騎士 (アリストパネス)

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騎士』(きし、: Ἱππεῖς, Hippeîs, ヒッペイス: Equites)は、古代ギリシアアリストパネスによるギリシア喜劇の1つ。

国家としてのアテナイもしくはアテナイ市民を擬したデーモスの下にやって来た、当時の扇動政治家クレオーンを擬したパプラゴーン(パプラゴニア人と表記される事も)という新参奴隷が、主人に言葉巧みに取り入り、将軍ニーキアースデーモステネースを擬した奴隷たち[1]をやり込めようとしているところで、もっと狡猾なアゴラの腸詰屋[2]アゴラクリトスにやり込められるという風刺話が描かれる。題名は劇中でコロス(合唱隊)役を担う「アテナイの騎士たち」にちなむ。

紀元前424年レーナイア祭で上演され優勝した。2等はクラティノスの『サテュロスたち(サテュロイ)』、3等はアリストメネスの『材木担ぎ屋たち(ヒューロポロイ)』だった[3]

構成

日本語訳

脚注・出典

  1. 詩曲には『デーモス家の下男・甲、同・乙、同・丙』(松平千秋 訳による)としてか表記されておらず、デーモステネースニーキアースクレオーンの名は出てこない。もっとも下男・甲役はデモステネスに、下男・乙役はニキアスに似せた仮面を被って演じた。一方下男・丙役の被る仮面についてはクレオンには全く似ていない。アリストパネスはそっくりな仮面を被らせたかったが、製作者が怖がって全く似ない仮面を作ってしまったためである。また、下男・丙役を割り当てられた俳優がやはり怖がって出演を拒否したために、競演時この下男・丙役はアリストパネス自身が顔を赤く塗って演じている。
  2. “ソーセージ屋”と訳される事が多いが、原語“allas”は牛や豚の内臓から作ったもので厳密にはソーセージとは異なる。日本語には適当な訳語が無い。
  3. 『全集1』 岩波 p.343