アリーナ・ザギトワ
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
基本情報 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
代表国: | ロシア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日: | 2002年5月18日(22歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出生地: | イジェフスク | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
身長: | 156 cm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コーチ: | エテリ・トゥトベリーゼ セルゲイ・デュダコフ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
元コーチ: | ナタリア・アンティピナ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
振付師: | エテリ・トゥトベリーゼ ダニイル・グレイヘンガウス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
所属クラブ: | Самбо 70 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ISU パーソナルベストスコア | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トータルスコア: | 239.57 | 2018年平昌オリンピック | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ショートプログラム: | 82.92(WR) | 2018 平昌オリンピック | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フリースケーティング: | 158.50 | 2018年ネーベルホルン杯 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
アリーナ・イルナゾヴナ・ザギトワ(ロシア語: Алина Ильназовна Загитова、ロシア語ラテン翻字: Alina Ilnazovna Zagitova、2002年5月18日 - )は、ロシア、イジェフスク出身のフィギュアスケート選手(女子シングル)。
2018年平昌オリンピック金メダリスト。2017年グランプリファイナル優勝。2017/2018欧州選手権優勝。2017/2018ロシア選手権優勝。
人物
イジェフスク生まれ[1]。タタール系の血を引いている。父親はアイスホッケーのコーチで[1]、妹サビーナもフィギュアスケートをやっている。名前のアリーナは、ロシア新体操の名選手で2004年アテネオリンピックの金メダリストのアリーナ・カバエワに由来する[1]。憧れの選手はカロリーナ・コストナーとエフゲニア・メドベージェワ[2][3]。
キャラクターグッズやファンシーグッズを好んで身の回りにおいている。中でもリラックマがお気に入りで、ジュニア時代にプレゼントされたコリラックマのティッシュカバーは長年愛用している[4]。2016グランプリファイナルでプレゼントの袋を持っていた羽生結弦に一つくれないかとお願いしてくまのプーさんのぬいぐるみを譲り受けたことがあり、部屋に飾っている[5][6][3]。また、坂本花織にはスヌーピーのぬいぐるみをおねだりし、もらったことがある。日本料理が大好物であると語っており、世界ジュニア選手権優勝のお祝いに祖母が寿司ロールを買ってくれると約束してくれたという[7]。将来の夢は日本食レストランを経営すること[8]。箸の使い方は父から教わった。
経歴
|
5歳の時にスケートを始めた[1]が、専門的にフィギュアスケートを始めたのは7歳から。それまではただ滑走していただけであり、競技を始めて3年経過した10歳まで表彰台には上ったことがなかった。
2014年末、12歳の時に、ある大会に出場するためモスクワに滞在していた際、母に懇願し2014年ソチオリンピックでロシア団体金メダルを獲得したユリア・リプニツカヤを育てたことで名声を得ていたエテリ・トゥトベリーゼの元を訪れる。3回転ジャンプすら飛べなかったため即入門とはいかなかったが「もう一度、見たい」と年明けにモスクワへ来るよう促される。2015年から親元を離れ、モスクワに住む祖母と同居しながらトゥトベリーゼの元でトレーニングを開始するも「自発的に練習することを理解できていない」と、わずか3か月で見限られた。その後、同じリンク内でアンナ・ツァリョーワの指導を受けていたが、怪我の療養を経て故郷に帰ろうと決意し、花束を持ってトゥトベリーゼの元へ挨拶に行ったところ「もう一度試してみましょう」と声を掛けられ再び指導を受けることになった。
