生産出荷

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生産出荷(せいさんしゅっか)とはある製品が生産拠点、すなわち工場から自社倉庫出荷されること。またその数を表す単位。主に生産数と出荷数の乖離が発生しやすい農業工業(最終工程)などの第一次産業で使われている。

概要

農業を例に取った場合、一般的には次のような流通経路がとられている。

生産者(農家)→農協市場小売店消費者

生産者から農協に出されることが生産出荷であり、農協から市場(または小売店)に出されることが出荷である。 (業種によっては農協、市場、小売店に当たる箇所が複数存在したり、なかったり、内部で循環することがある)

乖離が発生する理由には、農業の場合以下のようなものが挙げられる。

  • 豊作の場合、価格の暴落を防ぐため、生産数のうちの一部だけを出荷対象とする。
  • 風評被害ブームの終焉などにより生産者が想定していた需要が望めなくなった場合。
  • 病虫害や自然災害などにより販売に適さなくなったものは出荷できなくなる。
  • 大きさや形状などで規格が分かれている作物の場合、その枠内に収まらないもの(いわゆる「うらなり」)は作物として異常がなくても出荷から除かれる。ただし、ジュースなどの加工用としての販路が出来上がっている場合もある。
  • 農家が直接、消費者に販売した場合。

工業製品の「生産出荷台数」の重要性

資産価値が高く生鮮品と違い各業者の倉庫へ長期間溜めておくことができそうな工業製品は、初期において「生産出荷数」「出荷数」「販売数」を厳密に区別する傾向があった。 首記の通り生産出荷数は完成した商製品に対する数であり、旧来の流通システムでは消卸売業者へ出荷しない限り資産として積み上げられる粉飾状態となるからである。

しかし、近年の生産拠点のグローバル化、メーカーによる直接販売方式の拡大や流通方式システムの多様化、ネット通販などの流通革命により、製造業では卸売を経由しない複雑な販売形式が台頭し主流となった。このような販売ルートを積極的に採用しているメーカーにおいては、従来の定義による「生産出荷数」と「出荷数」の管理と把握、区別が不可能となった。またアメリカにおいて、実体のない製品の「出荷」による「資産の付け替え」が多発し、メーカーによる業績の粉飾や資産に対する印象操作、株価対策への懸念から、あえて「生産出荷数」を公表することで透明性を高めるケースが増えている。

脚注

関連項目