「官僚」の版間の差分

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(かんりょう、{{lang-en-short|bureaucrat}} ビューロクラート)
{{出典の明記|date=2017年4月}}
 
'''官僚'''(かんりょう、{{lang-en-short|bureaucrat}} ビューロクラート)とは、一般に、[[国家]]の[[政策]]決定に大きな影響力を持つ[[公務員]]をいう。
 
  
== 概要 ==
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行政を執行する任命職の公務員の呼称。
{{未検証|date=2018年3月|}}
 
「官僚」の語は、語義的には「[[役人]]」と同義語であるが、一定以上の高位の者ないしは高位になり得る者に限定して用いられることが多い。
 
英語のbureaucratは、[[フランス語]]の「bureaucratie ビューロクラティ」([[官僚制]])に起源を持つ。「官僚制度([[官僚制]])」は、ピラミッド型に整理された、[[権限]]の分担とその[[指揮]]系統に関する官僚の[[階層構造]]を意味する。これは統治構造の一種であり組織は問わないが、歴史的に政治統治組織が起源であるため「官僚制」と呼ばれることとなった。
 
[[ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル|ヘーゲル]]による定義では、「官僚」とは[[国家]]への[[奉仕]]かつ[[私有財産]]の配慮を行う者の総称となっている。
 
  
漢語の「官僚」「官吏」の語源であるが、「官」は上級公務員を意味し、「僚」「吏」は下級公務員や、官に雇われている者を意味し、これらの総称で「官僚」「官吏」となった。
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しかし実際には、行政組織ないし国家および地方政府の官僚制の構成員のうち、下級の事務職的職員や労働者を除く、中級および上級の職員をさすことが多い(例、特権官僚、高級官僚など)
  
[[歴史学]]、[[人類学]]的には、国家の[[公共事業]]([[治水]]、[[灌漑]])の拡大とともに、「官僚機構([[官僚制]])」が生まれたとされている。最初に「官僚機構」が発展したのは[[古代エジプト]]で、官僚たちは[[ファラオ]]の[[奴隷]]だった。
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このことばはまた、高級官僚などの権力を背景とした特権性、独善性、しゃくし定規などその官僚主義的行動様式を非難したり、悪くいう場合に用いられることが多い。
 
 
総労働者数に占める官僚、公務員の数の割合は、[[ノルウェー]]や[[スウェーデン]]では約40%、[[デンマーク]]や[[フィンランド]]では約30%と北欧諸国での高さが際立ち、また[[カナダ]]や[[ドイツ]]、[[イギリス]]、[[オーストラリア]]などの国々も労働人口のおよそ20%が公務員である。それに対して日本は10%を下回り、これは[[OECD]]加盟国における調査対象の15カ国のうち最低の数字である<ref>[http://www.ilo.org/public/english/bureau/stat/download/wp_pse_e.pdf ILO working papers] Statistics on public sector employment: methodology, structures and trends </ref>。その一方で日本の官僚、公務員の一人当たり賃金・人件費は、OECD加盟国調査対象の15ヶ国中で最高額となっている<ref>[http://www.oecd.org/gov/pem/publicemploymentkeyfigures.htm Public employment and management] Production costs in general government </ref><ref>[http://stats.oecd.org/Index.aspx?DatasetCode=LFS_D OECD.StatExtracts] LFS by sex and age </ref><ref>[http://www.keepeek.com/Digital-Asset-Management/oecd/governance/government-at-a-glance-2013_gov_glance-2013-en#page102 Government at a Glance 2013] PUBLIC SECTOR EMPLOYMENT AND PAY </ref>。
 
 
 
なお官僚には、[[文官]](いわゆる行政官)と[[武官]]の2つがある(※なお、現行の日本国憲法下では「武官」は現役の自衛隊員に相当すると解されているが、明記されてはいない)。また行政官には[[事務官]]と[[技官]]の2種類が存在する。武官は、各国軍部の大学校卒業者を幹部候補生とする国が多い。
 
 
 
官僚制には次のような特質がある。
 
# [[規制]]による規律
 
# 明確な[[権限]]
 
# 明確な[[階統構造]]
 
# [[公]]・[[私]]の分離
 
# [[文書主義]]
 
# 資格任用制
 
# [[専業]]制
 
 
 
他に、ネガティブな特質としてはしばしば「[[官僚主義]]」が挙げられる。
 
 
 
