バリトンオーボエ
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バリトンオーボエ (baritone oboe) は、オーボエの同属楽器。バスオーボエ (bass oboe) とも呼ばれる。
この楽器を改良した楽器にヘッケルフォーン (Heckelphone) があり、相互に(特にバリトンオーボエのパートをヘッケルフォーンで)代用もできるが、楽器の外見、リードやボーカルの形状、細かい部分での運指など相違点も多い。バリトンオーボエはコーラングレのリードと楽器を拡大したような形状であるが、対してヘッケルフォーンはファゴットと同じくカエデの木で作られ、ファゴットと同系のリードを用いることが多い。そのため、専門のリード製作技術と、普段使用するオーボエ属とは若干異なる演奏技術が求められる。
概要
バリトンオーボエは、オーボエのほぼ倍の長さを持ち、オーボエよりも1オクターブ低い音の出る楽器である。ただし、オーボエの最低音変ロ(B♭)音に相当する音(その1オクターブ下の音)を持たない機種がほとんどである。ヘッケルフォーンの中には、さらに半音低いイ(A)まで発音できるものもある。近年では、ヘッケル社とは別の管楽器メーカーからヘッケルフォーン状のタイプのバリトンオーボエが発表されており、そちらは追加キーによってさらに低いヘ(F)までの発音が可能になっている。
オーボエと基本的には同じ指使いで、楽譜では1オクターブ高く書かれる(楽譜より1オクターブ低い音が出る)。そのため、移高楽器に分類される。
音域としてはオーボエとファゴットの中間に位置する楽器であるが、一般的にはあまり用いられない楽器である。
使用楽曲
- グスターヴ・ホルスト:『惑星』
- ハヴァーガル・ブライアン:交響曲第1番『ゴシック』
- クシシュトフ・ペンデレツキ:『ピッツバーグ序曲』
- リヒャルト・シュトラウス:『サロメ』『エレクトラ』『祝典前奏曲』『アルプス交響曲』(いずれもヘッケルフォーン)
- パウル・ヒンデミット:ピアノ、ヴィオラとヘッケルフォーンのための三重奏曲 Op.47(1929年)
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典拠レコード: