ベバスト

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ベバストWebasto SE )は、ドイツに本拠地を置く自動車関連企業である[1]

概要

1901年に創業し、営業拠点は46カ国、製造拠点は15カ国に渡る多国籍企業である[1]。事業は主に自動車ルーフとヒーター[1]。ヒーターはヨーロッパの厳しい気候で培われた品質に定評があり、キャンピングカーなどの防寒用に日本市場でも最も愛用されている[1]

FFヒーター

自動車本体のエンジンを切ったままで使用できる、主にキャンピングカートラック向けの所謂パーキングヒーターである。燃料はガソリン軽油灯油[2]が使用でき、モデル名に入っている数値はW数での最大暖房能力を示す[1]。外気を暖めるのではなく車内の空気を循環させる設計のため熱効率は高く、2.0 kWモデルで燃料消費は1時間使用して0.18 L程度、温度センサーにより調整しつつ暖めるので8時間使用しても1.0 - 1.5 Lである[1]。 「ベバストヒーター」はおろか、「ベバスト」という社名自体が自動車用パーキングヒーターの代名詞となっているほどメジャーな製品である。 ボルボの商用車など、車両によっては新車時にライン装着されるオプションを選ぶこともできる。

日本法人

1978年に大協(現ダイキョー・ニシカワ)との共同出資でダイキョー・ベバストが設立された[3]。1978年にはマツダ・RX-7のデタッチャブルブルトップを開発[3]。1985年には世界初の電動式キャンバストップを開発してフォード・フェスティバに採用、後に日産・マーチにも採用された[3]。1995年にはマツダ・ボンゴフレンディのオートフリートップを納入[3]

1999年ベバストの100%出資のベバストジャパン(英語:Webasto Japan Co., Ltd )が設立され、同時にヒーターにも参入した[3]。2002年にはダイハツ・コペンのデタッチャブルハードトップを納入している[3]。2006年には開閉時間世界最速を実現したマツダ・ロードスターのリトラクタブルハードトップを納入している[3]。2007年日産・ムラーノのパノラマルーフを納入している[3]

またかつて汎用性の高い後付けタイプのサンルーフも製作しており、世界中のマーケットへ輸出をしていた。現在後付けサンルーフは日本国内でベバストジャパンから切り離されベバストのオランダ工場で生産されレアバリュージャパンが輸入、販売を手がける。

後付けサンルーフ

予てから日本国内であらゆる自動車に取り付けが可能なサンルーフの要望があり、ダイキョー•ベバストからドイツ本国へ提言する形で製作が始まり1986年手動式後付けムーンルーフX-03を開発。日本国内での販売をレアバリュージャパンが手がける。1992年ムーンルーフX-03を発展させ電動での開閉を可能にしたトップスライダーを開発、販売開始。

その後ドイツベバストは後付けサンルーフ専用の開発拠点をオランダのカンペンに設立し本格的な世界販売を始める。1997年スカイトップ101、2002年ストラトス300、2004年には世界的に大ヒットとなるホランディア100及びホランディア300シリーズを販売開始。2006年には史上初の後付けキャンバストップホランディア400シリーズを発売する。ホランディア400シリーズは日本国内でも人気を呼び日本車メーカーへのOEM供給もされる。2016年には日本国内販売をレアバリュージャパンに完全集約し、新たな電動ガラスサンルーフH300を発売する。

外部リンク

関連項目

  • ミクニ - ベバストのライセンス生産の温風暖房装置を生産しており、鉄道車両用として国鉄に納入していた。

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 『ハイエースキャンパー完全ガイド』p.104。
  2. 燃料がガソリン又は軽油の場合は自動車の燃料タンクから供給されるよう取付ける場合、ヒーター用の燃料を補充する必要はない。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 公式ウェブサイト

参考文献

  • サンエイムック『ハイエースキャンパー完全ガイド』三栄書房 ISBN 978-4-7796-0506-2
  • 公式ウェブサイト