デビッド・ロバートソン (野球)
獲得メダル | ||
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アメリカ合衆国 | ||
ワールド・ベースボール・クラシック | ||
金 | 2017 | 野球 |
デビッド・アラン・ロバートソン(David Alan Robertson, 1985年4月9日 - )は、アメリカ合衆国アラバマ州バーミングハム出身のプロ野球選手(投手)。現在は、MLBのニューヨーク・ヤンキースに所属している。
兄のコナー・ロバートソンもメジャーリーグでプレー経験がある。
愛称はディーロブ[1]。
Contents
経歴
ヤンキース時代
2006年、MLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから17巡目(全体524位)指名を受け、8月21日に契約。
2007年は、マイナーの3チームで合計84.1イニングを投げ、8勝3敗4セーブ・防御率0.96。114三振に対し45安打しか許さなかった。
2008年は、マイナーの2チームで投げ、合計53.2イニングで4勝0敗3セーブ・防御率1.68。ここでも77三振に対し28安打しか許さなかった。6月28日にAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースからメジャー昇格を果たしたが、防御率は6.31と結果を残せず、8月28日に再びAAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格。9月13日に再びメジャーに昇格した。
2009年は、開幕をAAA級スクラントン・ウィルクスバリで迎えたが、ゼイビア・ネイディの15日間の故障者リスト入りに伴い、4月16日にメジャーに昇格。翌日、フアン・ミランダのロースター枠を空けるために再びAAA級スクラントン・ウィルクスバリに降格し、5月29日に再びメジャーに昇格した。最終的な成績は43.2イニングで奪三振63(奪三振率12.97)という数字を記録し、飛躍を遂げた。
2010年は、前年を上回る64試合に登板した。防御率はやや悪化したが、61.1イニングで71奪三振を奪った。奪三振率は10.42という数値を記録し、メジャーデビューから3年連続で10.00以上の奪三振率を記録し続けた。
2011年は、マリアノ・リベラに繋ぐセットアッパーとして防御率1.08、奪三振率13.50という驚異的な成績を記録。サイ・ヤング賞とア・リーグMVPの投票でも救援投手として唯一得票を得た。
2012年は、シーズン当初にリベラが故障したため一時期抑えを務めたが、左脇腹痛で故障者リスト入り。抑えの座はラファエル・ソリアーノに譲ったが、復帰後は右のセットアッパーとして、安定した成績を残した。特に12.02という奪三振率に加え、与四球が大幅に減少したため、K/BB(奪三振/与四球)では4.38とキャリア最高の数字を残した。
2014年1月17日にヤンキースと521万5000ドルの1年契約に合意した[2]。スプリングトレーニングでは7試合に登板し、6回を投げ無失点と好投。開幕ロースター入りし、リベラの引退で空いた抑えの座を勝ち取った。開幕後は3試合に登板し、2セーブを挙げたが、4月7日に左足の付け根を痛め、15日間の故障者リスト入りした[3]。4月22日に故障者リストから外れた[4]。本拠地最終戦となった9月25日のボルティモア・オリオールズ戦では、5対2とリードした局面で黒田博樹の後を受けて9回表のマウンドに登った。しかし、1死1塁からアダム・ジョーンズから2点本塁打を浴びると、続くネルソン・クルーズは打ち取り2死とするものの、その次のスティーブ・ピアースに再び本塁打を浴び、追いつかれてしまう。シーズン5度目のセーブ失敗となったが、続く9回裏に、このシーズン限りで引退を表明しているデレク・ジーターの現役最後のサヨナラタイムリーヒットが飛び出し、ロバートソンは勝利投手となった[5]。結果として最高の幕切れを導いたセーブ失敗について、地元紙ニューヨーク・ポストの記事では「史上最高のブラウンセーブ」という見出しで書かれ[6]、ESPNでは「良いブラウンセーブというものがあるなら、これがそれだった」と評された[5]。この年は最終的にリーグ3位の39セーブをあげ、セーブ成功率は10セーブ以上あげた投手の中ではリーグ4位の88.6%を記録。防御率こそ3.08と前年より大幅に悪化したものの、被打率.191、WHIP1.06、奪三振率13.43はすべてキャリア2番目の記録であり、クローザー転向初年度としては充分な働きを見せた[7]。オフの10月30日にFAとなった。
ホワイトソックス時代
2014年12月10日にシカゴ・ホワイトソックスと総額4600万ドルの4年契約を結んだ[8]。12月16日に同時期に入団したジェフ・サマージャ、メルキー・カブレラと共に入団会見を行った。背番号は、「30」に決まった[9]。
2015年は抑えとして60試合に投げ、リーグ6位タイとなる34セーブを挙げたが、防御率は3.41まで悪化した。高い三振奪取能力は健在で、率は12.0を超えた。
2016年も抑えとして起用され、前年を上回る62試合登板、リーグ4位タイとなる37セーブを挙げた。しかし、防御率こそ前年とほぼ同じであったが、BB/9が1.85から4.62、WHIPが0.97から1.36と投球内容が大幅に悪化した。
2017年開幕前の2月9日に第4回WBCのアメリカ合衆国代表に選出された[10]。本戦では計4試合に登板し3.2イニングを1失点。3月22日の決勝プエルトリコ戦では最後の1イニングを投げ、初優勝の胴上げ投手となった[11]。シーズンでは7月までに31試合に登板し、4勝2敗13セーブ、防御率2.70と好調を維持していた。
ヤンキース復帰
2017年7月19日にタイラー・クリッパード、イアン・クラーキン、ブレイク・ラザフォード、ティト・ポロとのトレードで、トッド・フレイジャー、トミー・ケインリーとともにニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[12]。移籍後は主にセットアッパーとして30試合に投げ、5勝負けなし、防御率1.03、WHIP0.74とさらに圧倒的な投球を見せた。両チーム合計では61試合登板で自身最多である9勝を記録、防御率1.84、WHIP0.85と投球内容も前年から大きく改善された。
投球スタイル
オーバースローから、最速球速96.3mph(155km/h)[13]・平均92mph(148km/h)のカッターを中心に、決め球である平均82mph(132km/h)のナックルカーブ、その他に平均93mph(150km/h)のフォーシーム、平均89mph(143km/h)のチェンジアップなども使用する(2016年シーズンによる)[14]。
詳細情報
年度別投手成績
2008 | NYY | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 131 | 30.1 | 29 | 3 | 15 | 2 | 0 | 36 | 6 | 0 | 18 | 18 | 5.34 | 1.45 |
2009 | 45 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 5 | .667 | 191 | 43.2 | 36 | 4 | 23 | 1 | 1 | 63 | 6 | 0 | 19 | 16 | 3.30 | 1.35 | |
