウィッキーによってキューブとスパークを融合させられたことに耐え切れず崩壊して機能停止。ローレンシア海溝に戦死した部下たち共々投棄されたが…。
他のトランスフォーマーと異なり暗黒物質を常食としたパワーコアを動力源としており、不死身にも近い耐久力と恐ろしい怪力を誇る。設定では惑星サイバトロンの防衛司令官(Lord High Protector)であったとされ、アメコミなどではオプティマスと親しげに会話する場面もあったことなどから、戦争が開始する前はオプティマスと友人関係であったようである。
本作のメガトロンは力に任せた暴君であり、狡猾な策略家であったG1メガトロンとは性質がやや異なるものの、他のトランスフォーマー同様キャラクターとしてはG1メガトロンを意識しており、顔のデザインがG1メガトロンに近いものになっている他、両腕が変形するフュージョンカノンやチェーンメイスなどの武器、スタースクリームを叱りつける場面などにその名残が見られる。日本語版での一人称は「俺」。
顔のデザインが途中で変更された為、ポスターと劇中では顔のデザインがかなり異なっている。
玩具はリーダーサイズとボイジャーサイズの2種類が発売。ボイジャーサイズは「フローズンメガトロン」という名前で、冷凍状態のイメージで造形されている。またリーダーサイズには劇中のイメージにデザインを近づけたプレミアム仕様のものもある。
トランスフォーマー/リベンジ
エイリアンタンクに変形。その状態で飛行することも可能。 前作で大破してからローレンシア海溝に沈められていたが、ザ・ドクターによる修理とアメリカ政府から奪ったオールスパークの欠片によって復活を遂げる。今作でプライムの一人ザ・フォールンの弟子であることが判明、復活早々にザ・フォールンの指示を受けて行動を開始した。
破損した身体をコンストラクティコンのパーツを使って修復されたため、前作と比較して右腕と下半身のボリュームがアップし非常にマッシブな体型となっている一方、再生が不完全であるため左腕が細くなっている。復活して間もないためか、スタースクリーム、グラインダーと共にオプティマス・プライムに戦いを挑むも苦戦を強いられた。
前作とは武装も異なっており、前作では両腕を組み合わせて使用していたフュージョンカノンがG1メガトロン同様右腕に搭載され、また接近戦用の武器もチェーンメイスではなく、剣状のデスロックピンサーに変更された。
前作で自分を殺したサムを恨んでおり、サムの脳に書き込まれたオールスパークの情報回収も兼ねてサムを拉致。直後、サムの救出に現れたオプティマスの殺害に成功する。
ザ・フォールンの指示の下でディセプティコンの指揮を執り続け、エジプトでの最終決戦で復活したオプティマスをザ・フォールンと共に迎え撃ったが、右腕と顔面を破壊されて敗北。その後ザ・フォールンもオプティマスに倒されて戦意を喪失し、スタースクリームの進言を受けて撤退した。
玩具はリーダーサイズとボイジャーサイズの2種類が発売されている。リーダーサイズの玩具は、胸のレバーを降ろすとウィーヴィングの声で「I am Megatron!」としゃべるギミックがある。
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
錆びたタンクローリーに変形。NESTの追撃を躱してアフリカのアジトに隠れていた。
二作目の負傷が治りきっておらず、右腕は流石に修復されているが顔面は大きく抉れており、全身には錆が浮き出て各部からエネルゴンが漏れたままになっている。傷を隠すようにマントを羽織り、前作まで使用していたフュージョンカノンはライフル型にして背中に携行している。
前作よりも前線で戦うことは少なくなったが、謀略に富んだ狡猾な一面を見せるようになっている。またアフリカのアジトではディセプティコンの幼生達に餌を与える場面も見られた。
一作目で地球を訪れる以前からオートボットの元司令官であるセンチネル・プライムと密約を交わしており、当初の計画では地球に落下したオールスパークを回収した上で、センチネルプライムの持つスペースブリッジの柱を使用して地球と人類をサイバトロン星復興資源として接収する計画であった。
両者が地球到達時に機能停止するというアクシデントにより当初の計画は失敗したが、部下のサウンドウェーブが使役するスパイ達やショックウェーブを用いた罠により、オプティマスにリーダーのマトリクスでセンチネルを復活させる事に成功する。月面に潜伏させていたディセプティコン達をスペースブリッジで呼び寄せた後、オートボットを追放しシカゴを拠点としながら、各地に配した部下達とスペースブリッジでサイバトロン星を太陽系へと転送させた。
計画は概ね順調だったものの主導権をセンチネルに奪われて内心不満を募らせていたところを、現れたカーリー・スペンサーに指摘されて奮起。
オプティマスとセンチネルの戦いに割り込んで、優勢だったセンチネルに重傷を負わせて間接的にオプティマスの命を救う。そして勝ち誇りながらオプティマスに自分に有利な条件を突きつけた停戦を持ちかけたが、逆にオプティマスにその隙を突かれ、エナジーアックスで文字通り頭を叩き割られた上に、そのまま首ごと脊髄状のフレームを引きずり出されて死亡した。
脚本の初期案をベースとしたノベライズ版では末路が異なっている。
終盤でオプティマスとセンチネルの戦闘にメガトロンが介入する所までは実写版と同じだが、倒れていたオプティマスに手を差し伸べて共闘。二人でセンチネルを倒した後、「戦いに辟易した。終わりなき戦争もいつか終わらせなくてはならない」と本音を吐露し、オプティマスに講和を申し出る。
今までの経緯から当初はオプティマスも信用しなかったものの、「信じられないのは当然だ。ならば殺せ、なにをされてもかまわぬ」とメガトロンが謙虚かつ弱気な姿勢を見せたことでオプティマスも講和を受け入れ停戦。
サイバトロン星の復興を目指すことを誓ったメガトロンは、地球上に残ったディセプティコン達を率いてサイバトロン星へと帰って行った。
トランスフォーマー/最後の騎士王
前作『ロストエイジ』では人造トランスフォーマー『ガルヴァトロン』としての登場であったが、今作では再び『メガトロン』としての登場となり、変形パターンも従来通りの部品が組み変わる形式に戻っている。1作目とは違う形状のエイリアンジェットに変形。
騎士の意匠を取り入れつつ、G1メガトロンを思わせる外見となり、戦闘時にはオプティマス同様にフェイスマスクが展開するようになった。トランスフォーマーの創造主クインテッサの協力者として登場する。
クインテッサに洗脳されたオプティマス・プライム=ネメシス・プライム同様、顔の右半面に赤い血痕のような塗装が施されているが、メガトロンもまた洗脳されているのか、自らの意思で協力しているのかは明言されていない。
フュージョンカノンは従来のように右腕に装備されている他、新たに両刃の大剣を使用するようになった。
実写映画版のガルバトロン
三作目で死亡したメガトロンであったが、四作目『ロストエイジ』では地球人製のトランスフォーマーガルヴァトロンとして復活を遂げる。演じたのは初代メガトロン及びプライムメガトロンを演じたフランク・ウェルカー、日本語吹き替え版では大友龍三郎。
トランスフォーマー/ロストエイジ
黒と銀色のダイムラートラックノースアメリカ社製のトラクターに変形。反トランスフォーマー組織「KSI」に製造された人造トランスフォーマーの軍事用プロトタイプとして登場した。
変形パターンや容姿いずれにおいてもかつてのメガトロンの面影はほとんど残っていないが、その実態は、残骸として回収されながらも頭部のみの状態で生存していたメガトロンがKSIを利用して復活を遂げたものであり、過去三作のメガトロンとは実質同一人物である。
KSIの設計ではオプティマスに似た姿になるはずだったが、開発時にメガトロンの頭部から採取された記憶情報を移植された影響でトランスフォーミウムのプログラムに齟齬が生じた結果メガトロンに似た姿となってしまい、KSIリーダーであるジョシュアの顰蹙を買った。
武器は両腕から展開するブレードとミサイルキャノン「ヘヴィメタルグラインダー」。ビークル時も車外からミサイルを発射する能力を備えている。胸部には円形シュレッダーも備わっており、接近戦では相手の武器を破砕することもできる。
