GPE Palmtop Environment

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GPE Palmtop Environment再帰的頭字語になっていて、略称はGPE)は、Linuxの動作する携帯情報端末向けのGUI環境である。PIM、オーディオ再生、電子メール、ウェブ閲覧などを携帯機器で実行するためのソフトウェアコンポーネントやアプリケーションが全て含まれた完全な環境になっている。

GNU General Public LicenseおよびGNU Lesser General Public Licenseでライセンスされており、フリーソフトウェアである。

サポートしているデバイス

GPE は以下のプラットフォームを対象とした組み込みLinuxディストリビューションにバンドルされている。

さらに、以下の機器にも移植が行われている。

2007年2月5日、GPEプロジェクトは携帯電話向けの GPE Phone Edition を発表した[1]

開発

GPEはX Window SystemベースのGUIであり、インタフェースとして GTK+ウィンドウマネージャとしてMatchboxを使っている。このプロジェクトでは強力なアプリケーションを容易に開発できる基盤を提供するため、SQLiteD-BusGStreamer、その他のfreedesktop.orgが定義した標準を利用し、共有ライブラリやデータベーススキーマといった中核機能を提供している。

GPEプロジェクトの主な目標は、携帯機器におけるフリーソフトウェア開発を促進し、新技術を試すことにある。

GPE上で開発されたアプリケーションには、以下のようなものがある。

  • GPE-Contacts - 連絡先管理
  • GPE-Calendar - カレンダー
  • GPE-Edit - 単純なテキストエディタ
  • GPE-Filemanager - MIMEタイプをサポートしたリモートアクセス可能なファイルマネージャ
  • GPE-Gallery - 画像ビューア
  • GPE-Games - 小さいゲームのコレクション
  • GPE-Mini-Browser - CSSJavaScriptをサポートしたWebブラウザ
  • GPE-Sketchbook - スケッチが可能なメモ
  • GPE-Soundbite - 音声メモツール
  • GPE-ToDo - TODOリストマネージャ
  • GPE-Timesheet - タスク実行時間計測
  • Starling - GStreamerベースのオーディオプレーヤー
  • VLC - メディアプレーヤー

GPEのPIMアプリケーション(GPE-Contacts、GPE-Calendar、GPE-ToDo)は、対応するデスクトップおよびウェブアプリケーション(EvolutionMozilla SunbirdGoogle Calendar など)と GPE-Syncd およびOpenSyncフレームワークを通して同期できる。

GPEには各種設定を行うGUIユーティリティも含まれている(IEEE 802.11 無線LAN、BluetoothIrDAファイアウォールALSAIpkg パッケージマネージャなど)。

Tinymailフレームワークに基づくプッシュ型電子メールクライアントは開発中である。

Linuxディストリビューション

GPEは以下の組み込みLinuxディストリビューションでは主要な環境とされている。

上掲のディストリビューションほどではないが、GPEは以下のディストリビューションでも利用可能になっている。

論争

GPEプロジェクトに関しては、ホスティングサービスの変更、IRCチャンネルの所有権、商標について論争が続いている[2][3]

Webホスティング

GPEは2002年4月からHandhelds.orgでホスティングされていた。しかし、開発者から示唆があり、2006年10月にLinuxtogo.orgに移転した[4]。Handhelds.orgは去っていった開発者のユーザアカウントを削除し、元のGPE Handhelds.orgサイトにあった新たなGPE Linuxtogo.orgサイトへのリンクや参照を全て削除した[5]

IRCチャンネル

上記に関連して、両者がFreenode.netにある#gpeというIRCチャンネルの所有権を主張している。Freenode.netは両者が合意に達するまで、そのチャンネルの事実上閉鎖している。その後、Linuxtogo.orgは#gpe-projectを使い、Handhelds.orgは#handhelds-gpeを使っている(共にFreenode.netにある)。

商標

Handhelds.orgの管理者George Franceは2007年3月6日、OPIEおよびIpkgと共にGPEについても米国特許商標庁に商標登録を出願した[6]。2007年6月25日、米国特許商標庁は Handhelds.orgのGPEの所有権の証拠としてHendhelds.orgのウエブサイトのスクリーンショットを採用できないと判断し、より具体的な「GPE製品」の見本を要求した[7]。Handhelds.orgとOSI評議会メンバーのRuss Nelsonは、GPEプロジェクトはHandhelds.orgを足場として開発してきたと主張した[8]

Linuxtogo.orgのGPE開発者らは、彼らがGPEプロジェクトの実体であるとし、Handhelds.orgは単にホスティングを提供していただけだと主張した[9][10]。さらに彼らはGPEプロジェクトがHandhelds.orgでホスティングされる以前から存在していた点を指摘した[11]

2008年2月27日、米国特許商標庁はGPEの商標について拒絶査定を下した。George France は出願内容を修正し(GNUとLinuxに関する参照を削除)、GPEの商標は2008年6月3日、異議申し立てのために公表された[12]

これに対して、Linuxtogo.orgのGPE開発チームはHandhelds.orgで開発されたGPE基盤部分を捨てることにした。ブートローダを別のものにし、IpkgからOpkgに乗り換えた。ただし、アプリケーションに対してはほとんど影響はない。[13]

関連項目

脚注

  1. Boor, Florian (2007年2月5日). “New Project: GPE Phone Edition”. . 2007閲覧.
  2. Willis, Nathan (2007年5月24日). “GPE project and Handhelds.org in acrimonious trademark dispute”. . 2007閲覧.
  3. Corbet, Jonathan (2007年7月7日). “Whose project is it anyway?”. . 2007閲覧.
  4. テンプレート:Cite newsgroup
  5. Diff for "GPEProject" - Handhelds.org MoinMoin Wiki” (2007年1月4日). . 2007閲覧.
  6. "US Serial No: 77123546, Application"” (2007年3月26日). . 2007閲覧.
  7. "US Serial No: 77123546, Offc Action Outgoing"” (2007年7月25日). . 2007閲覧.
  8. Nelson, Russ (2007年5月25日). “The backstory to the trademarks”. . 2007閲覧.
  9. テンプレート:Cite newsgroup
  10. Boor, Florian (2007年5月23日). “Threatened - update”. . 2007閲覧.
  11. テンプレート:Cite newsgroup
  12. "Latest Status Info"” (2008年6月3日). . 2008閲覧.
  13. Boor, Florian (2008年3月28日). “GPE trademark rejected”. . 2008閲覧.

外部リンク