新厚生経済学
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new welfare economics
アーサー・C.ピグーの厚生経済学が効用の測定とその個人間比較の可能性を暗黙裏に前提としていたのに対し,この前提を回避して客観的な厚生基準を求めようとするもの。
ライオネル・C.ロビンズが効用の個人間比較の可能性の前提を経験的に認められないと批判したのをはじめとして,アバ・P.ラーナー,ニコラス・カルドア,ジョン・R.ヒックス,アブラム・バーグソン,ポール・A.サミュエルソンなどにより 1930年代後半に発展した。この新しい厚生経済学は,パレート最適の概念を基礎として,補償原理,社会的厚生関数などを援用し,厚生経済学の基本的前提の検討をも行なう。
ピグーにおいては生産と分配がともに経済的厚生の本質とされていたのに対し,新厚生経済学は価値判断が介入せざるをえない分配問題についての発言を回避している。