ボディにはトランスフォーミウム(Transformium)と呼ばれる新素材が用いられており、変形方法は従来のようなパーツが組み変わる変形ではなく、全身を一度粒子化した上での変形となっている。この変形法を利用し、体を粒子化させることでバンブルビーの砲撃を回避するという応用もやってのけている。
当初は政府による無線操縦を受けているように装っていたが、中国工場へ移送された際に単独で起動し、人造トランスフォーマー達の無線操縦システムを掌握してディセプティコン軍団を再建。新たな破壊大帝としてその頂点に君臨することとなる。
その後新生ディセプティコン軍団を率いて、有機生命体を金属化する「シード(Seed)」を手に入れる為にKSIの中国工場を脱走し香港及び北京での戦闘を起こしたが、ダイナボットの加勢を受けたオプティマス達の参戦により戦局が不利になり、自らの再起を誓いながら撤退していった。
オプティマスのコピーとして設計されて誕生したという経緯など、初代アニメシリーズに登場したモーターマスターや、『トランスフォーマープライム』に登場したネメシスプライムの設定も取り入れられている。ビークルモードの形状も、過去に発売されたオプティマスプライムの玩具とよく似ている。
「頭部のみとなったメガトロンが人間を利用して復活する」という展開は『トランスフォーマーアニメイテッド』の第1シーズンでの展開を踏まえたものとなっており、そのオマージュとして実写版二作目に登場したインセクティコンを使役するシーンがある。
また頭部の造形は、ビーストウォーズリターンズにて登場した、コントロールケーブを羽織ったビーストメガトロンと酷似している。
アニメイテッド
『Transformers Animated(アニメイテッド)』に登場。ディセプティコン(Decepticons)のリーダーであったが、スタースクリームの策略でボディを破壊され、首だけの状態で地球に潜伏する。後に新たなボディを得て、V-22Ospreyに酷似したビークルに変形できるようになる。声は英語版ではコーリー・バートンが担当。
日本語版では若本規夫が担当。
圧倒的なパワーを持ち、サイバトロン全員で掛っても敵わない。武装は右腕の「フュージョンキャノン」と、ビークルモードのプロペラから変形する剣「メガニウムソード」。
デザインやカラーリングはG1メガトロンを意識したものとなっている(ただし、サイバトロンモードは実写版によく似た形の頭だった)。
日本語版では千葉繁が声を担当したメガトロン同様、やたらテンションが高い。
トランスフォーマープライム
ディセプティコンの支配者として破壊大帝メガトロンが登場。原語版ではフランク・ウェルカー、日本版では藤原啓治が演じた。サイバトロンジェットに変形する。
狡猾さと獰猛さを併せ持つ冷酷な暴君で、その狂人染みた性格から敵味方ともに恐れられている。腹心であるスタースクリームにダークエネルゴンの実験の為に死んで欲しいと頼んだり(無論、拒否される)、強力な細菌兵器を開発および使用して一度に多くのトランスフォーマーの命を奪い、用済みとなった部下は即座に処刑するなど、性格はかなり冷酷である。
武器は右腕のフュージョンカノンと手の甲から繰り出すブレード、そして何よりその圧倒的なまでの身体能力が武器である。メガトロン一人に対しオートボット総員でも敵わないほどで、フュージョンカノンを封じられた状態でもインセクティコンを倒してみせた。テラーコン操作とパワーアップの為にダークエネルゴンを体内に投与しているが、反面ユニクロンやダークエネルゴンで自我に目覚めた戦艦ネメシス相手に手も足も出なかったことがあり、ダークエネルゴンは強みであると同時に弱点にもなっている。
かつてはメガトロナス(Megatronus)という名の剣闘士で、オプティマスの前身であるオライオンパックスとはかつての親友でありサイバトロン星のプライムリーダーを目指していた。後にメガトロンと名を改め急進的な改革を進めようとするも、メガトロンよりも平和主義のオライオンパックスがリーダーに相応しいという上層部の判断により失脚。オライオンを認めないメガトロンはディセプティコンを結成し、サイバトロン星のマトリクスの奪取を目指し全面戦争を起こした。現在の腹心であるサウンドウェーブはその頃からの部下であり、かつてのメガトロナスはオートボット達と同様青い目をしていたが、ディセプティコン結成と合わせて現在の赤い目へと変貌を遂げている。