国家公務員は、世界的に、上級ポストとその候補者([[キャリア (国家公務員)|キャリア]]と呼ぶ)、および下級職員(下級官僚)を分けて採用する国が多い。広義の官僚とは国家公務員全般を指すが、狭義の官僚とは上級ポストの公務員であるため、ここでは各国の高級官僚(世界的に見て慣例的に局長クラス以上を指すが、場合によっては本省・本府審議官または課長級以上を指す場合もある)とその候補生の登用・昇進システムを説明する。
 
 
 
この登用・昇進システムは各国によって相違がある。歴史上[[科挙]]を祖とするもので高位職の登用も内部昇格が原則の[[資格任用制|メリット・システム]]、政治家である任命権者の裁量により高位職が登用される[[政治任用制]]、政治任用制の一種であるがアメリカを典型とする高位職の外部登用を主とする[[猟官制]](党人任用制、スポイルズ・システム)、高級官僚が貴族や一部の門閥で占められているタイプに分けられる。
 
 
 
== アメリカ合衆国 ==
 
高級官僚は、基本的に[[大統領]]が、職業公務員以外から指名する[[猟官]]制度で、大統領の交代と共に入れ替わる。通常の職業公務員は課長クラスまでしか昇進しない。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では、「職業公務員」の社会的地位は日本などに比べると低く、給料も日本よりもかなり安いが、国家のために仕事をしたい人が仕事をしている。
 
 
 
== 中華民国 ==
 
{{節スタブ}}
 
* [[科挙]]
 
 
 
== 中華人民共和国 ==
 
{{節スタブ}}
 
* [[科挙]]
 
* [[進士]]
 
 
 
== 大韓民国 ==
 
{{節スタブ}}
 
* [[科挙]]
 
* [[朝鮮の科挙]]
 
* [[李氏朝鮮の科挙制度]]
 
* [[両班]]
 
 
 
== ベトナム ==
 
{{節スタブ}}
 
* [[科挙]]
 
 
 
== フランス ==
 
[[フランス]]の官僚制は、[[メリット・システム]]と[[スポイルズ・システム]]の折衷型である。日本以上にキャリア選抜が険しく、また日本以上に烈しい[[官僚政治]]の国家としても知られる(もっとも、近年では、政治家の地位の方が上になってきてはいる)。
 
 
 
事務官キャリアは、「'''エナルク'''」と通称される[[フランス国立行政学院|国立行政学院 (ENA エナ)]]出身者で占められ、技官キャリアは[[エコール・ポリテクニーク|エコール・ポリテクニク(日本語では“理工科学校”)]]卒業生で占められる。ENA
 
の学生・卒業生となれる人数は、日本の東大などと比較してもはるかに少なく(毎年わずか数十名程度)で、フランスのENA卒業生というのは、非常に多人数いる日本の東大卒者とはとても比較にならないくらい、「[[エリート]]中のエリート」なのである。高級官僚は、政治家の意向によって、キャリアの中から選抜される。官僚の社会的地位は日本より高い。
 
 
 
== ドイツ ==
 
元々日本のキャリア制度は、[[ドイツ]]の公務員システムを参考にして作られた。しかしその後の歴史的経緯から、ドイツはフランスと同様にメリット・システムと、スポイルズ・システムの折衷型に落ち着いた。
 
 
 
公務員は「官吏」(いわゆる官僚)と「職員・労働者」で構成される。官吏の中で政治的官吏(高級官僚)は、キャリアの中から政治任用される。キャリアになるためには、大卒後2年の準備勤務を経て高級職ラウフバーン試験に合格する必要がある。高級職ラウフバーン試験は[[司法試験]]も兼ねており、合格すると弁護士になることもできる。
 
 
 
== イギリス ==
 
日本と類似したメリット・システムによるキャリア制度となっている。試験名の日本語訳によっては、[[高等文官試験]]と表記されることがある。1855年に開始。インドの高等文官試験に影響を与えた。
 
 
 
== インド ==
 
イギリスとほぼ同様のシステムとなっている。試験名の日本語訳によっては高等文官試験と表記される。[[イギリス東インド会社|東インド会社]]が[[インド省]]になった際に、現地の[[インド]]人にも高級官僚の登用のチャンスが与えられるようになった。インド独立後には名称が若干変更された (Indian Administrative Service)。
 
 
 
== 日本 ==
 
日本における「官僚」とは、広義では、国家公務員試験に合格して[[中央省庁|中央官庁]]に採用された国家公務員全般を指すとされている。狭義では、国の行政機関に所属する国家公務員の中でも、特に中央官庁の課室長級以上(これらの職級は任用上も特殊な扱いとなる<ref>[http://www.jinji.go.jp/jinjihyouka/katsuyoushousai.pdf 第Ⅳ部 人事評価の結果の任免、給与等への活用]人事院</ref>)の管理職員を指す場合もある。また「高級官僚」は、国の[[行政機関]]に所属する国家公務員の中でも、特に[[中央省庁|中央官庁]]の[[指定職]]以上の地位にある者を指すことが一般的である。官僚という用語は[[法律]]で規定されている訳ではなく、公的なものを含めて明確な定義は存在しない。
 
 
 
日常会話において「官僚」と言う場合、[[霞ヶ関]]の中央官庁で政策に携わる国家公務員、中でも国家公務員Ⅰ種試験や総合職試験等に合格して任官した''[[キャリア (国家公務員)|キャリア公務員]]''を漠然と指すことが多い。
 
 
 
[[大臣]]や[[副大臣]]、[[大臣政務官]]は上級の[[公務員]]であるという点は同じではあるが、選挙で選出された[[政治家]]([[国会議員]])であるため官僚とははっきり区別していることが一般的。[[地方公務員]]は通常、官僚とは呼ばれないが、大規模自治体の幹部職員に対して「都庁官僚」のように比喩的に使われることがある<ref>官僚は法令などを担当する事務官僚と技術などを担当する技術官僚に大別でき、[[メディア]]で官僚として取り上げられるのは「事務官」と呼ばれる事務官僚が多く、技術官僚は比較的少ない。</ref><ref name="省庁のしくみ">[[林雄介]]著、『省庁のしくみ』、ナツメ社、2010年12月23日初版発行、ISBN 9784816349614</ref>。
 
 
 
日本の官僚については''[[官吏]]''と''[[キャリア (国家公務員)]]''の項目も参照。{{Main|Category:日本の官僚}}
 
 
 
=== 官僚の任務 ===
 
日本における官僚の[[任務]]は、主に下記として分類される(政府機関によって異なる)。
 
 
 
====予算====
 
近年の日本においては、[[予算]]は、まず[[内閣府]]の[[経済財政諮問会議]]において基本方針が立てられ、各省庁の予算の細部については、[[財務省 (日本)|財務省]]の[[主計局]]が審査を行い、内閣が予算を作成し、[[国会]]の[[議決]]を経なければならない。各官庁では、[[大臣官房]]の会計課長が集計、管理する。また、各局長が主計局と折衝し、国会議員への根回しを行う。経済財政諮問会議や財務省主計局は、予算を通じて国政全般を仕切るところであるとも言える。
 
 
 
==== 法案 ====
 
{{See also|タコ部屋 (日本の官僚)}}
 
[[法律]]の制定は国会([[国会議員]])の仕事であるが、実際には([[議員立法]]ばかりではなく)官僚主導で内閣が議案を提出し国会で制定されることが多い。これは、各官庁の大臣官房の文書課長、各局総務課長や[[審議官]]を中心として案をまとめ、国会議員への根回しを行う。その拠点となる法案準備室を[[霞が関]]では「タコ部屋」と呼ぶ。
 
 
 
==== 人事 ====
 
採用された[[キャリア (国家公務員)|キャリア]]公務員の人事は、各省庁の大臣官房の[[秘書課長]]や[[官房|官房長]]、[[事務次官]]が決定するとされている。また非公式ながら、これらと同様に退職後の[[天下り]]先の手配まで行っていると一般には指摘される。
 
 
 
==== 指揮・監督・許認可 ====
 
指揮、監督、指導、許認可の権限と実施は影響力や予算規模の大小に応じて担当部署が類別されており、小規模の案件は[[地方支分部局|地方局]]や地方公共団体([[都道府県]])で行うが、大きな案件は中央官庁が管轄し、各局の担当官にて執行される。
 
 
 