2015-2016シーズン、ロシアジュニア選手権では9位となった。2016年ジュニアグランプリの派遣選考となる国内大会の一つでは、モスクワ予選で12位と予選敗退し、ジュニアグランプリへの出場が危ぶまれたが、結果的には出場した。
2016-2017シーズン、ジュニアグランプリに出場。1戦目のサン・ジェルヴェ大会は優勝で国際大会デビュー戦を飾る[1]。2戦目のリュブリャナ杯では紀平梨花、本田真凜に敗れ3位だったものの、ジュニアグランプリファイナル進出を決めた。ジュニアグランプリファイナルでは、ショートプログラムとフリースケーティングでジュニアクラスの世界最高得点を出し、ジュニア選手として史上初の200点超えとなる207.43点で優勝した[9]。初出場のロシア選手権では銀メダルを獲得。世界ジュニア選手権では、自身の持つFSと総合得点のジュニア歴代最高得点を更新し優勝した。
2017-2018シーズン、シニアデビュー戦のロンバルディア杯ではSPにてシャーロットスパイラル→カウンターからの2回転アクセルを試みるが転倒し3位と出遅れる[10]。しかし、フリーで自己ベストで世界歴代4位となる218.46点を得点し逆転優勝した[10]。グランプリシリーズに参戦し、中国杯、フランス杯に出場。2戦ともSPの3回転ルッツ-3回転ループの連続ジャンプで転倒し、表彰台圏外からスタートするも、FSで巻き返し連勝[3]。グランプリファイナルも制し、続くロシア選手権も初優勝となった。
右足の怪我で休養していた絶対女王エフゲニア・メドベージェワとのシニア初の直接対決となったヨーロッパ選手権では、SP・FSともノーミスで1位となり、世界歴代2位の合計238.24点で初優勝した[11]。それまで個人戦13連勝していたメドベージェワは合計232.86点で2位となり、絶対女王に約2年ぶりに土を付けた[11]。
平昌オリンピックはOARの選手として15歳で初出場。団体戦はFSで滑走し、銀メダル獲得に貢献。個人戦のSPでメドベージェワが先に出した自らのSP歴代最高得点となる81.61点を、わずか20分後に82.92点で更新した[12]。続くFSでは3回転ルッツ-3回転ループの連続ジャンプが単独になってしまうが、2本目の3回転ルッツに3回転ループを付ける驚異的なリカバリーを披露し、メドベージェワと156.65点で同点となる[13]。SPとの合計得点239.57点でそのまま逃げ切り、オリンピック金メダルを獲得した。15歳9ヶ月での金メダル獲得は、1998年長野オリンピックで優勝したタラ・リピンスキー、2014年ソチオリンピック団体戦で優勝したロシアのメンバーであるユリア・リプニツカヤ以来史上3番目の若さ。
グランドスラムに王手がかかった世界選手権は、最大のライバルであるメドベージェワが右足の怪我の療養で欠場したため、上位にランキングされる可能性が高まった。SPで連続ジャンプの着氷が乱れ2位となるも、トップとは僅か0.76差と十分逆転可能な位置でSPを折り返す。しかし、FSは演技後半に入ってからの連続ジャンプを予定していたが、最初の3回転ルッツでまさかの転倒。その後に6本のジャンプが詰まっていたため、続く2本目の連続ジャンプである2回転アクセル後の3回転トゥループでも尻もちを着く。さらに、3連続ジャンプを成功した後に執念で単独の3回転ルッツに3回転ループを付けようとするも3回転ループで再び転倒。ミスの連鎖を止める事が出来ない彼女の姿に会場では惨劇を目の当たりにした観客の悲鳴が響き渡り、プログラムは崩壊した。連続ジャンプ4つのうち、3つの転倒に加えて3本のジャンプで回転不足判定を受ける悲惨な結果となり、表彰台にすら届かない総合5位。個人戦連勝記録も10連勝でストップし、新星として快進撃を続けてきたシーズンは号泣で幕を閉じた[14]。SP後にはオリンピックの後にイベントが続き、「練習に戻るのが難しかった」と話していた。
技術
ショート、フリーともに基礎点が1.1倍になる後半に全てのジャンプ要素を固め打ちで跳ぶ変則的な構成が特徴。フリーにおいて全てのジャンプ要素を後半に跳んだ史上初の選手である。
2016年ジュニアグランプリサン・ジェルヴェ大会では女子選手として史上6人目となる3回転ルッツ-3回転ループ(3Lz-3Lo)のコンビネーションジャンプを成功させた[15]。
また、片手や両手を上げながら跳ぶ"タノジャンプ"を跳ぶことができ、より多くの加点を得ることができる。
記録
- 女子シングルジュニアクラスショートプログラム世界最高得点 70.92(2016JGPファイナル、2017年にアレクサンドラ・トゥルソワが更新)
- 女子シングルジュニアクラスフリースケーティング世界最高得点 136.51(2016JGPファイナル)
- 女子シングルジュニアクラスフリースケーティング世界最高得点 138.02(2017年世界ジュニア選手権、2018年にアレクサンドラ・トゥルソワが更新)
- 女子シングルジュニアクラストータル世界最高得点 207.43(2016JGPファイナル)
- 女子シングルジュニアクラストータル世界最高得点 208.60(2017年世界ジュニア選手権、2018年にアレクサンドラ・トゥルソワが更新)
- 女子シングルジュニアクラス史上初200点超え(2016JGPファイナル)
- 女子シングルショートプログラム世界最高得点 82.92(2018平昌オリンピック)
