ラディカル・フェミニズム
テンプレート:Feminism sidebar ラディカル・フェミニズム(英: radical feminism、直訳: 急進的女性主義)とは、主にセクシュアリティという側面から男女間における権力関係を論じる、フェミニズムの一形態である。
概要
ラディカル・フェミニズムは、1970年に出版されたケイト・ミレットの『性の政治学』と、シュラミス・ファイアーストーンの『性の弁証法』を思想的支柱とする。ミレットは、「家父長制」を男性が女性に性的従属を強いるシステムであると定義し、これが私的領域から公的領域に至るまで影響を及ぼしていると批判。男女の性差は家父長制の産物であるとした。またファイアーストーンは、女性の生殖能力も男性優位を前提とした階層構造を発展・維持させている要因であると論じた[1]。こうした急進的な思想は、アンドレア・ドウォーキンらによって更なる発展を遂げ、一定の影響力を持ったが、
ポルノグラフィ撲滅運動
ラディカル・フェミニズムを端的に象徴するものとしてポルノグラフィ撲滅運動がある。ラディカル・フェミニストは、ポルノグラフィに出演した女性の被害例(身体的・精神的暴力を伴う撮影など)や、ポルノグラフィが男性による性犯罪・ドメスティックバイオレンス・セクシャルハラスメントを助長するとした強力効果論を挙げ、またポルノグラフィの存在を社会的に容認することは女性蔑視を再生産するものと決め付け、女性解放の障害になっていると飛躍し、厳罰を伴う法的規制を求めている。1980年代に、キャサリン・マッキノンとアンドレア・ドウォーキンらが展開した『反ポルノグラフィ公民権条例』運動は特に有名であり、ポルノ・買春問題研究会などの日本のラディカル・フェミニズム団体に多大な影響を与えている。
ポルノグラフィ撲滅運動は、純潔思想からポルノグラフィを糾弾している保守系議員やキリスト教原理主義団体といったアンチフェミニズム・アンチジェンダーフリー勢力と連携して行われるケースが多く[2]、。
代表的な活動家
団体
- イクオリティ・ナウ
- ポルノ・買春問題研究会
- ヒューマン・ライツ・ナウ
脚注
- ↑ “ミレットとファイアーストーン”. . 2009年9月12日閲覧.
- ↑ “キャサリン・マッキノン、一九九一年の座談会でクラレンス・トーマス最高裁判事を支持する発言”. . 2011閲覧.
関連文献
- マギー・ハム著、木本喜美子・高橋準監訳、『フェミニズム理論辞典』、明石書店、1999/07、ISBN 4750311723
- 吉沢夏子、『女であることの希望 ラディカル・フェミニズムの向こう側』、勁草書房、1997/03、ISBN 9784326651993
- ナディーン・ストロッセン著、松沢呉一監修、岸田美貴訳、『ポルノグラフィ防衛論ーアメリカのセクハラ攻撃・ポルノ規制の危険性』、ポット出版、2007/10、ISBN 9784780801057
- アンドレア・ドウォーキン著、寺沢みづほ訳、『ポルノグラフィ-女を所有する男達』、青土社、1991/04、ISBN 9784791751280
関連項目
- ミサンドリー
- ミソジニー
- ジェンダーフリー
- フェミナチ
- 国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)
- ポルノ・買春問題研究会
- イクオリティ・ナウ
- フェミニスト・イニシアティヴ
- ラリー・フリント
- ポルノグラフィ