ビジュアルノベル
ビジュアルノベル、ヴィジュアルノベル(英: visual novel)とは、コンピュータゲームの一ジャンルである。ビジュアルノベルそれ自体もアドベンチャーゲームの一種に分類される。単にノベルゲームとも呼ばれる[1]。
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ビジュアルノベルとは
電子画面上で読む小説であり、画面に表示される文章に絵や映像、音、選択肢、画面効果などを加えたものである[2][1]。文章単体で読まず、絵と音の存在を前提とする点、各自の体裁を持ち規格化されていない点などで、電子書籍とは異なる[2]。
ビジュアルノベルの原形はチュンソフトの『弟切草』および『かまいたちの夜』に確立されたとされる[1][3][4]。これらは同社の商標でサウンドノベルと呼ばれる。チュンソフトはサウンドノベルについて「臨場感あふれるサウンドと、さまざまな映像表現を組み合わせることで『目』と『耳』からストーリーを体感する『アドベンチャーゲーム』です」[5]と説明している。ビジュアルノベルの名前が知られるようになった切っ掛けには、アクアプラスのブランドであるLeafからリリースされた「リーフビジュアルノベルシリーズ」(特に『雫』『痕』『To Heart』の3作を指す場合が多い)のヒットがある[3]。
ビジュアルノベルは比較的低コストに制作でき、良質なシナリオや静止画、スクリプトエンジンさえ用意すればゲームソフトとして成立させることができるため、開発体制が脆弱なメーカーが多いPCゲーム業界にとっては福音であった[1]。のちには、アマチュアベースでも『月姫』(2000年)などの作品が注目を集めることとなった[3]。
商標
コナミがGBA用ソフト『サイレントヒル』(シリーズ1作目をノベルゲーム化した作品で、後の『プレイノベル サイレントヒル』の事である)のジャンル名としてこの「ビジュアルノベル」という呼称を商標登録しようとしたことがあったが、特許庁が拒絶査定を下したため認められなかった。結果として、GBA用『サイレントヒル』は「プレイノベル」というジャンル名において発売されることとなった。
なお、のち2012年に金杉肇が商標登録を行っている。(商願2012-59346 登録5642727)
脚注
参考文献
- 樺島榮一郎「個人制作コンテンツの興隆とコンテンツ産業の進化理論」、『東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究』第77号、東京大学大学院情報学環・学際情報学府、2009年、 17-41頁。
- 岡嶋裕史「日本国内の電子書籍出版にかかわる契約の実情とその問題点に関する考察」、『関東学院大学経済経営研究所年報』第35号、関東学院大学経済経営研究所、2013年、 83-96頁。
- 荒井陽介 (2013年3月30日). “[GDC 2013]新しいものを生み出すのは「違和感」から。「善人シボウデス」の打越鋼太郎氏がビジュアルノベルを語る”. 4Gamer.net. Aetas. . 2016閲覧.