ポンツーン
ポンツーン(英語:pontoon)とは、軍橋として用いる舟橋(建設工兵の任務)。そのために使う底が平らな舟。平底舟、橋脚舟を指す。船舶用語として、平底ボート、はしけ、浮船、箱船、海に浮かべる浮台、を意味する言葉。古語では、廃船を兵舎や牢獄などとして使用したもの(監獄船)を指した。
Contents
種類
軍用橋梁
船橋・造船・軍用の平底舟。また、それらによってかけられた臨時の橋。
浮橋
浮橋の例:
- Pontonbruecke.jpg
オーストリアとドイツを結ぶ軍橋(1945年5月11日)[注釈 1]
- Pontjesbrug Willemstad.jpg
キュラソーのポントン浮橋
- Floating bridge Disneyland paris may 2005.jpg
ディズニーランド・パリの浮橋
港湾構造物
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浮いた構造物で、橋を支えるのに使われる平底ボート。浅いところで使用できるように底が深くなく、通常は双胴船。あるいは桟橋などのような浮いた構造物。浮桟橋も日本では一般にポンツーンと呼んでいる。
船舶
ポンツーンボート:双胴船の上に平たい場を載せたもの。カヌーの横に取り付けるインフレータブルの舷外浮材も、ポンツーンと呼ばれる。また沈船引揚げ用の潜函(せんかん)も指す。
水上飛行機の部品
水上飛行機のフロート
ダイビング施設
ダイビングではエントリーのための浮島。ラダーや潜行用ブイが装備されている。船をここに泊め、ポンツーン真下からエントリーする。
派生的な意味
自動車部品
乗用車
ポントン(ポントゥーン)フェンダー(pontoon fenders)。ポントンフェンダーとは、自動車のフェンダーの種類。正反対ともいえる異なる2種類の意味がある。
米国における意味
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フロントやリアのフェンダーがボディから浮いているようなデザインのもの。独立したフェンダーをポンツーンに見立てる考え方。
1935年 コード810/812に代表されるデザインのフェンダー。1930年代の米国車に幾つか見られるデザイン。当時ボンネットとフロントフェンダーは別構造物だったが、通常フェンダー後ろ端のティアドロップ部分はランニングボード(ドア下のステップ)とつながって一体化されていた。810/812にはランニングボード自体がなく、フェンダーはボディから独立した大きなデザインで、非常にエレガントに見えた。
これより前、コード社は、オーバーン・ボートテール・スピードスターのフロントおよびリアフェンダーに、すでにこのデザインを取り入れていた。フランスのカロッセリエでもフィゴーニ・エ・ファラッシなど何社かがこのデザインで高級車を製作していた。
ドイツにおける意味
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ボディサイドがスムーズな形状で、前後のフェンダーが、ボンネットやトランクと一体となっているもの。現在の乗用車のほとんどすべてがこのポントンボディ定義に属する。車体のショルダーラインから下の全てをポンツーンに見立てる考え方。
第二次世界大戦中のドイツで、戦車の無限軌道を防御するためのカバーの呼び名として使用された。長い箱状で、箱の上端が車体に取り付けられた。これが、戦場で兵士を橋渡しするため臨時に橋をかける舟橋に見えたことから、ポントンと呼ばれるようになる。
これがのちに自動車用語として使われ、フロントフェンダーがリアフェンダーまで長くつづいているものを指した。
それ以前の、フェンダーがボディとは別パーツとして作られたり、ランニングボードが別付けだった車に対し、一体形成のフェンダー形状となりボディのサイドの部分がスムーズな形状となったものである。最初の車は1949年のボルグヴァルド・ハンザ(Borgward Hansa)1500によって、次いで1952年にドイツ・フォードのフォード・タウナス(Ford Taunus)Mシリーズの 12M がカルマンによって行われた。メルセデスベンツも1950年代中期からのモデルがポントン(Ponton)タイプと呼ばれた。
ポントンボディになると従来よりも広い室内容積が取れるようになり、多くの乗用車がポントンボディになっていったが、1960年代でもまだそうでないものもあった。ポントンでない代表的なものとしてはフォルクスワーゲンのビートルがある。
日本でポントンといえばこの1950年代中・後期のW120、W121、W128を指す。
ドイツのポントンは英国で音訳のポントゥーン(pontoon)とよばれ、自動車用語として米国定義ではなくドイツ定義が標準となっている。
米国ではメルトアウェイ (meltaway)またはフル・フェードアウェイ (full fade-away)とよばれる。米国のメルセデス愛好家の中にはドイツ・ポントンを「ラウンドボディ」と紹介しているものもある。これは米国でのポンツーンの定義と区別するためと、メルセデスがポントン・ボディになってから丸みを帯びたために連想されたものと思われる。
レーシングカー
サイドポンツーン - F1などのレーシングカーのデザインで用いられる後輪前におかれるボディの張り出し部分。サイドポッドともいう。前部に吸気口があり、内部を通過する気流によってラジエターの熱交換を行う。その他、排気集合管や衝撃吸収構造なども格納しており、エアロダイナミクスを考慮した形状に整形されている。底面は地面効果によりダウンフォースを獲得する上で重要な役割を持つ。
トランプ・カードゲーム
ポントゥーンはトランプのブラックジャックまたは21(トウェンティワン)の派生ゲームで、主に英国で広まっている。
脚注
注釈
- ↑ 軍橋はオーストリア側ブラウナウ・アム・インとドイツ側のシムバッハの間に渡された。アメリカ軍工兵が架けた橋を渡って帰国する、ドイツ兵の車列。第二次世界大戦終結後に撮影。
出典
関連項目
- 軍橋
- 門橋
- 自動車部品としてのポンツーン
- ポンツーン (自動車) (英語)
- ポントンフェンダー (英語)
- ポンツーン (自動車) (ドイツ語)
- メルセデスベンツ W120 (ドイツ語)