揖保川
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揖保川(いぼがわ)は、兵庫県の南西部を流れる一級水系の本流である。加古川・市川・夢前川・千種川と並び播磨五川と呼ばれている。流域面積は播磨五川のうち加古川に次ぐ広さ。
地理
兵庫県宍粟市の藤無山(標高1,139m)に源を発し南流。たつの市を貫流し、姫路市余部区付近で中川を西に分け、三角州を形成。姫路市網干区で播磨灘に注ぐ。流川69.736キロメートル[1]。中川は姫路市とたつの市の境を成す。
たつの市内の堤防には、増水時に住居の畳を使って護岸を嵩上げする畳堤を行う地域がある。
水生昆虫
カゲロウ目・カワゲラ目・トビケラ目などの多くの水生昆虫が生息している。
- カゲロウ目
- タニヒラタカゲロウ:上流域から中流域にかけて分布
- ナミヒラタカゲロウ:上流域から中流域にかけて分布
- チラカゲロウ:上流域から下流域まで広く分布
- ユミモンヒラタカゲロウ
- エルモンヒラタカゲロウ
- シロタニガワカゲロウ
- アカマダラカゲロウ
- カワゲラ目
- ヤマトヒメカワゲラ:中流域に分布
- トビケラ目
- ヒゲナガカワトビケラ:上流域から下流域まで広く分布
- チャバネヒゲナガカワトビケラ
- コガタシマトビケラ
- 源流である氷ノ山では、コエグリトビケラ属の新種や、オンダケトビケラ属の未記載種、カメノコヒメトビケラ属の一種など、非常に希少な種が生息している。
支流の引原川の水源は、最も高い地点では本流の水源とされる藤無山の標高を上回る標高約1170mにあり[3]、水系全体でも水温が広い範囲で比較的低いため、冷水を好む種が広い範囲で豊富に見られることが特徴である。 下流部で合流する支流中垣内川においても、冷水を好む水生昆虫の分布が確認されている[4]。
流域の自治体
主な支流
括弧内は流域の自治体 本流への合流順。
- 黒原川(くろはらがわ、、宍粟市)
- 草木川(くさきがわ、、宍粟市)
- 福知川(ふくちがわ、神崎郡神河町、宍粟市)
- 引原川(ひきはらがわ、宍粟市)
- 染河内川(そめごうちがわ、宍粟市)
- 伊沢川(いさわがわ、宍粟市)
- 菅野川(すがのがわ、宍粟市)
- 栗栖川(くりすがわ、たつの市)
- 中垣内川(なかがいちがわ、たつの市)
- 林田川(はやしだがわ、姫路市、たつの市、揖保郡太子町、姫路市)
- 中川(分流)
産業
たつの市新宮町・龍野町両地域付近は、淡口醤油や手延べ素麺・揖保乃糸の特産地である。
並行する交通
鉄道
道路
流域の観光地
支流付近も含む。
- 伊和神社(兵庫県宍粟市一宮町須行名)
- 福知渓谷(兵庫県宍粟市一宮町福知)
- 原不動滝(兵庫県宍粟市波賀町原)
- ばんしゅう戸倉スノーパーク(兵庫県宍粟市波賀町戸倉)
- 波賀城史跡公園(兵庫県宍粟市波賀町上野)
- 龍野城と城下町(兵庫県たつの市龍野町 城周辺には資料館・記念館・公園・寺社などあり、Wikipedia内に独立記事を持つものもある。詳細は前記龍野城とたつの市から。住所に龍野町を含むものが該当する。)
- 古井家住宅 (兵庫県姫路市安富町皆河)
- 鹿ヶ壺 (兵庫県姫路市安富町関)
環境
2003年度に実施された環境省の河川・湖沼・海域の水質測定の結果によると、1993年度測定から水質改善度が全国の河川の中で最も大きかったのは揖保川下流である。下流域の土砂浚渫と多自然型護岸造成により、中流までの良い水質を損なうことが少なくなったことによる。
2016年より、下流域で生息が確認されていたアリゲーターガーの捕獲が漁協により試みられてきたが、2017年5月2日、釣り愛好家の手により体長約1メートルのアリゲーターガーが釣り上げられ、除去された[5]。
参考文献
- ↑ “下水道 (PDF)”. 市政の概要 平成27年版. 姫路市. . 2015閲覧.
- ↑ 久後地平、兵庫県生物学会編、「揖保川の水生昆虫」『兵庫県生物学会65周年記念誌 豊かな兵庫の自然力 - 生物の多様性と人々の営み -』、神戸新聞総合出版センター、2011年、98-99頁
- ↑ http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?centerLat=35.32598012806091¢erLon=134.51094210147858&zoomLevel=18&did=std
- ↑ |ひょうごの川自然環境アトラスWEB版 揖保川水系編 p.5 兵庫県土整備部土木局河川計画室 2009年 底生生物とあるが、ここにある種はすべて昆虫である
- ↑ ついに釣り上げた,揖保川でアリゲーターガー捕獲 神戸新聞NEXT(2017年5月11日)2017年5月12日閲覧
典拠レコード: