日本海水
株式会社日本海水(にほんかいすい、英文名称Nihonkaisui CO.,LTD.)は塩、環境関連製品の製造・販売を行う企業。海水資源を活用した海水産業分野での新たなビジネスモデル創出にも取り組む。
沿革
2004年10月に、新日本ソルトと赤穂海水が合併して発足した。前身となった企業の沿革も合わせて記す。
- 新日本ソルト沿革
- 赤穂海水沿革
- 日本海水沿革
- 2004年 - 新日本ソルト株式会社(存続会社)と赤穂海水株式会社が合併。旭化成から独立し「株式会社日本海水」に社名変更
- 2005年 - 持株会社である株式会社ソルトホールディングスと株式会社日本海水が合併
- 浦島海苔株式会社を連結子会社化 - 2006年 - 讃岐塩業株式会社を吸収合併
- 2007年 - エア・ウォーター株式会社のグループに加わる
- 2009年 - 株式会社マリン・テックを連結子会社化
- 2013年 - アクアインテック株式会社を連結子会社化
- 2013年 - 全国の塩元売業者と共に共同仕入・販売を行う塩業共栄会を発足
- 2013年 - 株式会社NMソルトと業務提携
- 2015年 - 浦島海苔株式会社を吸収合併。食品・農業事業部を新設し事業を引き継ぐ
製塩事業
国内塩の50%以上を生産するリーディングカンパニー。「イオン交換膜法」を実用化し、国内メーカーで唯一有する3つの工場、小名浜工場(福島県いわき市)、赤穂工場(兵庫県赤穂市)、讃岐工場(香川県坂出市)でそれぞれの風土や地の利を生かした家庭用塩・業務用塩やにがり、凍結防止剤の製造を行う。
家庭用塩は、「トッピングソルト」や「和の豊塩」、「お塩で減塩」などの自社ブランドのほか、百貨店などのプライベートブランド、契約先のOEM(相手先ブランド生産)などにより、バリエーション豊富な製品の製造を行っている。
業務用塩は、使用目的に合わせた高品質な塩を安定的に提供できることが市場で評価され、醤油、味噌、漬物、水産加工品などの食品加工分野で、多くのメーカーで利用される。
また、ブライン(不凍液・熱媒体)、皮革工業用、家畜の飼料向け、さらには透析溶剤の原料などの医療用にも利用される。
観賞魚用の人工海水塩(商品名:シーライフの製造・販売を子会社の株式会社マリン・テックで行う。
- 注: 小名浜工場は、東日本大震災の影響により、操業停止が長期化しているとの告知が出ている。
環境事業
- 水酸化マグネシウム事業
海水に含まれるマグネシウムイオンを有効に利用し、水酸化マグネシウム・スラリー(水酸化マグネシウム粒子の混濁液)を生成。安価なアルカリ剤として、排煙脱硫用、排水中和用、工業原料用途など、幅広い用途に使用されている。
- リードエフ事業
排水処理・土壌処理に適した高性能吸着剤(商品名:リードエフ)の製造・販売を行う。砒素用、フッ素用、ホウ素用、リン用の4種類がある。
企業や自治体の環境対策が進む中、半導体・ガラス・金属・フッ素製品などの工場から出される排水、地下水・飲料水の処理などに利用される。
また、トンネル工事や地下鉄工事などで掘削された土壌に含まれる有害物質の処理にも利用される。
食品事業
- 海苔
浦島海苔株式会社を吸収合併して農業事業と共に新設された。旧浦島海苔の工場設備を熊本工場(熊本県玉名市)として引き継ぎ、「浦島海苔」のブランド名で同社が行ってきた海苔の製造・販売を行っている。
- 食品添加物
赤穂・讃岐両工場において製塩の過程で発生するにがりを食品添加物「粗製海水塩化マグネシウム」として豆腐凝固剤や食品素材などに用いられる。