ベトナムの仏教
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ベトナムは歴史的に、直接・間接支配も含め、中国の多大な影響を受けてきたので、ベトナムの仏教は、日本や朝鮮半島のそれと同じく、基本的には大乗仏教・中国仏教である。道教などとも混交しており、日本のように宗派には基本的に分かれていない混然とした形態だが、あえてその特徴を挙げれば、宋代以降の中国仏教と同じく、禅宗(臨済宗)と浄土教の色彩が濃い、「浄土禅」的性格が比較的強い。
近代においては、カオダイ教やホアハオ教といった仏教系新宗教も生まれた。
1944年にはベトナム南部で、上座部仏教的要素を取り込んだ「乞士派」と呼ばれる派が成立した[1]。
1963年には南ベトナムのカトリック優遇に対する反発として仏教徒危機が生じている。
1976年のベトナム南北統一から5年後の1981年、ベトナム共産党政権公認の全国仏教組織であるベトナム仏教会が成立した。これは既存の各種の仏教組織を政府管理の下、統合するものだったが、これに反抗した1963年設立のベトナム統一仏教会 (UBCV) は、政府非公認組織となった。
ベトナム仏教界の人物としては、平和活動家である禅僧ティク・ナット・ハンが、世界的に広く知られている。
出典
- ↑ ベトナム南部における上座仏教と大乗仏教の接触についての考察 - 田中浩典 hdl:10108/69312