権利の章典
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権利の章典(けんりのしょうてん、英: Bill of Rights)は、イギリスの不成典憲法を構成する法律の1つである。正式名称は「臣民の権利と自由を宣言し、かつ、王位の継承を定める法律」(An Act Declaring the Rights and Liberties of the Subject and Settling the Succession of the Crown)である。 権利章典と表記される場合もある。
1688年、名誉革命によりイングランド王ジェームズ2世が追放、廃位され、代わってオランダ共和国より迎えられたウィリアム3世とメアリー2世が即位した。ユリウス暦1689年12月16日、上院・下院両院の奏上のもと、国王の理解により「権利の宣言」をもとに成文化したものが「権利の章典」である。
法典は2018年現在も有効であり、イギリスでは不文憲法の根本法となっている。
内容
イングランド国王の存在を絶対前提とした上で、国王に忠誠を誓う議会および国民のみが享受できる権利と自由を定めた法律である。国王といえども否定できない、国民が古来より相続してきた諸権利を確認した。
- 議会の同意を経ない法律の適用免除・執行停止の禁止。
- 議会の同意なき課税、平時の常備軍の禁止。
- 議会選挙の自由、議会内の発言の自由、国民の請願権の保障。
- 議会を召集すること。
- 国民の請願権、議会における議員の免責特権、人身の自由に関する諸規定。
- 王位継承者からカトリック教徒を排除すること。
関連項目
- 法の支配
- コモン・ロー
- 権利の請願
- 1701年王位継承法
- イギリスの憲法
- イギリス陸軍 - 上記の「平時の常備軍の禁止」から、建前上は“臨時に”陸軍を編成する許可を議会が可決する必要がある。また、イギリス海空軍の英語名が "Royal" (王立)を冠するのに対して、あくまで陸軍は "British" (イギリスの)と称するのが正式とされており、ここにも王権の制限と議会主権の理念が見て取れる。
外部リンク
- 権利章典(歴史文書邦訳プロジェクト)