そうした因縁からかオプティマスプライムに対して強く執着しており、昏睡中は延々とオプティマスを倒し続ける夢をみていたり、オプティマスがマトリクスセイバー/StarSaberによりパワーアップをした際は、サイバトロン星でわざわざ過去のプライムの遺体から腕を移植してダークエネルゴンセイバー/DarkStarSaberを製作して対抗するなどオプティマスに勝つためならば手段を選ばないところがある。他方オプティマスは当初メガトロンを倒すことに躊躇いがあったが、シーズン1終盤でメガトロンによりラフが殺されかけて以降は躊躇いを捨てている。
シーズン1では、物語開始以前から序盤まで行方不明になっていたが、ユニクロンの血であるダークエネルゴンを持って帰還、ダークエネルゴンを取り込むことにより自身をパワーアップさせてテラーコン軍団を生み出すも失敗。スタースクリームの策略により一時は昏睡状態に陥ったが、復活して地球のディセプティコンを掌握し、さらにガイアユニクロンを利用しようと目論んだが決裂し、オプティマスと共闘してユニクロンを封印した。
シーズン2ではスタースクリームに続いてエアラクニッドやドレッドウィングなど部下達の離反を招きつつも、オートボット達とアイアコンの遺産の争奪戦を繰り広げる。最終話にて遺産オメガロックの力で地球に一大拠点ニューケイオン/NewKaonを建設。オートボット達の秘密基地オメガワンの位置座標を割り出して襲撃を仕掛けて破壊、オートボット達を各地へ離散させた。
シーズン3BeastHuntersではニューケイオンに設置した巨大フュージョンカノン砲の力で地球政府に武力的威圧を仕掛け地球征服を目論んだものの、復活したオプティマスにより要塞を破壊され、自身もその動力炉に衝突して重傷を負って敗北した。その後ショックウェーブが化石の遺伝子情報から再生に成功したというドラゴトロンを始めとするプレダコンの再生量産のため世界各地に眠るプレダコンの化石集めを進めるも、そのドラゴトロンが予想以上の知性を発揮しだしたことでプレダコン再生計画を破棄し、今度は合成エネルゴンとプレダコンの遺伝子情報から生み出される物質創造エネルギーを用いた小型オメガロックによる地球改造計画を始動。真実を知ったドラゴトロンの造反もあったがそれも制してオメガロックを完成させ、そしてそれを阻止せんとするオートボットおよびオプティマス・プライムとの最終決戦を繰り広げる。その末にオプティマスにマトリクスセイバーを届けようとしたバンブルビーに致命傷を負わせ、さらにオプティマスも追い詰めるがオメガロック内のエネルギーを浴びて回復したバンブルビーにマトリクスセイバーを突き立てられて機能を停止、そのまま地球へと落下した。
パートナーのアームズマイクロンは、ゴリラからフュージョンカノンに変形するゴラⅡと、コウモリから鎌と翼に変形するハデス。どちらもディセプティコンアームズマイクロンのリーダー格であり、他の面々からは一目置かれる存在であるが、ゴラⅡはアルクにいいようにからかわれたり、ハデスもナルシスト気味で語彙が貧弱だったりと、どちらも頭が悪い描写が目立つ。
キャラクター造形その他において実写版やWarForCybertronの影響が色濃い。記憶喪失となったオプティマスを騙して利用するなど、初代メガトロンのような狡猾な一面も見せている。
本編劇中ではとかく残忍な暴君として描かれているが、HubのCMでは歌を披露したり視聴者からの質問に答えたり、日本版の玩具プレゼントキャンペーンでもカラオケでマイウェイを歌おうとしたり、アームズマイクロン劇場では手首だけ出演するなど、劇中以外ではユーモラスな扱いをされることが多い。それらによれば、マイリトルポニーのテーマ曲がお気に入りで、一番好きなオートボットは「バンブルビー」、休暇は「マイリトルポニーを観て過ごす」、一番好きなケーキは「オートボットを叩き潰す(Pound)という験を担いで、パウンドケーキ」であるとのこと。
玩具
メガトロン単体としてはファーストエディション版(デラックスクラス)とその改修であるアームズマイクロン版、EZコレクション版が発売されている。
