密猟
密猟(みつりょう、英: poaching)とは、国際間の協定や法令を無視して陸上の動物を採取する事である。
魚介類を不法に採取することは密漁と書き分けて区分する。アザラシなど海産哺乳類には密猟を使う。
概要
特に絶滅が危惧されている動物はその希少価値と相まって、裏のルートでは信じられないほどの高値が付くとされる。そのため、法律で規制されていても密猟が摘発される事例は後を絶たない。
ペットとして求められる場合もあれば、牙など一部の部位のみを求める場合、さらにはグルメや漢方薬の材料として求められる場合など様々なケースがあるが、いずれも標的となった動物がその土地からいなくなることに変わりはない。
絶滅が危惧されている動物は、その個体数自体が僅かであるため、たとえ一頭だけが採取されたとしても種の存続に多大なダメージを負う可能性もある。実際、人間による乱獲が原因で動物が絶滅した事例は枚挙にいとまがない。
そのため、密猟行為は厳重に取り締まらなければならないのだが、これら密猟の標的になりやすい貴重な動物は、特にアフリカや東南アジアなど国家財政が厳しい国に分布しているケースも多い。これらの国では、まずは国民が豊かになる施策こそが重要とされ、動物の保護は後回しにされる事が多い。さらに、腐敗が進行している国家では、密猟を取り締まるべき治安当局者が賄賂によって懐柔されたり、時には治安当局者自らが密猟に参加することさえある。
このように、世界的には密猟への対策が十分に取られているとは言い難い。
日本での問題
現在の日本で広く行われている密猟としては、メジロなど野鳥のそれが挙げられる。詳しくはメジロの項を参照。
過去においては、ニホンオオカミやラッコ、ニホンアシカ、ニホンカワウソ といった毛皮獣が多く生息していたため、密猟も多く、ニホンカワウソの最後に確認された個体群は、密猟者が見つけたものであった。