==== 政策 ====
 
官僚は政策の企画と施策を行うことが多い。この実現方法としては、法令の制定、予算確保による補助金や施設の発注、行政指導や許認可による民間企業へのコントロールという形を取る。内容的に上記の「予算」「法案」「監督・指導・許認可」に含まれるとも言える。この政策をまとめる局は、各省庁の筆頭局となることが多く、他局間の調整を行う。
 
 
 
==== 任用制度 ====
 
日本では[[資格任用制]]による[[キャリア (国家公務員)#キャリア制度|キャリア制度]]となっている。ノンキャリアであっても中央省庁課室長級の官僚になることはあるので、キャリア制度のみが官僚人事を構成しているわけではない。
 
* [[律令制]]
 
* [[科挙]]
 
* [[進士 (日本)]]
 
 
 
=== 日本の官僚の問題 ===
 
==== 法案作成に関する問題 ====
 
立法は国会の機能であるが、国会議員が自ら法案を起案することはほとんどない。法案のほとんどを占める[[内閣]]提出法案を官僚が作成するのはもちろん、[[議員立法]]も多くは官僚のサポートに依拠していると言われている。
 
 
 
官僚は法律を起案すると所属省庁の大臣を通して[[国会]]に法案として提出する、大臣のほとんどは国会で多数を占める[[与党]]の役員であるため、法案は形式上野党との審議が行われるものの、それに関わらず最終的に与党の賛成多数で国会を通過することがほとんどである。つまり日本の法律は現状として官僚の意のままに作られていると考えてよい。このようにして[[三権]]のうち[[行政権]]が極めて強くなる傾向を[[行政権の肥大化]]という。
 
 
 
成立法案でみると、閣法(内閣提出法案)が全体の85%程度を占める (1994-2004)。
 
 
 
なお、以上のような見方には有力な反論がある。特に自民党政権では、党の政務調査会の下にある各部会において、族議員が法案の修正を行うなどして内閣提出法案に影響力を及ぼしてきたとされる。部会での修正を経た法案は閣議にかけられた後、国会に提出される。与党議員にとっては修正の必要のない法案であり、野党もそれを認識しているので、牛歩戦術に代表される日程の遅延による廃案を狙った戦術が取られる。結果として国会の審議は空洞化することになる。
 
 
 
==== 人事システムの問題 ====
 
日本の官僚には政権政党によって官僚の人事が左右される[[猟官制|猟官]]的要素が非常に少ないため、官僚組織は固定化される傾向が強く[[学閥]]の弊害が指摘されている。特に、採用時や昇進時に[[東京大学]]など特定大学出身者が優遇されているという指摘がなされる。
 
採用時について言えば、国家公務員採用I種試験の合格率及び合格者にいわゆる一流大学の出身者が多いことは事実であり、採用者も多くなっている。もっとも、情実採用が問題になることはほとんどなく、この結果は、単純に能力差によるものが大きい{{要出典|date=2010年10月}}。しかし、試験情報や、官庁訪問など就職活動についての情報の多寡が採用の成否に影響している部分も大きく、入省者の多様性を実現するためには、これら就職プロセスのより一層の透明化と情報開示が求められている。
 
<!--昇進時の学閥は例がないので分かりません-->
 
<!--中堅大学の学生が国家公務員採用I種試験に上位合格しても採用されないことが現在でも続いていると思われがちである。しかしこれは既に過去の遺物(省庁によっては現在も継続しているところもあるが)であり、現実は上位合格者をいわゆる一流大学の出身者が占めているからに他ならない。実際は、中堅大学の出身者は最終合格(内定とは異なる)するのが精一杯で、官庁訪問の対策までは立てられていないということであろう。-->
 
 
 
==== 不透明な民間企業への関与の問題 ====
 
民間企業に[[行政指導]]といった形で(実質上の)命令を行ったり、[[天下り]]といった形で人事に介入することが、民間企業を不当に支配するものだとして問題になることが多い。[[行政手続法]]などにより行政プロセスの透明化は進んでいるが、官僚に大きな裁量権が委ねられている部分は多く、特定の民間企業から[[政治献金]]を受け取った政治家が、官僚の裁量権に影響を与えようと圧力をかけるなど腐敗の温床になりやすい。
 
 
 