テレビ展開で昏睡から復活したのに合わせて、海外で発売されたボイジャークラス玩具をベースにアームズマイクロンを付属したメガトロンダークネスが発売され、さらに上述の腕の移植とダークエネルゴンセイバーを再現したファイナルバトルメガトロンが発売された。
いずれも変形パターンは同一のものとなっている。
オルタニティ
日産のスポーツカーであるフェアレディZに変形する。スポーツカーは次元を超えるのに適するとされている。
- メガトロン(ブレードシルバー)
- 平行世界にまたがる高次元存在オルタニティとなったメガトロンの通常世界での活動を担うオートアバター。オートアバターはオルタニティ本体とリンクしており、次元・時間流・空間距離などを超越した攻撃や移動を行うなど、天上の力とも言うべき絶大な力を持つ。
- メガトロン(プレミアムルマンブルー)
- サイバトロンの中からオルタニティが誕生してデストロンが衰退の道を辿っていた「バイナルテック」の世界のメガトロンが、高次元存在である時の魔獣ハイセリオンとオルタニティコンボイたちを呼び寄せて、コンボイに敗れたハイセリオンと同化してオルタニティに進化した。そのメガトロンのオートアバター。
- メガトロン(ダイヤモンドブラック)
- G1時空群に属する世界の歴史にメガトロン集合体が実験的に介入して、力を与えられたデストロン軍団が劇的な強化を遂げ「理不尽な強さ」と称された世界<Primax 1286.3 Kappa>(「コンボイの謎」の世界)の強化メガトロン。強化デストロン軍団の天下はやがて不屈の精神を持つウルトラマグナスの活躍により崩れ去ったが、遥かな時間の後に強化メガトロンはオルタニティのメガトロン集合体の一員になった。そのメガトロンのオートアバター。
- 後に、<Primax 406.3 Eta>(キスぷれの世界)の2009年での陰謀のさなかに、<Tyran 407.1 Beta>(実写映画の時空群に属する世界)の2011年に来ていたオルタニティコンボイと高次戦闘になり、目的を追及するコンボイに対して賭けを提案している。その内容は「コンボイの謎」の世界の2005年を舞台にタイムトンネルや空間ループなどの迷宮を配置して、メガトロンが強化した大勢のデストロン軍団に対してコンボイはたった1人のサイバトロン戦士を強化して立ち向かわせて、サイバトロン戦士が敗れるたびに同様の歴史を用意して100回以内にサイバトロン戦士が1人で勝利する歴史ルートが生まれるようなら目的をコンボイに教えるという「死と苦しみに満ちたゲーム」であり、強化メガトロンと強化デストロン軍団が辿るべきだった勝利の正しき結末を見届けるためのものだった。
脚注
- ↑ アニメのOPおよび第68話「破滅の日 PART III」では、単体で撃つシーンがある。
- ↑ スタースクリームに関しては、野心を煽ることで能力を引き出そうとしている節が見られる。事実、コレクション版スタースクリームに付属されているファイルカードには、メガトロンの「スタースクリームは野心を煽るとよく働く」という旨のコメントがある。また、スタースクリームは元科学者・探検家ということもあり、他のデストロン兵士と比べると創意工夫や前線での機転を働かすことが出来る貴重な人材である事も一因と思われる。
- ↑ 『トランスフォーマーコレクション06 メガトロン』のロングハウルの解説書から
- ↑ 谷澤崇編「スタッフインタビュー 大野光仁」『トランスフォーマージェネレーション デラックス』ミリオン出版、2004年3月22日、ISBN 4-8130-1094-6、142頁。
- ↑ “幸ヒサシインタビュー”. タカラ. 2012年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2013年12月9日閲覧.(2012年3月29日時点のアーカイブ)
- ↑ “アニメーションアーカイブ”. タカラトミー. . 2015年12月27日閲覧.
- ↑ Transformers: Universe(2008) Vector Prime with Mini-Con Safeguard!のパッケージの記載など。
- ↑ G1のメガトロンも同様の思想を持っている。しかし、テックスペックの座右の銘に記されているものの、アニメで描かれることは無かった。