2010 | 64 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 5 | 1 | 14 | .444 | 273 | 61.1 | 59 | 5 | 33 | 6 | 3 | 71 | 7 | 2 | 26 | 26 | 3.82 | 1.50 | |
2011 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 34 | 1.000 | 272 | 66.2 | 40 | 1 | 35 | 6 | 1 | 100 | 6 | 1 | 9 | 8 | 1.08 | 1.13 | |
2012 | 65 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 2 | 30 | .222 | 248 | 60.2 | 52 | 5 | 19 | 0 | 1 | 81 | 1 | 1 | 19 | 18 | 2.67 | 1.17 | |
2013 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 1 | 3 | 33 | .833 | 262 | 66.1 | 51 | 5 | 18 | 1 | 2 | 77 | 1 | 0 | 15 | 15 | 2.04 | 1.04 | |
2014 | 63 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 5 | 39 | 0 | .444 | 259 | 64.1 | 45 | 7 | 23 | 2 | 1 | 96 | 0 | 0 | 23 | 22 | 3.08 | 1.06 | |
2015 | CWS | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 5 | 34 | 0 | .545 | 250 | 63.1 | 46 | 7 | 13 | 2 | 1 | 86 | 4 | 0 | 27 | 24 | 3.41 | 0.93 |
2016 | 62 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 3 | 37 | 0 | .625 | 267 | 62.1 | 53 | 6 | 32 | 4 | 1 | 75 | 1 | 0 | 24 | 24 | 3.47 | 1.36 | |
2017 | 31 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 13 | 0 | .667 | 132 | 33.1 | 21 | 4 | 11 | 3 | 2 | 47 | 3 | 0 | 10 | 10 | 2.70 | 0.96 | |
NYY | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 8 | 1.000 | 132 | 35.0 | 14 | 2 | 12 | 2 | 1 | 51 | 4 | 0 | 4 | 4 | 1.03 | 0.74 | |
'17計 | 61 | 0 | 0 | 0 | 0 | 9 | 2 | 14 | 8 | .818 | 264 | 68.1 | 35 | 6 | 23 | 5 | 3 | 98 | 7 | 0 | 14 | 14 | 1.84 | 0.85 | |
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MLB:10年 | 585 | 0 | 0 | 0 | 0 | 45 | 29 | 132 | 124 | .585 | 2417 | 587.1 | 446 | 49 | 234 | 29 | 14 | 783 | 39 | 4 | 194 | 185 | 2.83 | 1.16 |
- 2017年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
背番号
- 30 (2008年 - )
代表歴
脚注
- ↑ Yanks Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
- ↑ Bryan Hoch (2014年1月17日). “Gardner, Kelley, Nova, Robertson avoid arbitration” (英語). MLB.com. . 2017年7月20日閲覧.
- ↑ Bryan Hoch (2014年4月7日). “Robertson headed to DL with strained groin” (英語). MLB.com. . 2017年7月19日閲覧.
- ↑ Bryan Hoch (2014年4月22日). “Robertson returns from disabled list” (英語). MLB.com. . 2017年7月19日閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 Kieran Darcy (2014年9月26日). “Robertson's failure leads to Jeter's success” (英語). ESPN. . 2014年10月9日閲覧.
- ↑ Dan Martin (2014年9月26日). “Robertson’s best blown save ever: ‘I’m glad it happened’” (英語). New York Post. . 2014年10月9日閲覧.
- ↑ Wallace Matthews (2014年10月2日). “Burning Question: Re-sign D-Rob?” (英語). ESPN. . 2014年10月10日閲覧.
- ↑ “White Sox and pitcher David Robertson agree to terms on four-year contract” (英語) (プレスリリース), MLB.com (Chicago White Sox), (2014年12月10日) . 2014年12月11日閲覧.
- ↑ Scott Merkin (2014年12月16日). “White Sox unveil Samardzija, Robertson, Melky” (英語). MLB.com. . 2017年7月19日閲覧.
- ↑ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
- ↑ Doug Miller (2017年3月22日). “American Beauty: USA dominates PR in final” (英語). World Baseball Classic. MLB.com. . 2017年7月19日閲覧.
- ↑ Bryan Hoch (2017年7月19日). “Yanks get Frazier's power, extra relief in blockbuster” (英語). MLB.com. . 2017年7月20日閲覧.
- ↑ 2011年シーズン計測。
- ↑ PITCHf/x - FanGraphs.com
関連項目
外部リンク
- David Robertson stats MiLB.com (英語)
テンプレート:ニューヨーク・ヤンキース テンプレート:2009 ニューヨーク・ヤンキース テンプレート:2017 ワールド・ベースボール・クラシックアメリカ合衆国代表