主な戦績
国際大会 | |||
---|---|---|---|
大会/年 | 2015-16 | 2016-17 | 2017-18 |
冬季オリンピック | 1 | ||
世界選手権 | 5 | ||
欧州選手権 | 1 | ||
GPファイナル | 1 | ||
GPフランス杯 | 1 | ||
GP中国杯 | 1 | ||
CSロンバルディア杯 | 1 | ||
世界Jr.選手権 | 1 | ||
JGPファイナル | 1 | ||
JGPリュブリャナ杯 | 3 | ||
JGPサン・ジェルヴェ | 1 | ||
ユーロユース五輪 | 1 | ||
国内大会 | |||
ロシア選手権 | 2 | 1 | |
ロシアJr.選手権 | 9 | 1 |
詳細
2017-2018 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
---|---|---|---|---|
2018年3月19日-25日 | 2018年世界フィギュアスケート選手権(ミラノ) | 2 79.51 |
7 128.21 |
5 207.72 |
2018年2月21日-23日 | 2018年平昌オリンピック(平昌) | 1 82.92 |
2 156.65 |
1 239.57 |
2018年2月9日-12日 | 2018年平昌オリンピック 団体戦(平昌) | - | 1 158.08 |
2 団体 |
2018年1月18日-20日 | 2018年ヨーロッパ選手権(モスクワ) | 1 80.27 |
1 157.97 |
1 238.24 |
2017年12月22日-24日 | 2017-2018ロシア選手権(サンクトペテルブルク) | 1 78.15 |
1 155.44 |
1 233.59 |
2017年12月7日-10日 | 2017/2018 ISUグランプリファイナル(名古屋) | 2 76.27 |
1 147.03 |
1 223.30 |
2017年11月17日-19日 | ISUグランプリシリーズ フランス杯(グルノーブル) | 5 62.46 |
1 151.34 |
1 213.80 |
2017年11月3日-5日 | ISUグランプリシリーズ中国杯(北京) | 4 69.44 |
1 144.44 |
1 213.88 |
2017年9月14日-17日 | ISUチャレンジャーシリーズロンバルディアトロフィー(ベルガモ) | 3 71.29 |
1 147.17 |
1 218.46 |
2016-2017 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
---|---|---|---|---|
2017年3月13日-19日 | 2017年世界ジュニアフィギュアスケート選手権(台北) | 1 70.58 |
1 138.02 |
1 208.60 |
2017年2月11日-18日 | ヨーロッパユースオリンピックフェスティバル(エルズルム) | 1 58.30 |
1 128.76 |
1 187.06 |
2017年2月3日-5日 | ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(サンクトペテルブルク) | 1 74.46 |
1 142.36 |
1 216.82 |
2016年12月22日-25日 | ロシアフィギュアスケート選手権(チェリャビンスク) | 3 74.26 |
2 146.95 |
2 221.21 |
2016年12月8日-10日 | 2016/2017 ISUジュニアグランプリファイナル(マルセイユ) | 1 70.92 |
1 136.51 |
1 207.43 |
2016年9月21日-24日 | ISUジュニアグランプリ リュブリャナ杯(リュブリャナ) | 1 68.09 |
4 109.29 |
3 177.38 |
2016年8月24日-27日 | ISUジュニアグランプリ サン・ジェルヴェ(サン・ジェルヴェ) | 1 68.07 |
1 126.30 |
1 194.37 |
2015-2016 シーズン | ||||
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
---|---|---|---|---|
2016年1月21日-23日 | ロシアジュニアフィギュアスケート選手権(チェリャビンスク) | 12 52.85 |
8 108.08 |
9 160.93 |
プログラム使用曲
シーズン | SP | FS | EX |
---|---|---|---|
2017-2018 | 映画「ブラック・スワン」より 作曲:クリント・マンセル 映画「ムーンライト」より 作曲:ニコラス・ブリテル 振付:ダニイル・グレイヘンガウス |
バレエ音楽『ドン・キホーテ』より 作曲:レオン・ミンクス 振付:ダニイル・グレイヘンガウス |
Afro Blue / Eye See You / Wade in the Water ボーカル:ジャズメイヤ・ホーン |
2016-2017 | オペラ『サムソンとデリラ』より 作曲:カミーユ・サン=サーンス |
バレエ音楽『ドン・キホーテ』より 作曲:レオン・ミンクス |
ピンクの豹 作曲:ヘンリー・マンシーニ |
2015-2016 | 映画『ピンクの豹』 作曲:ヘンリー・マンシーニ |
ミュージカル『ゴースト』 作曲:デイヴ・スチュワート、グレン・バラード |
CM出演
- アニプレックス『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(2018年8月15日 - ) ※スマートフォン専用ロールプレイングゲーム[16]
その他
- 2018年5月に秋田犬保存会からメスの子犬が贈られ、「マサル (Масару)」と名付けた[17][18]。なお同年7月には「マサル」のいとこでオスの子犬の「マサオ」が朝青龍明徳に贈呈された[19]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 ザギトワ選手、どんな人? 平昌オリンピックの優勝候補 フィギュア女子 - ハフィントンポスト(2017年12月23日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ ISUバイオグラフィー
- ↑ 3.0 3.1 3.2 フィギュア界に彗星の如く登場した美少女選手 15歳アリーナ・ザギトワ - 産経新聞(2017年11月26日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ 朝日新聞オリンピック・パラリンピックニュースTwitter
- ↑ アリーナ・ザギトワインスタグラム
- ↑ アリーナ・ザギトワインスタグラム
- ↑ Алина Загитова: «Я понимала, что у меня нет права на ошибку»
- ↑ “セーラームーン大好き”なメドベージェワと“日本食大好き”なザギトワ -- 同じコーチに師事する2人の金メダル争いビジネスインサイダー2/13(火)
- ↑ フィギュアジュニアGP 紀平、挽回4位も苦虫を噛み潰す…世界の壁痛感 - デイリースポーツ(2016年12月10日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ 10.0 10.1 フィギュアGPシリーズザギトワ、今季の女子の主役に躍り出るか - 毎日新聞(2017年10月20日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ 11.0 11.1 ザギトワ初V、メドベージェワ2位 フィギュア欧州選手権 - 日本経済新聞(2018年1月21日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ ザギトワ、驚異の演技。メドベージェワの世界記録をわずか20分で破る - ハフィントンポスト(2018年2月21日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ ザギトワが金メダル。女王メドベージェワを下したのは、15歳の天才少女だった(画像集) - ハフィントンポスト(2018年2月23日配信、2018年2月23日閲覧)
- ↑ 会場に悲鳴!3度転倒し号泣の五輪金、ザギトワの世界フィギュア5位敗因は? - THE PAGE(2018年3月24日配信)
- ↑ 2016 Saint-Gervais Judges Scores (pdf)
- ↑ “アリーナ・ザギトワ選手:日本のテレビCM初出演 「まどマギ」まどか風衣装で魔法少女に変身!” (2018年8月15日). . 2018閲覧.
- ↑ “ザギトワ選手とマサル対面、顔なめてあいさつ”. 朝日新聞 (2018年5月26日). . 2018閲覧.
- ↑ “Церемония вручения «Масару» Алине Загитовой”. Sports.ru (2018年5月26日). . 2018閲覧.
- ↑ “朝青龍に秋田犬「マサオ」 保存会贈呈、モンゴルで” (2018年7月10日). . 2018閲覧.
関連項目
外部リンク
- 国際スケート連盟によるのバイオグラフィー (英語){{#invoke:WikidataCheck|wikidatacheck|property=P2694|value=00101053|category=ISU ID|namespaces=0}}
テンプレート:フィギュアスケート オリンピックチャンピオン - 女子シングル テンプレート:フィギュアスケート 欧州チャンピオン - 女子シングル テンプレート:フィギュアスケート ロシア選手権 チャンピオン - 女子シングル テンプレート:フィギュアスケート GPファイナルチャンピオン - 女子シングル
ISUグランプリシリーズ(1995-) |
---|
テンプレート:フィギュアスケート ISUグランプリシリーズ 中国杯 チャンピオン - 女子シングル テンプレート:フィギュアスケート ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯 チャンピオン - 女子シングル |