[[:テンプレート:Mp]]
テンプレート:Mp | |
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分類 | 地球近傍小惑星[1] |
軌道の種類 | アテン群[1] 地球横断小惑星 地球の衛星(一時)[2][3] |
発見 | |
発見日 | 2006年9月14日[4] |
発見者 | カタリナ・スカイサーベイ[4][3] |
発見方法 | 自動検出 |
軌道要素と性質 元期:TDB 2454114.5 (2007年1月14.0日)[1] | |
軌道長半径 (a) | 0.99947313(4) AU[1] |
近日点距離 (q) | 0.978906748(6) AU[1] |
遠日点距離 (Q) | 1.02003951(4) AU[1] |
離心率 (e) | 0.020577(4)[1] |
公転周期 (P) | 364.96827(2) 日[1] (1.00 年[1]) |
軌道傾斜角 (i) | [1] | 1.5610083(7) 度
近日点引数 (ω) | 183.4004(3) 度[1] |
昇交点黄経 (Ω) | 290.59799(8) 度[1] |
平均近点角 (M) | 359.4017 度[1] |
EMoid | 381万6930 km (0.0255146 AU[1]) |
前回近日点通過 | JED 2454115.0990(3)[1] (2007年1月14日[1]) |
物理的性質 | |
直径 | 3 - 6 m[2] |
自転周期 | 0.04583 時間[1] 2分45秒 |
絶対等級 (H) | 29.527 ± 1.2523[1] |
■Template |
テンプレート:Mpとは、アテン群[1]に属する直径約3mから6m[2]の微小な地球近傍小惑星の1つである。2006年9月から2007年6月までの間、この小惑星は地球の周囲を自然衛星として周回し、一時的な「第2の月」となっていた[2]。
軌道の性質
テンプレート:Mpは、0.9995AUの軌道長半径を持ち、公転周期は364.968日である。軌道傾斜角は1.56度とほとんど傾いておらず、離心率は0.021とほぼ真円である[1]。このようにテンプレート:Mpの公転軌道はきわめて地球の公転軌道と似通ったものであることから、しばしば地球に対して遅い相対速度(例えば、2028年10月9日には相対速度0.79km/s、2006年9月11日には同0.86km/s[5])で接近することとなる。接近の際の地球軌道との最小距離も381万7000km (0.0255AU) と、月の平均公転半径である38万4400kmの約10倍の値であり、太陽系スケールで見た場合にはかなり近い[1]。
物理的性質
テンプレート:Mpの標準等級(小惑星の絶対等級)は29.5等級[1]ときわめて小さな値であり、直径は3mから6m[2]という微小なサイズであると推定されている。発見時の明るさ(視等級)は19.3等級[3]、最も明るくなった時でも18.7等級という暗い天体である[4]。また、2分45秒の周期で自転している[1]。
周回軌道
テンプレート:Mpは上記のとおり地球ときわめて似通った軌道を持つため、地球接近時に地球の重力に捕らわれ、一時的な地球の自然衛星になる場合がある[2]。テンプレート:Mpは、天然の天体である事がわかっている中で初の「第2の月」であり、2013年2月時点まででの唯一の観測事例である。
このような軌道をもつ天体としては、2002年9月3日に発見されたJ002E3と[6]、2006年8月28日に発見された6Q0B44E[7]が前例としてあったが、J002E3はアポロ12号で使用されたサターンVロケットのS-IVBであることが判明しており[6]、6Q0B44Eも未確定ながら人工物である可能性がきわめて高い[8]。そのため、テンプレート:Mpもカタリナ・スカイサーベイによる発見時には人工物であると疑われ、当初は6R10DB9と呼ばれていた[2][3]。しかし、テンプレート:Mpの太陽輻射圧による軌道変化を計算した結果、中身が中空で軽いロケットブースターであると仮定した場合の値と比べて実際の観測値に大きなずれがあることがあきらかとなったことから、人工物ではなく天然の天体である事が判明した[2][3]。このためテンプレート:Mpという小惑星の正式な仮符号が与えられたのは、発見から17か月後の2008年2月18日である[4]。
テンプレート:Mpは、月への小惑星の衝突により飛び散った破片がその起源である可能性がある[9]。なおシミュレーションによれば、テンプレート:Mpのような「一時的な地球の衛星」が常時50個ほど地球の周囲を周回している計算となるが、それらは直径が50cmとテンプレート:Mpのさらに10分の1程度の微小なサイズと想定されているため、実際の観測は難しく2013年2月時点でそのような天体は未発見である[10]。
テンプレート:Mpが地球の周回軌道に乗っていることが観測されたのは2006年9月から2007年6月までの間で、この期間に地球の周囲を3回公転した。軌道は約9万kmから約20万kmの軌道長半径と約0.41から約0.75の離心率を持ち、軌道傾斜角は最初のみ約40度、それ以降はほぼ直角の軌道を持っていた[2]。この期間は地球や月に頻繁に接近しており、ジェット推進研究所のデータベースにおけるテンプレート:Mpに関するデータのほとんどがこの期間のものであることがわかる[1]。
元期 | 軌道長半径 (km) |
離心率 | 公転周期 (日) |
軌道傾斜角 (度) |
近地点引数 (度) |
昇交点黄経 (度) |
近地点通過日時 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年9月2日 | 1589136 | 0.475 | 230.7 | 41.4 | 180.3 | 159.1 | 2006年9月12.3日 |
2006年9月12日 | 1936139 | 0.567 | 310.3 | 41.3 | 175.7 | 159.5 | 2006年9月11.2日 |
2006年9月19日 | 1857264 | 0.559 | 291.5 | 41.8 | 167.2 | 159.7 | 2006年9月9.7日 |
2006年12月18日 | 1132535 | 0.519 | 138.8 | 90.9 | 125.2 | 105.4 | 2007年1月1.7日 |
2006年12月21日 | 1070442 | 0.486 | 127.6 | 91.6 | 126.7 | 105.9 | 2007年1月2.2日 |
2006年12月31日 | 905792 | 0.410 | 99.3 | 91.7 | 137.4 | 105.4 | 2007年1月3.7日 |
2007年1月10日 | 1087484 | 0.512 | 130.6 | 91.2 | 138.4 | 105.2 | 2007年1月3.8日 |
2007年1月19日 | 1040366 | 0.517 | 122.2 | 89.9 | 132.0 | 104.2 | 2007年1月3.4日 |
2007年3月11日 | 938816 | 0.637 | 104.8 | 87.9 | 94.5 | 102.5 | 2007年3月25.6日 |
2007年3月21日 | 1008880 | 0.646 | 116.7 | 85.7 | 90.8 | 102.8 | 2007年3月25.4日 |
2007年3月31日 | 1060707 | 0.664 | 125.8 | 85.3 | 94.3 | 102.9 | 2007年3月25.6日 |
2007年4月9日 | 970339 | 0.624 | 110.1 | 84.3 | 93.0 | 102.6 | 2007年3月25.1日 |
2007年5月31日 | 867738 | 0.702 | 93.1 | 89.2 | 78.1 | 124.9 | 2007年6月14.4日 |
2007年6月9日 | 959197 | 0.712 | 108.2 | 89.6 | 73.1 | 124.2 | 2007年6月14.2日 |
2007年6月19日 | 997522 | 0.720 | 114.8 | 89.7 | 74.8 | 124.3 | 2007年6月14.3日 |
2007年6月28日 | 1119652 | 0.748 | 136.4 | 90.5 | 77.3 | 124.5 | 2007年6月14.6日 |
日時 (TDB) |
最接近距離 (km) |
月軌道 との比 |
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2006年9月11日07:39 | 839344 | 2.18 |
2007年1月3日18:02 | 533436 | 1.39 |
2007年3月25日12:31 | 353455 | 0.92 |
2007年6月14日05:30 | 276839 | 0.72 |
今後
テンプレート:Mpが次回地球に最接近するのは2028年10月9日で、地球から383万7000km (0.02565AU) まで接近すると推定されている[1]。この時にも太陽周回軌道から地球の一時的な衛星に軌道を変更する可能性があるが、詳細は不明である。またこの後の接近も、測定された軌道の値の不正確さと、微小な天体にかかるヤルコフスキー効果(当該天体からの熱放射の不均衡が当該天体の軌道に影響を与える効果)の影響がよくわかっていないため不明である[1]。
2017年には、地球から見て太陽方向に約3億km (2AU) 離れた位置、すなわち地球の太陽公転軌道のちょうど反対側の位置付近に移動していると考えられている。
脚注
- ↑ 1.00 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05 1.06 1.07 1.08 1.09 1.10 1.11 1.12 1.13 1.14 1.15 1.16 1.17 1.18 1.19 1.20 1.21 1.22 1.23 1.24 1.25 1.26 (2006 RH120) JPL Small-Body Database Browser
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 2006 RH120 ( = 6R10DB9) (A second moon for the Earth?) Great Shefford Obsevatory
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 Earth's "Other Moon" Sky & Telescope
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 MPEC 2008-D12 : 2006 RH120 Minor Planet Center
- ↑ NEO Earth Close-Approaches Near Earth Object Program
- ↑ 6.0 6.1 New 'moon' found around Earth BBC News
- ↑ The DISTANT ARTIFICIAL SATELLITES OBSERVATION (DASO) Circulars Minor Planet Center
- ↑ "Pseudo-MPEC" for 6Q0B44E Project Pluto
- ↑ "Pseudo-MPEC" for 6R10DB9 Internet Archive: Wayback Machine
- ↑ Mystery Mini Moons: How Many Does Earth Have? Discovery News