==== 倫理観(日本、人事院調査)====
 
[[2004年]]9月15日、[[人事院]]は「[[国家公務員]]に関するモニター調査」の結果を発表した。
 
官僚について「[[倫理学|倫理]]観が高い」と答えた人は1.85%、「全体として倫理観が高いが、一部に低い人もいる」と答えた人は43.1%、「全体として倫理観が低いが、一部に高い人もいる」と答えた人は21.8%、「倫理観が低い」と答えた人は10.5%、「どちらとも言えない」と答えた人は22.2%、「分からない」と答えた人は0.6%という結果となった。調査は2004年の5月から6月に公募したモニター500人を対象に実施され、487人から回答を得た。
 
 
 
ジャーナリストの[[田原総一朗]]は、自身のレギュラー番組[[サンデープロジェクト]]の中で、「世の中の悪しきことのほとんどは官僚が原因」という旨を発言しているが、官僚が制度上は国民に選ばれた政治家に指揮される存在であることを揶揄した発言ともいえる。
 
 
 
* [https://web.archive.org/web/20040917030939/http://www.jinji.go.jp/kisya/0409/rinrimoni.htm 公務員倫理に関するアンケート]
 
 
 
==== 辻清明による日本の官僚研究 ====
 
[[日本]]の政治学者・[[行政学者]]である[[辻清明_(政治学者)|辻清明]]は、[[明治時代]]以来の日本における官僚機構の特質を研究し、その構造的特質の1つとして「'''強圧抑制の循環'''」という見解を表明した。
 
 
 
彼は『新版・日本官僚制の研究』 (1969) にて、[[戦前]]において確立された日本の官僚は特権的な[[エリート]]による構造的な支配、すなわち支配・服従の関係が組織の中核を成しており、さらに組織外の一般[[国民]]にまでその構造が拡大されている状況を指摘した。つまり、組織内部において部下が上司の命令に服従するのと同様に、日本社会では[[軍人]]・官僚への国民(臣民)の服従を強要する「官尊民卑」の権威主義的傾向を有していたとする説である。
 
 
 
さらに辻は、この社会的特質は[[戦後]]の[[日本の戦後改革|民主化改革]]の中でも根強く生き残り、政治的な民主化への阻害要因になっているともしている。この「強圧抑制の循環」という見解は、日本の官僚が[[政治家]]よりも大きな[[政策]]決定への影響力を有するという前提に立つものであり、[[政治学]]および[[行政学]]における'''官僚優位論'''の代表的研究と見做された<ref>しかし、このような官僚優位論に対しては、[[村松岐夫]]より、戦後の[[日本の政治|日本政治]]は官僚による支配というよりも[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]による政治主導の下で統治が行われているとの批判もある(詳細は[[政党優位論]]を参照)。しかし、自民党も政策決定において官僚に依存しているところから、政治家主導による統治が行われているとする主張にも疑問が提起されている。</ref>。
 
 
 
* [[辻清明 (政治学者)|辻清明]]『日本官僚制の研究』新版、東京大学出版会、1969年
 
* [[村松岐夫]]『戦後日本の官僚制』東洋経済新報社、1981年
 
 
 
== 脚注 ==
 
<references />
 
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==
 
 
* [[キャリア (国家公務員)]] - [[事務官]]
 
* [[キャリア (国家公務員)]] - [[事務官]]
 
* [[テクノクラート]](高級技術官僚) - [[技官]]
 
* [[テクノクラート]](高級技術官僚) - [[技官]]
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* [[行政学]]
 
* [[行政学]]
 
* [[官僚主義]]
 
* [[官僚主義]]
* [[官製談合]]
 
* [[利権談合共産主義]]
 
* [[天下り]]
 
 
== 外部リンク ==
 
* [http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/study/hayashiyusuke.html 林雄介「半熟官僚大辞典」2003年、日本文芸社刊『霞ヶ関の掟・官僚の舞台裏』所収]
 
  
 
{{DEFAULTSORT:かんりよう}}
 
{{DEFAULTSORT:かんりよう}}

2018/8/11/ (土) 01:24時点における最新版

(かんりょう、: bureaucrat ビューロクラート)

行政を執行する任命職の公務員の呼称。

しかし実際には、行政組織ないし国家および地方政府の官僚制の構成員のうち、下級の事務職的職員や労働者を除く、中級および上級の職員をさすことが多い(例、特権官僚、高級官僚など)

このことばはまた、高級官僚などの権力を背景とした特権性、独善性、しゃくし定規などその官僚主義的行動様式を非難したり、悪くいう場合に用いられることが多い。

関連項目