フロックコート

提供: miniwiki
移動先:案内検索
ファイル:Frock Coat April 1904.jpg
フロックコート(20世紀初頭)

フロックコート(英:Frock Coat、米(別名):Prince Albert coat)は19世紀中頃から20世紀初頭にかけて使用された昼間の男性用礼装である。ダブルブレストで黒色のものが正式とされ、フロックコートとシャツベストズボンネクタイで一揃いになった。その後モーニングコートに取って代わられ、現在では前合わせがシングルのものも多く見られるようになり、結婚式で使われるくらいになった。

来歴

ファイル:England Prinzgemahl Albert.JPG
アルバート公。アメリカではフロックコートは「プリンス・アルバート・コート」とも呼ばれている。アルバート・チェーンと呼ばれる懐中時計の鎖も見える。

ダブルブレストの上着の起源はポーランド軽騎兵ウーランの服装であり、乗馬の際に風が入らないように前合わせがダブルで襟が高くなったと言われている。そして、これらの特徴を持った上着は18世紀には軍服として使われていた。

19世紀初頭、プロイセン軍のウーラン騎兵隊(隊員のほとんどがポーランド人であったことから、ウーランプルク (Ulan-Pulk) と呼ばれていた)の軍服であったダブルブレストで紺青色(プルシアンブルー)のコートが、男性の服装として地味な色彩が好まれていたイギリスにも広まった。軍服は立襟のままだったが、それ以外のものは背広となり、色は更に濃い色調の濃紺や黒のものが19世紀中頃には男性の昼間用礼装となった。

20世紀に入ると礼装はモーニングコートに取って代わられ、準礼装はグスタフ・シュトレーゼマンが執務服として導入したディレクターズスーツが広まり、民間では着られなくなった。各国軍隊では、第2次世界大戦頃まで正装・礼装として広く用いられ、現在でも一部の国で使用されている(軍服の項を参照)。また、海軍では背広襟のフロックコートが略装として採用され、それが紺色ダブルのブレザーとなったとも言われている。

基本的な構成

参考資料

  1. 辻元よしふみ,辻元玲子『スーツ=軍服!?―スーツ・ファッションはミリタリー・ファッションの末裔だった!!』 彩流社、2008年3月。ISBN 978-4-7791-1305-5。
  2. ハーディ・エイミス『ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服』 森 秀樹訳、大修館書店、1997年3月。ISBN 978-4-469-24399-4。

関連項目


テンプレート:洋服の歴史