ヤマナシ
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ヤマナシ、ニホンヤマナシ(山梨、日本山梨 学名:Pyrus pyrifolia)はバラ科ナシ属の落葉高木[1][2]。果実を食用として栽培される和ナシの野生種で、日本国内では本州中部地方以南、四国、九州に自生する[3]。
Contents
特徴
樹高は5-10[2](10-15[1])mになる。枝は黒紫色でときに小枝は刺状になる。葉は互生し、葉身は長さ7-12cm、幅4-6cmになる卵形から狭卵形で、先端は鋭くとがり、基部は円形、縁は芒状の鋭い鋸歯がある。若い葉は両面とも褐色の綿毛が生えるが、のちに両面ともに無毛となり、成葉の表面は深緑色になる。托葉があり、葉柄は長さ3-4.5cmになる[1][2]。
花期は4-5月。葉の展開とほぼ同時に、短枝の先に散房花序をだし、白色の花を5-10個つける。花の径は2.5-3cm、小花柄は長さ3-5cmになる。萼は5裂し、萼裂片は狭卵形で、縁に腺状鋸歯があり、萼の内面に褐色の綿毛が密生する。花弁は5個。雄蕊は約20個あり、葯は紫色を帯びる。花柱は5個あり、離生し、基部に毛は無い[1][2][3]。
果期は9-10月。果実はナシ状果で直径2-3cmのほぼ球形になり、先端に萼片が残らない。黄褐色に熟し、表面に小型で円形の皮目が目立つ。果肉は白色で硬く渋い。種子は長さ8-9mmになる[1]。
国外分布と生育環境
国外では、中国南部、朝鮮半島南部に分布する。日本のものは、古い時代に中国から渡来して植えられたものが野生化したとの説がある[1][3]。
ギャラリー
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脚注
参考文献
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本I』、1989年、平凡社
- 茂木透、石井英美他『樹に咲く花(離弁花1) 山溪ハンディ図鑑3』、2000年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)