部領使

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部領使(ことりづかい/ぶりょうし)とは、古代日本において、人員や物資を引率して送り届けるための使者である。兵士・防人・衛士・鷹・米・・経典などをおくり届けた。

概要

「事(こと)執り」から「ことり」と呼ばれるようになったと言われており、本来は一団の長、集団を統率する者を意味していた。そこから、人や物を徴用・宰領して輸送する官使を指すようになった。『万葉集』巻第二十4327番の後の但し書きには、「防人部領使遠江国史生坂本朝臣人上(さかもと の あそん ひとかみ)が進(たてまつ)る歌の数十八首」とある。「防人部領使」とは、各国の防人を難波津まで護送する地方官で、「軍防令」によると、

およそ衛士の京に向ひ、防人の津に至らむ間には、みな国司をして親しく自ら部領せしめよ

とある。部領使は他国では(さかん)の国司が担当しており、遠江は例外である。

ほかにも「相撲部領使」があり、これは陰暦7月の「相撲節」の相撲人を京に召し出すために、朝廷から諸国に派遣される使者で、これを単に部領使、または相撲使とも呼んだ。

また、「部領」とは奈良時代平安時代春宮坊で、「帯刀の陣」(たちはきのじん)で帯刀の長(たちはきおさ)に次ぐ事務担当官の意味でもある。春宮の舎人左右の衛門尉(えもんのじょう)が兼任した。「木鳥」(もくちょう)・「籠取り」とも呼ばれた。

脚注

参考文献

関連項目