大衆の反逆
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大衆の反逆 (たいしゅうのはんぎゃく) La rebelión de las masas | |
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著者 | ホセ・オルテガ・イ・ガセット |
訳者 | 樺俊雄、神吉敬三、桑名一博、佐野利勝、寺田和夫 |
発行日 | 1930年 |
発行元 | El Sol |
ジャンル | 哲学 |
国 | スペイン王国 |
言語 | スペイン語 |
コード |
ISBN 978-4-480-08209-1 ISBN 978-4-560-72101-8 ISBN 978-4-12-160024-0 |
『大衆の反逆』(たいしゅうのはんぎゃく、西: La rebelión de las masas、1929年)はホセ・オルテガ・イ・ガセットの著書である。
本書でオルテガは「大衆人」(英: mass-man、西: hombre‐masa[1])の起源をたどり、社会における大衆の権力と行動へと向けた勃興を記述する途中で、自分の気質を分析している。オルテガは大衆とそれを構成する大衆人の両方に対して本書を通してきわめて批判的で、「高貴な生と下等な生」を対比し、彼が大衆人の中に見出した野蛮性と原始性を非難している。
しかし、英語圏では通例そのように誤解されてきたが、彼は特定の社会階級、すなわち、一般に大衆として考えられる多数の労働者階級を指して批判しているのではない。むしろ、近代化に伴い新たにエリート層として台頭し始めた専門家層、とくに「科学者」に対し、「近代の原始人、近代の野蛮人」と激しい批判を加えている。
これは、彼がエリートと非エリートの区別を、その社会関係ではなく内面的、精神的な態度に求めていたことに関係がある。
出版
英語版
著者は初出版の二年後に出版された英語訳を公認し、この英語版には翻訳者が匿名のままにしてほしいと要請したと記してあるが、より最近の版は本書のアメリカでの著作権がTeresa Careyなる人物によって1960年に延長されたと記載してもいて、そしてUS・コピーライト・オフィスの1960年1月におけるアメリカの著作権の延長についての出版リスト[2]は、J. R. Careyという名前のまま翻訳者を記している。
日本語訳
- 樺俊雄訳
- 『大衆の蜂起』 樺俊雄訳、創元社、1951。
- 『大衆社会の出現 大衆の蜂起』 樺俊雄訳、創元社、1958。
- 神吉敬三訳
- 桑名一博訳
- 『オルテガ著作集 2 大衆の反逆 無脊椎のスペイン』 桑名一博訳、白水社、1969。ISBN 978-4-560-02081-4。
- 『大衆の反逆』 桑名一博訳、白水社、1975、選書判。ISBN 978-4-560-01821-7。
- 『大衆の反逆』 桑名一博訳、白水社、1985-10、新装単行判。ISBN 978-4-560-01852-1。
- 『大衆の反逆』 桑名一博訳、白水社〈イデー選書〉、1991-07。ISBN 978-4-560-01896-5。
- 『オルテガ著作集 2 大衆の反逆 無脊椎のスペイン』 桑名一博訳、白水社、1998-11、新装復刊。ISBN 978-4-560-02377-8。
- 『大衆の反逆』 桑名一博訳、白水社〈白水Uブックス 1101 思想〉、2009-03。ISBN 978-4-560-72101-8。
- 佐野利勝訳
- 『大衆の叛逆』 佐野利勝訳、筑摩書房、1953。
- 寺田和夫訳
脚注
- ↑ 世界大百科事典 第2版. “大衆の反逆”. コトバンク. . 2018閲覧.
- ↑ U.S. Copyright Renewals, 1960 January - June - Project Gutenberg
参考文献
- 色摩力夫 『オルテガ 現代文明論の先駆者』 中央公論社〈中公新書 894〉、1988-09。ISBN 978-4-12-100894-7。
- 西部邁 『大衆への反逆』 文藝春秋〈文春学藝ライブラリー 思想 10〉、2014-08。ISBN 978-4-16-813023-6。
- 渡辺修 『オルテガ』 清水書院〈Century books 人と思想 138〉、1996-08。ISBN 978-4-389-41138-1。新装版2014年